欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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スラム街にポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵だけでなく、ブルネリ公爵、ロダン侯爵、勇者3人まで集まっていた。
温かくなり村の開拓が始まろうとしたタイミングで、横やりが入った。

「私の力不足で申し訳ありません。」

ゴルゴがポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵に謝罪していた。
家族を養っている技術者の多くがバラキエ公爵の元へと移ってしまった。

ゴルゴとサブも技術者の家を回って説得をしようとしたが

「ゴルゴすまない。俺にとってこれが最後のチャンスなんだ。」
「チャンスって何だ。こんなに生活が改善されたのは誰のお陰だと思っている。」
「分かってる。しかし、家族の為にも受けるしかないんだ。」

バラキエ公爵は安定した職場と高給料の提示をしてきていた。

「ふざけるな。てめぇら恩を仇で返すつもりかよ。」
「サブ、落ち着いてくれ。」
「だってよ、兄貴・・・」

ゴルゴは頭を下げ続ける技術者とその家族を見る。

「分かった。向こうで頑張ってくれ。」
「本当に済まない。」

ゴルゴとサブはスラム街を出て王都を回って技術者を集めようとしたが、1人も集める事が出来なかった。


更に、バラキエ公爵は新しい村の開拓まで行うと公言した。
既に土地の検討も終えており、国に対し許可まで受けている。

「本当に、ここまでするのか。正論ぽい事を言うけど、結局自分達の手柄が欲しいだけだろ。」
「拓、それよりも技術者をどうするか考えた方が良い。」

ガラに言われ話を元に戻すが、良い考えが何も浮かばない。
材料はブルネリ公爵やロダン侯爵が確保してくれているので問題ない。
流通網もエチゴが商人に対し根回ししてくれていて、バラキエ公爵が高料金で別の仕事をする様に働きかけが有ったが
魔獣に襲われた村を守ろうと動いて来た商人達がなびく事はなかった。
問題は技術者不足の問題だけだったが、人材はどうしようもない。

「拓さん、バラキエ公爵の屋敷を徹底的に燃やしてしまいませんか。」
「バラキエ公爵を許すなら、魔獣討伐から手を引いてしまいましょうよ。」
「マジ許せない。なんなのあのオヤジは。」

勇者3人が怒り始め、拓まで賛同するのを皆が止めていた。

「それよりも他の町に技術者を派遣できないか話をしてみよう。
 拓殿の名前を貸して頂くことは出来ないだろうか。」
「それは構いませんが、私の名前なんて意味が有りますか?」
「拓殿の名前は十分に効果が有りますよ。人数を集めてみせる。絶対に成功させます。」
「ブルネリ公爵、私も手伝いましょう。」

ブルネリ公爵とロダン侯爵が技術者集めに動くことになった。
後は残った技術者で出来る事を検討を始めた。
今回出て行ってしまった技術者達は可能な限りの検討を行い資料にまとめてくれていた。

「こんな紙を残したからって、許せるわけねぇだろ。」

サブが怒りで資料を破こうとしたが、拓が止めていた。
その資料は素人の拓が見ても良く出来ていると思う。
彼らなりの謝罪として受け取らせてもらう事にした。
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