欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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244視察

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細かい調整はエチゴに任せ、拓はジャイア男爵、ポップ団男爵、ピスタ男爵と登城することにした。
既に情報が伝わっていたのか、門にはオリバー隊長が待機されていて直ぐに国王の元へと連れていかれた。
そこには、ブルネリ公爵までいて、国王から先ずは村の開拓状況について問われた。
3人の男爵が村の開拓状況、そして休憩所について写真を見せながら説明を行うと

「ジャイア男爵、ポップ団男爵、ピスタ男爵。
 3人のお陰で、滞りなく村の開拓が行われ助かっている。今後とも頼むぞ。」
「勿体なきお言葉。今後も務めを果たさせて頂きます。」

国王が感謝の言葉を述べた。そして拓の方へ向くと

「拓は休憩所づくりと行うそうだな。」
「正直、流されているだけですが、商人の方々も助かるので良いかと考えています。」
「大丈夫か?」
「何がでしょうか?」
「拓が一人で背負う事では無いぞ。
 異常事態だからと言って、全てを力の有る者が対応する必要は無い。」
「ありがとうございます。とりあえず、今回の3ヵ所だけは行おうかと思います。」
「領主達は残りの24ヵ所についても依頼してくるだろうが、断っても誰にも文句は言わせない。」

有難い言葉だが、案としてチェックした箇所の数まで国王が把握しているのは何故だ?
拓が思わず3人の男爵を見るが、3人も驚いている。

「何だ、数が違っているのか?」
「いえ、技術者達が考えていたのは全てで27ヵ所で合っています。」
「もう一度言う。これは国や領主の問題だ。拓が受ける必要のない話だ。
 作業が危険だと思ったら直ぐに中止しろ。後始末は余が行う。」

国王そういって取り出した地図にはエチゴと技術者達が考えた休憩所の位置が書かれていた。
拓としては昨日考えたばかりの情報をどうやって入手したのかが気になる所だ。

「国としても、OZ,クリーム、エチゴ屋への援助を行うぞ。」
「私の一存では決められる事ではありません。」

とりあえず、休憩所に使う門を作るのは国の方で調整を取ることになった。

「王都に来た技術者達はどうやって開拓地に戻る予定だ?」
「それにつきましては、明日OZとクリームが護衛として同行します。」

拓の答えを聞いて国王は少し考える。

「分かった。余も一緒に行き開拓地の視察をすることにしよう。バランとヨギが護衛に付けば技術者達も心強いだろう。
 合わせて、その休憩所に寄らせてもらう。」
「・・・」

今後の話をする必要もあり、拓は城に泊まらずに帰り皆に国王同行の話をすると

「こっ、国王様が自ら視察を行うのですか。」

さすがにエチゴも驚き、技術者やクリームのメンバーも言葉を失っていた。

次の日の朝早くゴルゴ達冒険者が待ち合わせ場所へとやって来ると、王国の紋章の入った馬車と騎士達を見て立ち止まる。

「ゴルゴさん、サブ、お早う。」
「拓、直ぐに場所を移動させた方が良い。あれは国王陛下の馬車だ。」

慌てる2人に国王が開拓地の視察に同行する事を話していると

「拓殿、メンバーが集まったのなら、少し早いが出発しないか?」

バラン将軍がやって来て、早速出発することになった。
馬車に乗り込むと、早速この状況についてゴルゴが聞いて来たので
ジャイア男爵、ポップ団男爵、ピスタ男爵が開拓地の状況報告をしたところ技術者達に同行し視察をすることになったと説明すると

「拓、そういう事は先に連絡してくれ。余計な時には来るくせに、こんな大事な事は伝えに来ないなんて。」

溜息を吐かれてしまった。
拓の方も急遽国王が来ることになり、エチゴや3人の男爵達との間で大変だったので許して欲しい所だった。
責任者として3人の男爵も再び開拓地へと向かう。

騎士達が先行して魔獣討伐を行う為、一行は何の問題も無く休憩所に辿り着いた。
倒した魔獣は、拓がちゃっかりアイテムボックスに収納している。

「これが休憩所か。確かにこの様な壁に囲まれていれば安心して休むことが出来るな。」

国王は壁を叩いたり上に登り周囲を眺め、拓はヨギ魔導士からの質問攻めにあっていた。
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