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106脱出1

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ガラが拓が倒れた後に起きた事を説明すると、食事をしながら今後の話をする。

「ダンジョンが活性化になったのは、俺の魔力が吸い取られた事と関係あるのか?」
「分からないな。そもそも遺跡については現代の知識では解明できない事が多い。
 核となるコアなんて魔道具か生物なのかも分かっていないらしい。」
「良いじゃねぇか。俺達3人が生きているんだからよ。遺跡について考えるのは後だ。」

ここで悩んでいても仕方ない。先ずは今後の話だ。
安全な場所も食料も有るので、助けを待つか出口を探すか。

「ここは遺跡の奥だからな、助けを待つとしても時間が掛かるだろう。出口を探したいと思うがどうだ。」

ガラの提案に2人は同意した。
拓の体調は万全ではないので、浮遊魔法を使わず、姿を消すだけで歩いてダンジョンを進む。

「それにしても、誰にも会わねぇよな。その方が俺達にとって助かるけどな。」

レオの言う通り、他の冒険者が居れば拓の魔法、アイテムボックス、テントが自由に使えなくなる。

「俺達は遺跡の一番上に居たからな。他の冒険者はもっと浅い所に居るんだろう。」
「2人とも待った、そこに縦穴が開いている。下の階層と繋がっているけど短縮コースを使ってみないか。」

拓が浮遊魔法を使って下へと降りる。

「一気に半分以上は降りれたな。もう一つ縦穴を見つければ次は出口が有る1階だよ。
 ここまでくれば、謎の冒険者アンディ・ジョーンズの登場だな。」
「前に言っていた時は、謎の探検家じゃなかったか?」
「・・・似たようなものだよ。探検家兼冒険家のアンディ・ジョーンズって事で。」

ダンジョンが活性化になってから、初めて3人で笑った。
少し気が楽になった所で、再び歩き始め更に1回縦穴を降りると拓の探索魔法に魔獣と戦っている人が引っ掛かる。

「どうする、手助けに行くか?」
「非常時だ、様子を見て可能で有れば助けよう。現在位置の情報も得られるかもしれない。」

3人は走ってその場所へ向かうと、若い男女の冒険者が魔獣と戦っていた。魔獣に圧されていて、一人は腕に怪我まで負っている。

「加勢する。」

ガラが剣を抜いて魔獣に切り込んでいくと、直ぐにレオも追従する。
OZにとっては大したことない魔獣で問題なく倒す事が出来た。

「俺はアイアンソードのリーダをしているゼルです。助けて頂きありがとうございます。」

ゼルがOZに礼を言う。
ガラ、レオがそれぞれ名前を言ってゼルと握手をし、次は拓の番だったが

「俺は探検家のアンディ・ジョーンズ。宜しくな。」
「冒険者や魔導士でなく、探検家ですか?」
「そう、謎の探検家、アンディ・ジョーンズだ。」

更に謎とまで付けるアンディ・ジョーンズを名乗る拓をゼルは不思議そうに見て握手をする。
拓は挨拶が終わると直ぐに怪我をした女の子の腕を薬を塗る。

「アンディ・ジョーンズさん、ありがとうございました。」
「この程度の傷で良かった。後も残ることは無いだろう。」

落ち着いた所で、ガラがゼルに今いる場所について確認すると、ダンジョンの2階になるらしい。
いつも決まった場所で魔獣を倒して素材を手に入れていた所にダンジョンが活性化が始まり、帰り道を失ってしまったらしい。
アイアンソードはOZと一緒に行動することにし、拓の探索魔法で周囲を確認しながら帰り道を探し始めた。しかし

「おかしいな。どこにも1階への道が見つからない。」

ダンジョンはピラミッド型の為、下層になるほど広くなっているが、拓が本気で探索魔法で調べても1階への道が見つからない。
途中、6組のパーティと合流し行動を共にしているが、他のパーティも1階層への道を見つける事が出来ていない。
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