欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

文字の大きさ
上 下
315 / 542

315打ち上げ

しおりを挟む
休憩所予定地の方でも戦闘が始まり、盗賊達は兵士が怪我をしていると思い仕掛けてきたが、
騙されたと分かった時には、返り討ちに合っていた。
エチゴ屋の馬車もクリームの活躍で無傷だった。

問題はその後で、戦いに釣られて魔獣がやって来てしまい盗賊より魔獣退治の方が大変だった。
暗闇の中での魔獣との戦闘。
魔獣との戦いで何人かの盗賊は食い殺され、兵士達にも怪我人が出ていた。

拓は兵士の治療を行うと、直ぐに休憩所の壁を作り始め朝までに完成させていた。
そして遠距離攻撃を仕掛けてきた盗賊が連れて来られると、仮眠を取らせてもらう事にした。


拓は昼食を食べながら、兵士が盗賊から聞き出した話を伺う。
盗賊達は惨敗兵姿の兵士を確認していたが、同時に領主が追加の兵を送った情報も入手していたので様子を見ていたらしい。
そして、惨敗兵と追加の兵が別行動をし、惨敗兵とエチゴ屋が行動を共にするのを見て攻撃をすることを決めた。
今日の夕方には追加の兵士が盗賊を連れて戻って来るので、今回捕まえた盗賊も一緒に運ぶ。

既に、盗賊の住処も聞きだし調査が行われ、保持していた金についてはOZ、クリーム、エチゴ商会に渡され、盗品については領主の方で対応を行う事になった。
拓は自分達を見張っていた盗賊に興味が有ったが、戦闘になった際逃げ出してしまったらしい。

「そうですか。気配をどうやって消していたのか知りたかったのですが仕方ないですね。」

移動の間、拓は探索魔法を使っていたが監視者の存在を見つける事は出来なかった。

「盗賊退治も終わりましたし、兵士の方々は体を洗った方が良いですね。
 次は村だというのに、その恰好のままで居るわけにはいかないでしょうし。」

休憩所の安全は確保されているので、拓は兵士達の裸を見る事・・・ではなく身体を綺麗にすることを優先した。
拓が作り出した湯の玉の中で身体を洗い、服も洗う。
本当なら服が乾くまで素っ裸をながめたかったが、盗賊の見張りも有り身体だけ洗えれば良いと言うので、仕方なく洗った服を魔法で乾かしていた。

夕方に盗賊を連れた兵士達が到着し、新しく捕まえた盗賊達を檻にむりやり押し込んでいた。
拓も覗いてみたが、呪いは未だ効いているみたいで盗賊達は起きてはいるが虚ろな目をしている。
そして、せっかく素っ裸にしたというのに、パンツをはかされていた。
ただ、全員の股間はテントを張っていて、ザーメンらしき染みがべっとりと付いていた。

「この度の、盗賊退治、ありがとうございました。
 お陰で、この街道も安全に移動できるようになります。」

盗賊達の対応が終わると、兵士達が一列に並び礼を述べると頭を下げる。
拓達もそれに応えて頭を下げる。


「2グループの盗賊を無事に退治できましたし、今夜は美味しい物でも食べましょうか。」

拓はそう言うと、アイテムボックスから鶏肉料理を取り出し兵士達の前に並べる。

「拓殿、この間とは違う肉の様に見えますが、何の肉なのですか?」
「ワイバーン、ロックバード、プテラの肉ですね。こんな時は、少し豪華な食事の方が良いでしょう。」

拓の言葉に、護衛の兵士達から歓声が上がる。


領主の方では、100人もの盗賊が退治された事を聞いて今後の対応を考えていたが
素直に、王都や周辺の町や村に通達することにした。
正直、自分達が退治出来ないでいた盗賊を、拓達は一気に討伐してしまった。
領地を治める貴族として力不足と言われても仕方ない事だが、下手に取り繕っても意味が無かった。
拓が行っている休憩所作りは、全ての貴族が注目していると言っても過言ではない。
その中で行われた盗賊退治が拓達が関わっていないと考える様な貴族が居るはずもなかった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!

古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます! 7/15よりレンタル切り替えとなります。 紙書籍版もよろしくお願いします! 妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。 成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた! これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。 「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」 「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」 「んもおおおっ!」 どうなる、俺の一人暮らし! いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど! ※読み直しナッシング書き溜め。 ※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。  

エルフの国の取り替えっ子は、運命に気づかない

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
  エルフの国の王子として生まれたマグノリアンは人間の種族。そんな取り替えっ子の彼は、満月の夜に水の向こうに人間の青年と出会う。満月の夜に会う様になった彼と、何処か満たされないものを感じていたマグノリアンは距離が近づいていく。 エルフの夜歩き(恋の時間※)で一足飛びに大人になるマグノリアンは青年に心を引っ張られつつも、自分の中のエルフの部分に抗えない。そんな矢先に怪我で記憶を一部失ったマグノリアンは青年の事を忘れてしまい、一方で前世の記憶を得てしまった。  18歳になった人間のマグノリアンは、父王の計らいで人間の国へ。青年と再開するも記憶を失ったマグノリアンは彼に気づかない。 人間の国の皇太子だった青年とマグノリアン、そして第二王子や幼馴染のエルフなど、彼らの思惑が入り乱れてマグノリアンの初恋の行方は?  

皇子ではなく魔塔主の息子だった俺の逃走計画

春暮某乃
BL
ノヴァ•サンセント。 帝国の第二皇子である。今年、15歳の誕生日を迎える年だった。 皇族は15歳になれば、帝国民へ皇族の仲間入りをしたと知らせる大きな宴が開かれる。 しかし、婚外子のノヴァが皇族になることを気に入らない人間が多くいた。 その誕生日会の知らせが皇帝から宣言されたことによりノヴァの周りはさまざまなことが変化していく。 義兄×義弟 実父×息子 ⚠️なんでもあり向け。 題名の通りです。 あらすじまた後で書き直します!

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

異世界でホワイトな飲食店経営を

視世陽木
ファンタジー
 定食屋チェーン店で雇われ店長をしていた飯田譲治(イイダ ジョウジ)は、気がついたら真っ白な世界に立っていた。  彼の最後の記憶は、連勤に連勤を重ねてふらふらになりながら帰宅し、赤信号に気づかずに道路に飛び出し、トラックに轢かれて亡くなったというもの。  彼が置かれた状況を説明するためにスタンバイしていた女神様を思いっきり無視しながら、1人考察を進める譲治。 しまいには女神様を泣かせてしまい、十分な説明もないままに異世界に転移させられてしまった!  ブラック企業で酷使されながら、それでも料理が大好きでいつかは自分の店を開きたいと夢見ていた彼は、はたして異世界でどんな生活を送るのか!?  異世界物のテンプレと超ご都合主義を盛り沢山に、ちょいちょい社会風刺を入れながらお送りする異世界定食屋経営物語。はたしてジョージはホワイトな飲食店を経営できるのか!? ● 異世界テンプレと超ご都合主義で話が進むので、苦手な方や飽きてきた方には合わないかもしれません。 ● かつて作者もブラック飲食店で店長をしていました。 ● 基本的にはおふざけ多め、たまにシリアス。 ● 残酷な描写や性的な描写はほとんどありませんが、後々死者は出ます。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

処理中です...