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002落ち人
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「ここは何処だ?」
拓は訳が分からず周囲を見るが草木しか見えない。
独り暮らしを始め簡単な料理を作っていたが、料理の腕を上げようと本屋で10冊以上も購入して帰る所だった。
ゲイバーで飲んでいた時、たまたま料理の話になったのだが皆料理上手。
わざわざ写真に撮ってネットに公開している奴までいた。
影響を受けて本屋に行ったが本の種類が多く、悩んだ挙句 好きな料理が載っているのをまとめ買いをしてしまった。
「痛い出費だけど、まぁ料理は嫌いじゃないから良いか。」
満足して店を出ようとすると足元が光った記憶が有るが、気が付いたら森の中
カバンに買った本やペットボトルが入っていることを確認し、少し歩くことにした。
しかし、歩いても歩いても森の中。
そこで背の高い木に登って周囲を確認すると少し離れた所に川が有り、煙が上がっているのが見えた。
「人が居る。」
拓は急いで煙が上がっている所へと向かうと、河原で男が焚火をしていた・・・
拓が近づくと、男は俺に向かって剣を構えた。
巨漢の男。胸当てや小手などの防具を付けているがコスプレ?
「誰だ。」
男に睨まれその迫力に拓は驚いたが、それほど慌てず冷静に相手を見ることが出来ている。
髪は短い銀髪、男と言うより漢という感じで年は少し上だろうか。
とりあえず、気が付いた時には森の中に立っていて煙が上がっているのを見て助けを求めに来たことを説明すると、男は剣を収めた。
「初めて見たが、状況とその恰好を見ると落ち人みたいだな。」
「落ち人?」
「他の世界から来た人の事だ。俺はガラ、冒険者だ。」
「俺は拓。その落ち人について教えてもらえないか。」
ガラの説明だと次元の割れ目を通って異世界からやって来る人の事を落ち人と言う。
今、王都の周囲では魔獣が多く発生し、危険な状態になっているらしい。
王都では何百年ぶりに召喚の儀式を行い、割れ目を作ろうとしていたので巻き込まれたのではないかという話だった。
異世界からやって来る人は大量の魔力を保有しているらしく、魔獣討伐に力を貸してもらうつもりらしい。
拓は再び割れ目を作れば帰れるのかと聞いてみたが、ガラもそこまでは知らなかった。
「どのみち、召喚の儀式には大量の魔力が必要らしいから、王都が落ち着くまで無理だろう。」
色々と問題は有るが、先ずはこの世界で生き延びる事を考えた方が良い。
「落ち人って事は、俺も魔法が使えるのか?」
「そうだな、落ち人ならその可能性は高いな。」
ガラは魔法が使えないが、魔法について知っていることを教えてくれた。
簡単に言ってしまえば、具体的なイメージを持って体内の魔力を放出するだけらしい。
「ファイヤ」
言葉を出す必要は無いが、拓が手のひらを空に向け気合を込めると、頭上に大きな火の玉が出現。
他にも大きな水球を出したり、風を吹かすこともできる。
「おい、拓。魔導士は複数の魔法を使うと、強い魔法を使えなくなるっていうぞ。」
「使う魔法を決めた方が良いと言う事か・・・とりあえず、使ってみてから決めるか。」
何度も試し攻撃にも使える様になった。更にはアイテムボックスという状態を保持する収納魔法まで。
「異世界、凄いな。謎の大魔導士、異世界に見参!」
拳を突き上げ、ポーズを取る拓。魔法に対し感心しつつも、呆れているガラ。
「謎ではなく、拓は落ち人だろ。それに今の魔法は中級魔導士レベルだ。
しかし、さすがだな。初めてでそこまで魔法を使えるなら問題ない。
十分に冒険者としてもやって行ける。後は慣れだな。
提案なんだが、町まで案内する代わりに倒した魔獣を運んでもらえないか。分け前は等分でどうだ。」
ガラの提案に拓が了解すると「助かる。宜しくな。」ガラが笑って手を差し出してくる。
拓はガラの大きくゴツゴツした武骨な手と握手をしながら、笑顔にドキッとする。
自分の事で手一杯だったが、改めてガラを見ると同じ年位かもしれない。
男らしい顔つきに、こんな逞しい体は元の世界でも見た事がない。
こんな状況にも関わらず拓が邪な妄想を何とかしようとしているのを、ガラは考え込んでしまっているのだと思っていた。
落ち着いた所で、ガラは拓を連れて移動を開始する。
「ガラさん、何処まで行くつもりです?」
「もう少しだ。それから俺の事はガラで良い。冒険者にさん付けは不要だ。」
辿り着いた所には、そこにはガラが倒したであろう巨大な魔獣の死骸。
最低限の素材だけ手に入れ、残りは諦めるつもりだった。
拓は もう少しなら持てると思ったが、荷物が増えると魔獣に襲われたときに行動が遅れるため危険は冒せないらしい。
ガラは直ぐに解体を始め、皮や骨、肉を拓がアイテムボックスに収納する。
拓のアイテムボックスに十分余裕が有るので、3ヵ所ほど周り倒した魔獣を回収すると河原で解体し不要な部分は拓が魔法で燃やした。
拓は訳が分からず周囲を見るが草木しか見えない。
独り暮らしを始め簡単な料理を作っていたが、料理の腕を上げようと本屋で10冊以上も購入して帰る所だった。
ゲイバーで飲んでいた時、たまたま料理の話になったのだが皆料理上手。
わざわざ写真に撮ってネットに公開している奴までいた。
影響を受けて本屋に行ったが本の種類が多く、悩んだ挙句 好きな料理が載っているのをまとめ買いをしてしまった。
「痛い出費だけど、まぁ料理は嫌いじゃないから良いか。」
満足して店を出ようとすると足元が光った記憶が有るが、気が付いたら森の中
カバンに買った本やペットボトルが入っていることを確認し、少し歩くことにした。
しかし、歩いても歩いても森の中。
そこで背の高い木に登って周囲を確認すると少し離れた所に川が有り、煙が上がっているのが見えた。
「人が居る。」
拓は急いで煙が上がっている所へと向かうと、河原で男が焚火をしていた・・・
拓が近づくと、男は俺に向かって剣を構えた。
巨漢の男。胸当てや小手などの防具を付けているがコスプレ?
「誰だ。」
男に睨まれその迫力に拓は驚いたが、それほど慌てず冷静に相手を見ることが出来ている。
髪は短い銀髪、男と言うより漢という感じで年は少し上だろうか。
とりあえず、気が付いた時には森の中に立っていて煙が上がっているのを見て助けを求めに来たことを説明すると、男は剣を収めた。
「初めて見たが、状況とその恰好を見ると落ち人みたいだな。」
「落ち人?」
「他の世界から来た人の事だ。俺はガラ、冒険者だ。」
「俺は拓。その落ち人について教えてもらえないか。」
ガラの説明だと次元の割れ目を通って異世界からやって来る人の事を落ち人と言う。
今、王都の周囲では魔獣が多く発生し、危険な状態になっているらしい。
王都では何百年ぶりに召喚の儀式を行い、割れ目を作ろうとしていたので巻き込まれたのではないかという話だった。
異世界からやって来る人は大量の魔力を保有しているらしく、魔獣討伐に力を貸してもらうつもりらしい。
拓は再び割れ目を作れば帰れるのかと聞いてみたが、ガラもそこまでは知らなかった。
「どのみち、召喚の儀式には大量の魔力が必要らしいから、王都が落ち着くまで無理だろう。」
色々と問題は有るが、先ずはこの世界で生き延びる事を考えた方が良い。
「落ち人って事は、俺も魔法が使えるのか?」
「そうだな、落ち人ならその可能性は高いな。」
ガラは魔法が使えないが、魔法について知っていることを教えてくれた。
簡単に言ってしまえば、具体的なイメージを持って体内の魔力を放出するだけらしい。
「ファイヤ」
言葉を出す必要は無いが、拓が手のひらを空に向け気合を込めると、頭上に大きな火の玉が出現。
他にも大きな水球を出したり、風を吹かすこともできる。
「おい、拓。魔導士は複数の魔法を使うと、強い魔法を使えなくなるっていうぞ。」
「使う魔法を決めた方が良いと言う事か・・・とりあえず、使ってみてから決めるか。」
何度も試し攻撃にも使える様になった。更にはアイテムボックスという状態を保持する収納魔法まで。
「異世界、凄いな。謎の大魔導士、異世界に見参!」
拳を突き上げ、ポーズを取る拓。魔法に対し感心しつつも、呆れているガラ。
「謎ではなく、拓は落ち人だろ。それに今の魔法は中級魔導士レベルだ。
しかし、さすがだな。初めてでそこまで魔法を使えるなら問題ない。
十分に冒険者としてもやって行ける。後は慣れだな。
提案なんだが、町まで案内する代わりに倒した魔獣を運んでもらえないか。分け前は等分でどうだ。」
ガラの提案に拓が了解すると「助かる。宜しくな。」ガラが笑って手を差し出してくる。
拓はガラの大きくゴツゴツした武骨な手と握手をしながら、笑顔にドキッとする。
自分の事で手一杯だったが、改めてガラを見ると同じ年位かもしれない。
男らしい顔つきに、こんな逞しい体は元の世界でも見た事がない。
こんな状況にも関わらず拓が邪な妄想を何とかしようとしているのを、ガラは考え込んでしまっているのだと思っていた。
落ち着いた所で、ガラは拓を連れて移動を開始する。
「ガラさん、何処まで行くつもりです?」
「もう少しだ。それから俺の事はガラで良い。冒険者にさん付けは不要だ。」
辿り着いた所には、そこにはガラが倒したであろう巨大な魔獣の死骸。
最低限の素材だけ手に入れ、残りは諦めるつもりだった。
拓は もう少しなら持てると思ったが、荷物が増えると魔獣に襲われたときに行動が遅れるため危険は冒せないらしい。
ガラは直ぐに解体を始め、皮や骨、肉を拓がアイテムボックスに収納する。
拓のアイテムボックスに十分余裕が有るので、3ヵ所ほど周り倒した魔獣を回収すると河原で解体し不要な部分は拓が魔法で燃やした。
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