欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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324白い巨大な魔獣

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村長から許可を受けた冒険者達が、朝早くから地底湖へと向かう。
厳重に閉じられた門を開いて、砂浜へと下りた。

「良し、魔獣を釣るぞ。」

冒険者達のリーダーが指示を出すと、魔導士がアイテムボックスから肉を取り出しロープを付ける。
それを筋肉隆々の巨漢が地底湖に向かって投げ飛ばした。
後は縄が引かれたタイミングで引き寄せれば、肉に食らいついた魔獣が引き寄せられる。

「魔獣を倒せ。」

浜辺まで引き上げると、待機していた冒険者達で止めを刺していく。
それを何度か行っていたが、釣れる魔獣が少ない。

「リーダー、どうする?」
「ボートで沖に出て魔獣を引き寄せるか。」
「危険じゃないか?」
「その為に、魔道具を買って来たんじゃないか。ボートに取り付けるから出してくれ。」

魔導士がアイテムボックスから取り出したのは、水中で推進力を作り出す魔道具。
それを浜辺においてあるボートに取り付けると、地底湖へ乗り出した。
ボートで肉を引きずり魔獣を集めていたが、

「肉を捨てろ、砂浜へ逃げろ。」

以前ならもっと奥に生息している強力な魔獣が集まり始め、更に後ろの方で水の盛り上がりが・・・

「急げ、急げ、急げ。このままボート毎、砂浜へ乗り上げろ。」

砂浜に乗り上げた船から冒険者達が飛び出したが、既に砂浜では冒険者が魔獣と戦っていた。

「撤退して門を閉めるぞ。」

リーダが叫ぶ中、水中から巨大な白い魔獣が現れた。
のっぺりした顔に、無機質な目、そして大きく裂けた巨大な口。
冒険者達が急いで門を閉めようとしたが、白い巨大な魔獣が水魔法を放ち門を閉めようとした冒険者を吹っ飛ばす。
そこへ他の魔獣が攻め込んで来たので、門を閉める事も出来ずに崖の上に登ってこようとする魔獣と戦うことになった。


村中に鐘が鳴り、拓達来訪者も何事かと広場に集まった。

「地底湖で魔獣が溢れた。今冒険者が崖の上で食い止めている。
 真っ白な巨大な魔獣も現れた。戦える者は力を貸してくれ。」

魔獣討伐のリスクが高くOZ,クリームが戦闘に参加するか悩んでいる所に村長がやって来た。

「拓殿、もし門が閉められない場合、洞窟の入口を破壊する事は出来ないでしょうか。
 勿論、謝礼を用意させて頂きます。」

拓が休憩所として巨大な壁を作っているのなら、洞窟を破壊できるのではないかと考えていた。
拓は巨大な洞窟を思い出したが、塞げるか自信は無い。
破壊できたとしても、あれだけ巨大な地底湖が広がっているとなると穴が開いてしまい、逆に魔獣があふれ出てくる可能性もある。

「出来るか分かりませんし、より危険な状態になる可能性もあります。
 所で、何故巨大な魔獣が崖の方へ来たのですか?」

村長が状況を伝えに来た冒険者の話を伝えると、拓はエチゴを見る。
エチゴの護衛として動いている以上、最終判断はエチゴが行う必要が有る。

「拓さん、大丈夫ですか?」
「無理なら、直ぐに撤退します。」
「分かりました。」

エチゴの了解を得た所で、村長に考えを話す。

「餌を使って地底湖の奥へと誘ってみるのはどうでしょうか。
 そのボートに使った動力部の魔道具を回収したら、俺の物にして良いですかね?」
「この状況を収束できるのなら、その位の調整はさせてもらいます。」
「では、魔獣をおびき寄せる大量の肉と、その魔道具を取り付ける板を用意してくれますか。」

拓は紙に板の形状を書いて、村人に渡すと地底湖の方へと向かった。
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