欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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126自慢の仲間

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サリナ姫の待つ部屋に通されると、

「来るのが遅かったじゃない。元気にしていたの?」
「元気ですよ。楽しく過ごさせてもらってます。」

何時もの侍女と女兵士だけが後ろに控えていて、素のサリナ姫だった。

「早速、お土産を出しますね。皆さんの分も有りますので一緒にどうぞ。」

拓はそう言って、テーブルの上に土産を出した。
拓の様にアイテムボックスに保管しておくわけにはいかないので4種類だけ渡す。
残りは別の機会にでも食べれば良いだろう。

「護衛任務と冒険者の試験を受けて、色々な町を回ったので楽しんで頂けると思います。
 後、美味しい果物のジュースも有るので、一緒にお渡ししますね。」
「どれも美味しそうね。早速頂いても良いかしら。
 ここにいる全員で食べるから、そのつもりで準備をお願いね。」

侍女は一度席を外すと、デザートを盛った皿をテーブルに並べてくれた。
皆で席に着いて食べながら拓の旅の話やギルドの試験について聞いていた。

「このギルドカードのランクは何?」
「Bランクのカードなんだよ。登録して1年も経たずにこのランクになるのは凄いらしいよ。」

拓は自慢げに話す。
実際に、拓が考えている以上に異例中の異例の事だった。


Cランク冒険者の試験が終わりギルド会館に戻って来た後、行われたギルド長との試合。
何とかギルド長の持つ木剣を折ることに成功したにも関わらず
木剣を捨て拳を構える戦闘狂のギルド長
このままエンドレスの試合を続けられてしまう思っていると

「ピー」

笛の音が訓練場に響いた。

「ギルド長。これ以上は拓さんの実力を測る目的でなく、貴方の趣味ですよね。」

眼鏡を掛けたキリっとした女性が試合を止めてくれた。

「はっはっは、悪い悪い。こいつ、未だ奥の手を持ってそうでな。
 それに魔導士との接近戦だぞ。こんな初めての経験は楽しくって仕方ないだろ。」

「趣味で戦わされる相手の事も考えようよ」と拓は本気で思ったが、この手の人に言っても意味が無いだろうと成り行きを見ていた。

「拓、例外だがギルド長としての権限で、お前はBランクの冒険者に昇格させる。
 ロダン侯爵の報告や、盗賊退治の話も聞いている。
 冒険者になって期間は短いが、十分な実力と経験を積んでいると判断した。
 本当なら、Aランクに上げてやりたい所だが、それをやってしまうと目立ち過ぎるからな。おめでとう。」

この試合を見ていた他の冒険者からも拍手を貰い喜んでいたが、強化魔法が切れるとその反動でその場に座り込んでしまった。
残念ながら、最後はレオに背負われて訓練場を後にするという落ちが付いてしまった。


「へー、凄い事なのね。拓の組んでいるパーティって拓以外はAランクの冒険者なのよね。
 それに、クリームっていうパーティもAランク揃いのパーティなのか。
 全員がAランクなんて実力者の集まりじゃない。」

サリナ姫に感心されると

「本当に凄いんだよ。実力もそうだけど、ガラもレオもカッコ良いんだよね。
 機会が有ったら紹介するよ。
 クリームには女性が2人居るから楽しいと思うよ。」

拓は本当に嬉しそうに仲間の自慢話をし、その様子を聞いてサリナ姫は喜んでいた。
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