欲にまみれた楽しい冒険者生活

005テイム

次の日、ドームを出ると昨日襲ってきたスライムがいた。
ガラが剣を構えて倒そうとするのを拓が止める。
攻撃も逃げもせず、ただその場に居るだけのスライムを倒すのは気が引ける。

「もしかして、俺達を気に入ったのかも知れない。」
「テイムと言って魔獣を支配下に置くことが出来る魔導士も要るらしいぞ。
　魔導士と魔獣の間に魔力の繋がりを作るらしい。」

ガラは話として聞いているだけで、テイムした魔導士自体　殆ど見かけない。
拓は手を伸ばして魔力で繋がりを作ろうと何度も試してみると、スライムが近づいてきて拓の手に触れると「パチン」と音がし魔力の繋がりが出来たのを感じた。

「良いか、無暗に人を襲うなよ。お前に名前を付けた方が良いよな・・・ダイフクなんてどうだ。」

拓の言葉に頷く様にスライムが体を震わせ、ダイフクと命名された。
通常スライムは大福の様な形をしているが、意図的にアメーバの様に形状を崩すことが出来る。
雑食で動植物を適当に食べるが、食事は魔力だけでも問題ないらしい。
拓が魔力を掌に集めるとダイフクは体を震わせて食べていた。
体の汚れだけを落とせるか腕で試してみると、綺麗に汗と汚れだけを落としスッキリした。

ダイフクが拓の言うことを理解し安全なことを確認すると、ダイフクを頭に乗せて町へと移動。
ガラは拓にこの世界の常識を教えてくれる。

「拓、止まれ。ビーグがいる。」

ガラが指し示す方を見ると、２ｍは有りそうな巨大なイノシシの様な魔獣がいる。
魔法の練習として拓が空気を刃として放つと首を切り落とすことが出来た。

「本当に凄いな。昨日の今日で上級魔導士並みの魔法じゃないか。
　ついでに解体方法も覚えるか。」

魔獣を一度アイテムボックスにしまい安全な場所へ移動するとガラから剣を受け取り解体を行った。
昨日、ガラが解体をしてかなりの血が流れていたので、拓は服を脱いでパンツ一枚になって行うことに。

かなりグロイが何とか解体を終えたのだが、切り口は歪み素材としての価値はかなり落ち、肉もだいぶ無駄になってしまった。
それでも拓にとっての初めての収穫だ。
全てをアイテムボックスに収納し、巨大な水球を作って体を洗っていると

「なぁ、拓。その恰好は俺を誘っているのか？拓はポッチャリして、肌が綺麗で触り心地が良いよな。」

後ろからガラが抱きつ、ごつごつした大きな手を拓の体にはわし始めた。
ガラは拓の尻に自分の硬くなった肉棒を擦りつけながら、トランクスの上から拓の肉棒を摩り、乳首を軽く摘まむ。
「うっ」と喘ぎ声を上げ拓が後ろを振り向くと、ガラはその唇を吸って舌で拓の口の中を蹂躙する。
拓がガラに向き直り、強く抱き合いながら濃厚なキスをすると

「ここまでだ。今日はもう少し先まで移動しておきたいからな。」

拓はガラに頭を叩かれ、お預けをくらっていた。
「そんな、生殺しかよ。」と文句を言いながらも服を着ていると、

「その代わり、今夜は俺がたっぷりサービスをするからよ。
　安全に泊まれる場所を作ってくれよな。」

そう言って、拓に軽くキスをする。
その後、もう一体の魔獣を発見しガラが難なく倒し、拓の解体の特訓用となった。
拓は剣の代わりに魔法を使い水を高圧力で放出し切ろうともしてみたが、周囲に水が飛び散ってしまい直ぐに諦め
鋭い風の刃で始めてみる。スパッと適当なサイズに切り、細かい作業は短剣で行うと及第点を貰えるようになった。

「これなら解体も問題なさそうだな。とりあえず問題なく冒険者としてやっていける。
　俺は魔導士の事は良く分からないが、凄い才能なんじゃないか。」

拓はこの先、どうやって生活をするか考えていなかったが、ガラに色々と教わり身分証明を兼ねて先ずは冒険者登録をすることにした。

２体の魔獣を退治し解体に時間が掛かり、目的地に着いた時には日が暮れかかっていた。
ガラが薪になる枝を集めている間に、拓は安全に泊まる場所として土のドームを作り上げ、風呂まで用意していた。