欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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072報告

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「ガラ、レオ、久しぶり。元気にしていたか?」

拓の元に2人から連絡が有り、エチゴの店で合流した。
2人の姿を見ると拓はハグをしたのだが、昼間散々ソードと絡んでいたにも関わらず2人の匂いを嗅いだだけで股間が少し反応してしまう。

「場所を考えろよ。後でな。」

拓の反応を気が付いたレオが小声で拓に話しかけると、笑って額を突く。
拓は城に連れていかれてからの話をエチゴ、アル、そしてクリームのメンバーにも話すことにした
クリームのメンバーも拓の事を気にして、今日も来てくれている。

「先に話しておきますと、俺はこの世界の人間でなく、この王都で行われた召喚の儀式によってやって来た落ち人です。」

ガラとレオ以外の皆が驚く中、拓は予見の魔法で別の所に召喚された自分を探していた事を話す。
そして拓は、アイテムボックスから免責札を取り出した。

「国王から俺の立場を保証するものとして、免責札を受け取りました。
 それなりの権力が有るのでアイテムボックスの肥やしますが、一応知っておいてもらった方が良いと思って。」
「免責札なんて初めて見たが、貴族を上回る権力だぞ。」
「そんなの俺でも知ってるぞ。こんなのを受け取るなんてすげぇな。」

拓としては、ガラとレオがこんなに反応をするとは思いもしなかった。
いや、2人だけでなく全員が免責札をじっと見ていた。
後は魔法や薬草、本を準備してもらうため1ヶ月間城に滞在し、その間 兵士に混じって特訓をしていたと説明した。

「それで、拓はこれからどうするつもりだ。城に仕えるのか。」
「えっ、何で?今まで通り3人で冒険者をするつもりだけど。もしかして1ヶ月の間に2人に何かあったか?」
「いや、何もねぇ。そうか、そうか、じゃあ、これからも宜しくな。」

レオが拓の背中を笑いながら叩くので、拓が文句を言って止めさせると
「ご心配お掛けしました。」と皆に向けて頭を下げた。

「拓さんが無事で良かった。」

エチゴが拓の肩に手を置いて笑いかけてくれる。当然レオの様に叩く様な真似はしない。
そして、皆に護衛任務をする気が無いかと確認してきた。
冬が来る前に幾つかの町を回るらしく、引き受けるのなら拓には荷物を運んで欲しいとの事。

「どうする、俺は良いぞ。」
「俺も3人で活動できるなら問題ない。」
「なら受けようか。正直、他の町も見てみたいしね。
 エチゴさん、運ぶ荷物は適当に増やしてもらって大丈夫です。馬車の荷物を全て引き受けても良いですし。」

エチゴだけでなく、クリームのメンバーも拓を凝視する。

「それって落ち人のなせる技なの。」
「拓の魔力ってどれだけ有るのよ。」

初めに口を開いたのは、ジェニファーとロビン。拓に攻め寄ってくる。近い、顔が近過ぎる。

エチゴは運ぶ荷物量と依頼料を考え直しているので拓が提案をさせてもらう。

「荷物量が増えても依頼料は前と同じで良いです。
 その代わり、私達が退治した魔獣の素材をエチゴさんの店経由で売らせてもらえませんか。」

王都に来るまでに結構な量の魔獣を退治していたが、アイテムボックスの容量を知られることを気にして捨てていた。
このメンバーにアイテムボックスの容量を公開すれば、今回の移動における魔獣は全て回収できる。
ただ、大量になり過ぎるとギルドで売ろうとするとアイテムボックスの容量をギルドに公開することになるので、エチゴの店経由での卸しを考えた。
エチゴの店は大きいので大量に持ち込んでも対応できるだろうと見込んでの提案だった。

「王都に来るまで倒した魔獣を全て収納出来ていたとは言いませんよね。」
「そう言いたいのですが、量的に問題になりますか?」

エチゴは頭を押さえる様にして暫く考えた後、拓の提案を受け入れた。
エチゴとしても、大量の素材を扱えれば店として大きな利益になり問題はない。
が、OZと護衛を依頼するのであれば、このメンバー以外では行動を共にする訳にはいかないだろう。
本当に、拓は規格外の魔導士だった。

クリームも依頼を受けることにし、出発は2週間後。拓は出発前までに大量のデザートも収納することになった。
その日の夜はエチゴが夕食をご馳走してくれ、夜遅くまで飲み明かした。
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