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143ゴルゴとサブ

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「拓、本当にやるのか?」
「ダメ元でやってみようと思う。上手く行けばお互いに利益が有るし。」
「駄目なら撤退か。まぁ、特に被害は出ないから良いだろ。」

OZの3人はスラム街に来ていた。
誰かに話しかけたかったが、皆構えてしまい声を掛け難い。

「てめぇ達がこの間ウロチョロしていた奴等なのか。ここに何しに来た。」

そんなOZの前に大男が立ち塞がった。

「この辺で取りまとめみたいな事をしている人を探しているのですが、そういう方は居ますか?」

拓が丁寧に対応すると大男は一瞬狼狽えたが

「なっ、何の用だ。変なことを考えていやがるなら、俺が相手になる。」

周りで見ていた男達も出てきてOZを取り囲んだ。
これでは埒が明かず、ガラとレオが威圧をかますと男達は尻もちを付く。
大男だけは耐えて剣を取り出すので、拓が魔法で拘束することに。
拓は話をしたいだけだというのに、初めからつまづいてしまい困っていると

「お前達、何をしている。」

子供に連れられて足を引きずりながら男がやって来た。

「あんた達には俺が手を出させない。魔法を解いてくれないか。」

拓が魔法を解いて大男を解放すると、

「兄貴、すんません。前に来ていたという変な奴等がまた来やがったんで、追い返そうとしたんすが。」
「バカ野郎、お前達が敵う相手じゃないだろ。」

初めに立ち塞がった大男が兄貴と呼んだ男に怒られていた。
兄貴と呼ばれた男は集まっていた男達を追い払うと、自分の家にOZを案内した。

「俺はゴルゴだ。こいつはサブ。で、あんた達は何の用でここに来たんだ?」
「俺達は冒険者をしているOZと言います。俺は拓、こちらはガラとレオ。
 スラム街で顔が利く人が居れば、紹介して欲しいのですが。」

拓が代表で話をすると

「それなら、兄貴が一番だ。兄貴はここで一目置かれているからな。」

サブがゴルゴの後ろで胸を張って自慢気に答えていた。
拓としては、それなら初めからゴルゴを紹介してくれれば良いのにと思ってしまう。

「スラム街をまとめている奴なんて居ないが、多少なら俺も顔が利く。で、何を相談したいんだ。」
「ここの人達に魔獣の解体作業をしてもらえないかと思って来ました。」
「もしかして、拓はアイテムボックスも使えるのか?」
「分かってしまいますか?隠しきれない魔導士としての素質が。」
「・・・」

そうでなければ、わざわざスラム街で解体作業を依頼する事は無いだろう。
拓の言葉はウケる事も無く、ガラやレオですら呆れていた。

「まぁ、ある程度の量を保管できます。ここで解体作業を依頼できればお互いにメリットがあると思いますが如何ですか?」

拓は何事も無かったかのように話を進める。
ゴルゴと手数料の話をして、試しにやってみることにした。

「サブ、悪いが10人ほど集めてくれないか。依頼条件は今決めた通りだ。」
「任せてください。直ぐに集めてきます。」

サブは勢いよく家を出て行った。
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