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256海

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その後3ヵ所に休憩所を作り貴族の接待を受けたのだが、やはり娘が同席し拓にアピールしていた。

「やっと終わった。この先は魔獣も少ないし、これで海で楽しめる。
 良いように使われているけど、これで商人の活動が安全になるのなら良しとしようか。」

宿に戻ると、拓は大きく体を伸ばしていた。

「俺達が、癒してやろうか。」

レオがスケベな顔で近づくと

「あと3日で海なんだよ。ここは我慢のしどころだろ。」

あの拓が断ってきた。
性欲の塊のような拓が我慢してまで、海で何をしたいのだろうか・・・
ガラとレオは何とも言えない顔をしたが、今回頑張っている拓の為に限界まで挑戦する事を決心した。


そしてやって来た海辺の町。白い壁と赤い屋根で統一された綺麗な町並みだったが

「完全な港町なんですね。」
「そうですよ。多くの海産物や他の国からの輸入品が手に入ります。
 先に知り合いの店に荷物を下ろしてから、宿の方へ向かいます。」

拓が期待していた白い砂浜が何処にも存在していない。
エチゴは知り合いの商人の店で荷物を下ろすと、馬車を進めて町の中心から離れ、ついには町の外へと出てしまった。
全員が不思議そうにしていると、更に新しい門をくぐる。

「凄い、真っ白なビーチだ。あっ、もしかして宿ってあそこですか?」
「そうです。今回の拓殿の働きに対する我々商人からのささやかなお礼です。」

目の前に広がる真っ白なビーチ。その先には水上コテージが有った。
エチゴは馬車を預けると、全員で橋を渡り水上コテージへ移動した。
4棟予約してあり、OZ、クリーム男性陣、女性陣、そしてエチゴとアルのメンバーで分かれてそれぞれの部屋に入る。

「ここ足元がガラス張りだ。水面が見える。」
「ベットルームの天井もガラスだぞ。星空が見えそうだな。」
「外もすげーぞ。真っ青な海が何処までも広がってる。階段も付いて直接海に入れるぞ。」

コテージに入ると、大はしゃぎのOZの3人だった。
女性陣のコテージは反対側となれば、3人は服を脱ぐと素っ裸で海に飛び込んだ。

「凄い透明度。魚が居るよ。」

拓が指さす方を見ればカラフルな魚が見える。
下を見れば白い砂に光がユラユラと揺れている。
隣のコテージからも、トムとニコラスが海に飛び込んで来た。
但し、2人はパンツを履いているが・・・

「ジークは?」
「ジークは泳げないからね。海を見て寛いでいるよ。」
「それにしても、お前等は素っ裸か。気持ち良さそうだな。」

2人は自分達のコテージの方へ戻ると、デッキにパンツを放り投げて素っ裸になって戻って来た。
拓の視線が思わず向いてしまうニコラスの巨大肉棒、存在感あり過ぎるだろう。
ここにジークの身体が無いのが残念だが、拓にとってまさに楽園。

少しすると、直ぐに夕方になるのでそれぞれのロッジで海に沈む夕焼けを見た所で夕食。
シャツに短パンというラフな格好で席に着くと、色鮮やかな海鮮料理が運ばれてきた。
発泡酒で乾杯をすると、早速料理を頂くことに。

「刺身が食べれるとは思わなかった。商人に感謝だね。」

拓が何時も以上に食べ続け、挙句の果てに「胃袋のスベアが欲しい。」食べ過ぎで動けなくなっていた。

「バカなことを言ってないで水着や遊び道具を見に行くぞ。おぶってやろうか?」

ガラに言われ、腹を摩りながら何とか水着や遊び道具を選んでいた。
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