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304正体
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食事会にはロダン侯爵の息子ルーカスとビスタ男爵の息子ハックも参加していたが、親に付いて回り挨拶をした後は手持無沙汰になっていた。
「私はロダン侯爵家のルーカスだ。」
「ビスタ男爵家のハックと申します。」
「知っているよ。ハックは拓さんに教わって治癒魔導士を目指しているんだろ。」
「はい。色々と勉強をしている所です。」
「挨拶は終わったから、そんな気を使った話し方は止めようよ。
それよりも、拓さん指導について教えてくれないか。」
結局、同世代の子供同士で話をすることになったのだが、初めの挨拶だけしっかりとするが直ぐに同世代の友達として話し始めた。、
ルーカスにとってハックは唯一、拓から魔法を教わっている特別な存在だった。
他の貴族も拓に自分の子供に魔法を教えて欲しいと頼まれているそうだが、全て断っていると聞いている。
ハックが拓から治癒魔法を教わっている内容を話すと、ルーカスは拓の事を根掘り葉掘り聞いて
「ハックは凄いな。俺も魔導士だったら良かったのに。」
ハックの事を羨ましがっていた。
そんな場に拓が挨拶がてら顔を出すと
「拓さん、私も弟子にしてください。」
ルーカスが飛びついて来た。
ハックの未来に悪影響が無いように、拓は弟子ではなく治癒魔法を教えているだけだと説明する。
合わせて「俺は剣士では無いので、ルーカスには教えられないよ。」と断りも・・・
ルーカスが残念そうにしているが、こればかりは諦めてもらうしかない。
良い機会なので、2人に自分の冒険者仲間を紹介しておく。
「皆さん、拓さんの仲間なのですね。凄いです。」
ルーカスの反応に全員が困っていたが、一番困っているのは拓だった。
未だに変わらないルーカスの拓への色眼鏡が理解できない。
ロダン侯爵の回りには変な大人が集まっているのだろうか?と疑わずにはいられない。
パーティもそろそろ終わりになってきた時、浩司、由美、里香が改めてOZに話しかけてくる。
「今度、俺達3日間休みを取るので、町を案内してくれませんか?」
拓は事前にガラ、レオに改めて勇者3人に遊覧飛行を行う事を伝えていたので、直ぐに了解していた。
OZの方で宿の予約をするというと、
「出来れば夜も遊びたいのでテントが良いです。」
夜間飛行もお望みの様なので、ゴルゴにスラム街の一角にテントを張らせてもらう様お願いすることにした。
パーティも無事に終わり、OZは勇者達と泊まる予定の場所でテントを張ろうとスラム街に行く事に。
「拓、本当に勇者をスラム街に泊めるつもりか?」
「あそこなら安全だし、監視の目を欺くのに丁度良いから。」
ゴルゴは拓の答えを聞いて、また変な事を考えていると思いながらも安全とまで言えるようになった事に感謝をしていた。
サブは自分達の所に勇者が泊ると聞いて素直に喜んでいる。
歩きながら、今日のパーティの話をしていたのだが、
「そう言えば、アンディ・ジョーンズは拓が変装した姿なんじゃないか?」
「えっ?」
ゴルゴがクロイツ公爵の変装を見て思ったことを口に出してしまった。
謎の探検家アンディ・ジョーンズ。小柄でポッチャリ、眼鏡を掛けに髭を生やした上級の探索魔法を使う魔導士。
複数の魔法を使い、上級の治癒魔法まで使いこなす拓なら上級の探索魔法を使っても不思議ではない。
そもそも、自分で『謎の』と付ける独特のセンスを持っている人物が他にいるとは思えない。
「すまん、余計な事を言ってしまったな。」
謝罪するゴルゴに、拓はニコニコと笑っているだけだった。
スラム街の空き地にテントを取り出し、OZが中で寛いでいると
「ゴルゴは気付いたみたいだが、どうするつもりだ?」
「ゴルゴさんとサブには正体を明かそうと思う。良いかな?」
「あの2人なら良いと思う。」
ガラの言葉にレオも頷いていた。
「あの2人なら、今更拓のセンスを痛い目で見る事は無いだろうしな。」
拓はレオが論点のズレた話をすると思ったが、ガラは強く同意をしていた。
ガラもレオもゴルゴとサブの事は信頼しているが、呆れられないか心配していた。
「私はロダン侯爵家のルーカスだ。」
「ビスタ男爵家のハックと申します。」
「知っているよ。ハックは拓さんに教わって治癒魔導士を目指しているんだろ。」
「はい。色々と勉強をしている所です。」
「挨拶は終わったから、そんな気を使った話し方は止めようよ。
それよりも、拓さん指導について教えてくれないか。」
結局、同世代の子供同士で話をすることになったのだが、初めの挨拶だけしっかりとするが直ぐに同世代の友達として話し始めた。、
ルーカスにとってハックは唯一、拓から魔法を教わっている特別な存在だった。
他の貴族も拓に自分の子供に魔法を教えて欲しいと頼まれているそうだが、全て断っていると聞いている。
ハックが拓から治癒魔法を教わっている内容を話すと、ルーカスは拓の事を根掘り葉掘り聞いて
「ハックは凄いな。俺も魔導士だったら良かったのに。」
ハックの事を羨ましがっていた。
そんな場に拓が挨拶がてら顔を出すと
「拓さん、私も弟子にしてください。」
ルーカスが飛びついて来た。
ハックの未来に悪影響が無いように、拓は弟子ではなく治癒魔法を教えているだけだと説明する。
合わせて「俺は剣士では無いので、ルーカスには教えられないよ。」と断りも・・・
ルーカスが残念そうにしているが、こればかりは諦めてもらうしかない。
良い機会なので、2人に自分の冒険者仲間を紹介しておく。
「皆さん、拓さんの仲間なのですね。凄いです。」
ルーカスの反応に全員が困っていたが、一番困っているのは拓だった。
未だに変わらないルーカスの拓への色眼鏡が理解できない。
ロダン侯爵の回りには変な大人が集まっているのだろうか?と疑わずにはいられない。
パーティもそろそろ終わりになってきた時、浩司、由美、里香が改めてOZに話しかけてくる。
「今度、俺達3日間休みを取るので、町を案内してくれませんか?」
拓は事前にガラ、レオに改めて勇者3人に遊覧飛行を行う事を伝えていたので、直ぐに了解していた。
OZの方で宿の予約をするというと、
「出来れば夜も遊びたいのでテントが良いです。」
夜間飛行もお望みの様なので、ゴルゴにスラム街の一角にテントを張らせてもらう様お願いすることにした。
パーティも無事に終わり、OZは勇者達と泊まる予定の場所でテントを張ろうとスラム街に行く事に。
「拓、本当に勇者をスラム街に泊めるつもりか?」
「あそこなら安全だし、監視の目を欺くのに丁度良いから。」
ゴルゴは拓の答えを聞いて、また変な事を考えていると思いながらも安全とまで言えるようになった事に感謝をしていた。
サブは自分達の所に勇者が泊ると聞いて素直に喜んでいる。
歩きながら、今日のパーティの話をしていたのだが、
「そう言えば、アンディ・ジョーンズは拓が変装した姿なんじゃないか?」
「えっ?」
ゴルゴがクロイツ公爵の変装を見て思ったことを口に出してしまった。
謎の探検家アンディ・ジョーンズ。小柄でポッチャリ、眼鏡を掛けに髭を生やした上級の探索魔法を使う魔導士。
複数の魔法を使い、上級の治癒魔法まで使いこなす拓なら上級の探索魔法を使っても不思議ではない。
そもそも、自分で『謎の』と付ける独特のセンスを持っている人物が他にいるとは思えない。
「すまん、余計な事を言ってしまったな。」
謝罪するゴルゴに、拓はニコニコと笑っているだけだった。
スラム街の空き地にテントを取り出し、OZが中で寛いでいると
「ゴルゴは気付いたみたいだが、どうするつもりだ?」
「ゴルゴさんとサブには正体を明かそうと思う。良いかな?」
「あの2人なら良いと思う。」
ガラの言葉にレオも頷いていた。
「あの2人なら、今更拓のセンスを痛い目で見る事は無いだろうしな。」
拓はレオが論点のズレた話をすると思ったが、ガラは強く同意をしていた。
ガラもレオもゴルゴとサブの事は信頼しているが、呆れられないか心配していた。
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