欲にまみれた楽しい冒険者生活

259ドレイク船長

「拓、凄く調子が良さそう。やっぱり休んで正解ね。」
「肌が良い感じなのよ。食事が合っているのかしら？」

拓はジェニファーとロビンに肌を観察されていたが、ガラとレオにたっぷりと性的に満足させてもらったからだとは言えない。
禁欲後の解放された場所でのセックスは最高だった。
これから行く市場では、精力の付くものも大量に買うつもりでいた。

「そういえば、色々とリストを受け取っていなかったか？」

ガラに言われて拓はアイテムボックスからサリナ姫の依頼リストを取り出して皆に見せる。

「拓さん、これを全て買うつもりですか？」
「あくまでも買える範囲の対応ですが、結構な金額を預かってしまったんですよね。」

エチゴに言わせると、かなりの高級魚も入っているらしい。
一応、勇者達から幾ら預かったのかを確認すると

「そんなに預かっているのですか。なら問題ないでしょう。」
「そうなんですか。今回の作業の収入も有るし、俺も色々と購入できそうかな。」

拓はそう言いながらも、王都で高く売れる魚についてエチゴに質問していた。市場に着くと、

「エチゴさん、おはようございます。」

港町に来た時に寄った店の方と、頭にターバンを巻いて日に焼けた厳つい男。
肩やはだけた胸の所に刺青が掘られている。

「こちらは船乗りのドレイクです。魚の目利きは私より上なので連れてきました。」
「ドレイクだ。魚の目利きについては任せてくれ。所で拓さんは何方だろうか？」

拓が手を挙げると、その手を思いっきり握られる。

「俺の村を助けてくれてありがとう。本当に感謝する。」

話を聞くと、拓達が寄った村の中にドレイクの生まれ育った村が有り、拓が治療をしてくれて助けてもらったとの手紙を受け取っていたらしい。
そして、今回　この町にエチゴ屋の商隊やって来ると聞いて、何か手伝えないかと商人に願い出ていた。
街道沿いに安全な休憩地を作っている話は、一部の船乗りたちの間にも知られている話だった。

「助ける事が出来て良かったです。その辺の事は合えて広める気は無いのでそのつもりでお願いします。」

ドレイクは「分かった」と頷き、早速市場を案内してくれる。
見た事の無い魚ばかりだが、拓は切り身を味見し気に入るとドレイクが品定めをして値切ってくれる。

「何あれ、本当に食べれるの？」「ちょっと怖いわね。」

ジェニファーとロビンが指し示す方を見ると、少しグロい軟体生物がいる。

「お嬢さん方、見た目は悪いが味は良いぞ。ちょっと食べてみるか？」

売り場の兄さんが切ったのを差し出してくれる。

「美味しいわ。」
「この弾力も良いわね。」
「だろ。魚も男も見た目で判断しちゃ駄目だ。どうだい、俺もなかなかいい味を出すぜ。」

兄さんは２人に軽口をたたきながらも、拓達にも切り身を進めてくる。
拓も食べさせてもらうと、程よい弾力が有って・・・元の世界でのタコに近い物だった。
拓が購入の意思を伝えると、直ぐにドレイクが値引き交渉をしてくれた。

「拓、土産はどうするつもりだ。」

ガラに言われるまで、ブルネリ公爵達への土産を買うのをすっかり忘れていた。
そして、サリナ姫のリストにある魚の中で一番のお勧めを確認すると

「高いですね。」
「高級魚だからな。王都に行けば、２，３倍の値段になるぞ。」

拓はドレイクの言葉に驚きながら、かなりの値段だったが３匹購入。

「しかし、ドレイク船長が案内なんて珍しいな。」
「あぁ、俺の村の者が世話になってな。」

ドレイクが船長と聞いて驚いたが、その後もリストの食材を自分達の分と合わせて購入し市場巡りを終了した。