欲にまみれた楽しい冒険者生活

175会議

城では新しい村を作る会議が始まった。

「サリナ様、この様な事を男爵に任せて良いと思っいるのですか？」
「そうですね。マクニス王国にとっても重要な事です。地位の高い者が行った方が良いでしょう。」

サリナ姫が指揮にポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵の３名を推奨するとバラキエ公爵が反対する。
今回は只の開拓ではなく、魔獣に襲われてから初めて新しく作る町だ。
注目度合いが違い、誰しもが自分の手柄にしたがっていた。

「国王、私から一言良いでしょうか。」

後に控えていた拓が立ち上がる。

「ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵の３名は移住を行う方々と良好な関係を築いています。
　今回の件で一番重要なのは村人達との信頼関係かと思います。」
「拓殿、信頼関係なら今から築けばいい。男爵３人よりまともな対応が出来るでしょう。」

当然の様にバラキエ公爵が反対する。まともな事を言っている様で自分の手柄にしたいのが丸見えだ。

「申し訳ありませんが、あの３名ほどの信頼関係が築けるとは思いません。
　あの３名が対応するのであれば、微力ながら私も手伝いをさせて頂きます。」
「免責札を持つ者と言えども、村作りが出来るとは思えません。ここは我々に任せて頂きたい。」
「それに、今の発言はあの３名以外が行うのであれば協力をしないと言っているように聞こえますが。」

拓に対しバラキエ公爵達が否定する。

「そう言っています。私は冒険者なので、成功の確率の低い事に参加する気は有りません。」
「拓さんと男爵３名が実行されるのであれば、俺達３人も手伝います。」

更に、浩司が勇者として発言してくれると

「私はサリナ様と拓殿が推奨するのであれば、３人に協力をしたいと思う。」
「拓殿、もし第三騎士団が手伝う事になったら受け入れてくれるだろうか。」
「ありがとうございます。決めるのは男爵ですが、口利きをさせて頂きます。」

ブルネリ公爵、バラン将軍、まで援護をする。

「拓殿だけでなく、姫様や勇者様まで力を貸すなんて面白いですな。
　３人の男爵には私も可能な限り助力させて頂きたいと思う。」

クロイツ公爵が拓の意見に賛成する。


「ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵の３名に任せ、もし、失敗した場合は別の者に引き継がせる。」

国王の言葉に他の貴族は反論は出ず、ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵が指揮を取ることになった。
反論していたバラキエ公爵の顔を見ると、失敗すると考えているみたいだったが・・・

「場所についてですが、既に下見をしておきました。
　指揮を取る３名に判断してもらえればと考えていますが如何でしょうか。護衛は私と知り合いの冒険者で行います。」

拓が地図の場所を示すと国王が少し考え

「良い選択だ。下見にはこちらからも同行者を付ける。バラン将軍、護衛の手配を頼む。」
「はっ、分かりました。」

会議は終わり解散となったが、拓は残り国王に問題ないかと聞かれると

「あの方々なら問題ないですよ。今度会う約束をしているので正式に決まったことを話しておきます。
　所で今回の事で１つお願いが有るのですが・・・」

悪巧みを考えた顔で拓は話し始めた。