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176治癒魔法の教育
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OZはポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵の元に顔を出し、拓は村の開拓について決まった事を話していた。
「先ずは目的地の下見ですね。国からも人や護衛が付くので問題ありません。
細かい話は打ち合わせの場で決まると思いますので宜しくお願いします。」
サリナ姫から話が有ってから3人は村を失った人達の状況を確認していたが、ここまで早く動くとは思ってもいなかった。
拓がアイテムボックスから国王からの開拓委任状を取り出すと、3人は背筋を伸ばして受け取っていた。
一通りの話を終え、ピスタ男爵の息子ハックに対する治癒魔法について話す事に。
「ハックさん、遅くなってしまいましたが、今日は治癒魔法について教えさせてもらいます。」
「とんでもないです。今日は宜しくお願いします。それから私の事はハックと呼んでください。
拓先生、宜しくお願いします。」
先生と呼ばれ、拓は本当に嬉しそうな顔をする。
保有魔力は中級魔導士レベルと言うことで、
先ずはハックと手を繋ぎ魔力循環を行ってもらい保有魔力を確認させてもらった。
魔力量の操作も問題なく出来ている。
「私の治癒魔法は殆ど独学ですので、自分の体験談から有効な話をしたいと思います。
スラム街の知人に怪我人を集めてもらう様に依頼しましたので、実際の治療で身に付けてもらいます。
早速、移動したいのですが、準備は宜しいですか?」
「はい、何時でも大丈夫です。」
スラム街にはハックだけでなく、3人の男爵も同行する。
拓は歩きながら自分の体験談として、知識や具体的なイメージの差による精神的な負担の違いや
この間教わった、先に傷口を魔力で浸してから治療する方法などの話をする。
スラム街に着くと、ゴルゴとサブが待っていてくれた。
「拓、来たな。怪我人を集めているぞ。そちらが教える魔導士か?」
「ありがとう。紹介します。ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵。
それから彼が今日 治癒魔法を教えるピスタ男爵の息子ハックさん。」
ゴルゴとサブはまさか貴族が来るとは思ってもなく驚いていた。
「こちらは、ゴルゴさんとサブ。スラム街のまとめ役です
私達が何かをするときは、2人に相談させてもらっています。」
挨拶を終えると、男爵3人がスラム街の様子を知りたいと言うのでゴルゴに案内をすることになり
拓とハックはサブが対応することになった。
「解体作業を頼んだら、早速治療を始めさせてもらうよ。」
拓がアイテムボックスから討伐した魔獣を預けると、さっそく治療する場所へ移動したのだが
サブに連れられて行った先にはテントが設置され、その前に大勢の人・・・
「ちょっと多過ぎないか?」
「拓が対応すると聞いたら、ちょっとの怪我人まで集まっちまってよ。」
「今日は、彼に治癒魔法を教える場だって伝えてくれた?」
「軽い傷だったら練習に良いだろうと余計に人が集まっちまったんだよ。」
「本当に有難いな。」
「何を言っていやがる。こっちの方が感謝してんだよ。」
早速ハックに小さな怪我の治療を行わせてみる。
魔力に余裕は有るが、思っていたより精神的な負担が大きいみたいだ。
拓が人体について説明をし、具体的なイメージを持って治癒魔法を使わせてみると、ハック自身驚くほど楽になっていた。
その後は、先に拓が怪我について説明をし、具体的なイメージを持った所でハックが治療を続けた。
「ハック、凄いよ。こんなに直ぐに上達するとは思わなかった。
連続して治癒魔法を使ったから、少し休んで俺の治癒魔法を見ててくれるかな。」
拓は、怪我の説明をしながらハックに治癒魔法を見せて具体的なイメージを掴んでもらう。
そして、酷い怪我をしている人に対し、魔力に浸してから治療する技を使ってみせる。
「この間教わった技なんだけど、凄くないか。こんな怪我でも完璧に治せる。」
凄いドヤ顔の拓に、尊敬した目で見るハック。
拓の中では治癒魔法の秘術と言える技だ・・・拓の治療した後を見ると確かに完璧に治って凄いのだが、一般的な方法でしかない。
しかしサブは、ホワイトジャックとしてもっと酷い怪我人を大勢完璧に治療していて何故そんなにドヤ顔になるのかと不思議に思いながら見ていた。
教育と治療は順調に行われ、ハックは治癒魔導士としての技術を学び、怪我人も満足いく治療を受けられた。
一方城では、
「何でこんな大量の決算資料を私が処理しなければならないのよ。」
「今回の指導者の件で横やりが入らない様にと、拓様が国王様に推薦されました。
国王様も、良い教育の機会だとおっしゃられています。
私共も全力で頑張りますので、成功させましょう。」
「絶対に私への嫌がらせよね。でも、この開拓が成功すれば拓も魔法以外で貴族達から一目置かれるわよね。」
「そうですね。今回の会議での拓殿の影響は大きいですから。」
「なら、私も頑張るしかないか・・・でも、これって私が対応できる話じゃないわよね。」
拓の置き土産で、サリナ姫が書類に埋もれていた。
「先ずは目的地の下見ですね。国からも人や護衛が付くので問題ありません。
細かい話は打ち合わせの場で決まると思いますので宜しくお願いします。」
サリナ姫から話が有ってから3人は村を失った人達の状況を確認していたが、ここまで早く動くとは思ってもいなかった。
拓がアイテムボックスから国王からの開拓委任状を取り出すと、3人は背筋を伸ばして受け取っていた。
一通りの話を終え、ピスタ男爵の息子ハックに対する治癒魔法について話す事に。
「ハックさん、遅くなってしまいましたが、今日は治癒魔法について教えさせてもらいます。」
「とんでもないです。今日は宜しくお願いします。それから私の事はハックと呼んでください。
拓先生、宜しくお願いします。」
先生と呼ばれ、拓は本当に嬉しそうな顔をする。
保有魔力は中級魔導士レベルと言うことで、
先ずはハックと手を繋ぎ魔力循環を行ってもらい保有魔力を確認させてもらった。
魔力量の操作も問題なく出来ている。
「私の治癒魔法は殆ど独学ですので、自分の体験談から有効な話をしたいと思います。
スラム街の知人に怪我人を集めてもらう様に依頼しましたので、実際の治療で身に付けてもらいます。
早速、移動したいのですが、準備は宜しいですか?」
「はい、何時でも大丈夫です。」
スラム街にはハックだけでなく、3人の男爵も同行する。
拓は歩きながら自分の体験談として、知識や具体的なイメージの差による精神的な負担の違いや
この間教わった、先に傷口を魔力で浸してから治療する方法などの話をする。
スラム街に着くと、ゴルゴとサブが待っていてくれた。
「拓、来たな。怪我人を集めているぞ。そちらが教える魔導士か?」
「ありがとう。紹介します。ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵。
それから彼が今日 治癒魔法を教えるピスタ男爵の息子ハックさん。」
ゴルゴとサブはまさか貴族が来るとは思ってもなく驚いていた。
「こちらは、ゴルゴさんとサブ。スラム街のまとめ役です
私達が何かをするときは、2人に相談させてもらっています。」
挨拶を終えると、男爵3人がスラム街の様子を知りたいと言うのでゴルゴに案内をすることになり
拓とハックはサブが対応することになった。
「解体作業を頼んだら、早速治療を始めさせてもらうよ。」
拓がアイテムボックスから討伐した魔獣を預けると、さっそく治療する場所へ移動したのだが
サブに連れられて行った先にはテントが設置され、その前に大勢の人・・・
「ちょっと多過ぎないか?」
「拓が対応すると聞いたら、ちょっとの怪我人まで集まっちまってよ。」
「今日は、彼に治癒魔法を教える場だって伝えてくれた?」
「軽い傷だったら練習に良いだろうと余計に人が集まっちまったんだよ。」
「本当に有難いな。」
「何を言っていやがる。こっちの方が感謝してんだよ。」
早速ハックに小さな怪我の治療を行わせてみる。
魔力に余裕は有るが、思っていたより精神的な負担が大きいみたいだ。
拓が人体について説明をし、具体的なイメージを持って治癒魔法を使わせてみると、ハック自身驚くほど楽になっていた。
その後は、先に拓が怪我について説明をし、具体的なイメージを持った所でハックが治療を続けた。
「ハック、凄いよ。こんなに直ぐに上達するとは思わなかった。
連続して治癒魔法を使ったから、少し休んで俺の治癒魔法を見ててくれるかな。」
拓は、怪我の説明をしながらハックに治癒魔法を見せて具体的なイメージを掴んでもらう。
そして、酷い怪我をしている人に対し、魔力に浸してから治療する技を使ってみせる。
「この間教わった技なんだけど、凄くないか。こんな怪我でも完璧に治せる。」
凄いドヤ顔の拓に、尊敬した目で見るハック。
拓の中では治癒魔法の秘術と言える技だ・・・拓の治療した後を見ると確かに完璧に治って凄いのだが、一般的な方法でしかない。
しかしサブは、ホワイトジャックとしてもっと酷い怪我人を大勢完璧に治療していて何故そんなにドヤ顔になるのかと不思議に思いながら見ていた。
教育と治療は順調に行われ、ハックは治癒魔導士としての技術を学び、怪我人も満足いく治療を受けられた。
一方城では、
「何でこんな大量の決算資料を私が処理しなければならないのよ。」
「今回の指導者の件で横やりが入らない様にと、拓様が国王様に推薦されました。
国王様も、良い教育の機会だとおっしゃられています。
私共も全力で頑張りますので、成功させましょう。」
「絶対に私への嫌がらせよね。でも、この開拓が成功すれば拓も魔法以外で貴族達から一目置かれるわよね。」
「そうですね。今回の会議での拓殿の影響は大きいですから。」
「なら、私も頑張るしかないか・・・でも、これって私が対応できる話じゃないわよね。」
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