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251ドロドロ

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「しかし、何で2人が後を付けられたんだ。」

ジークが聞いてくるので、拓とガラがヘンデリック侯爵家から出てきた所を見られた事を話すと

「暫くの間、俺達と行動を共にしないか?
 これでも、それなりに顔が利く。」

ジークが提案してくれるが、拓は断ることにした。
 
「俺がヘンデリック侯爵に世話になっているのに気が付いたのは、あの2人だけみたいですから。」
「そうか、無理だけはするなよ。」

アークのメンバーとも別れ、拓とガラは屋敷まで遠回りをして帰ることにした。
特に後を付けてくる人物が居ないことを確認してから戻った。

「本当にあの2人だけが俺達に目を付けたみたいだね。」
「とりあえず2週間の余裕が出来たな。
 何が有っても拓さんを守るが、対策を立てた方が良い。」

ガラの言う通りだった。

「ここは、彼等をまとめている人物を捕まえるしかないか。」
「拓さん、危険な真似は止めてくれ。」

拓の考えは直ぐにガラによって中止となっていまう。


拓達が家に帰るとリッチーとドクス、シルビアが難しい顔をして話し合っていた。
リッチーが柄の悪い冒険者から聞き出した話から、ドクスとシルビアは後ろ盾に貴族が居るのではないかと考えていた。
直接、敵対意識を持っている貴族は分からないが、考えられる人物を検討したいのだが・・・

「話している内容は分かりましたが、本当にこれですか?」

拓が不思議に思い聞いてみる。
紙に名前が書きあげられているのだが、その数が多過ぎる。

「全員が悪意を持っている訳ではないわ。情報を手に入れたいと思う貴族は多いから。
 私とドクスがこちらに世話になる様になって、何度も打診の有った貴族達よ。」
「最近、俺は呪いの解除をしていたし、シルビアの通信の魔道具も噂になっているからな。
 他にも欲の塊の様な貴族も合わせて書いてある。」

シルビアとドクスが困った感じで説明してくれる。
そして、リッチーからサーシャが2人の弟子ではないかと思われている事も聞いていた。

「で、この貴族達の中から絞ることは出来ますか。」

拓が聞いてみたが、

「そこで困っているのよ。」
「冒険者を使って調べるくらい、貴族なら誰でも使う手だからな。
 質の悪い冒険者を使っても、足が付かない様に切り捨てるくらい出来る。」

どうやらシルビアとドクスでも特定するのは難しいみたいだ。
とりあえず、今回の様な手段を選ばない貴族を消してみたが、殆どが残ってしまった。

「この方法で相手を絞るのは無理そうだね。」

貴族の世界というのは、ドロドロし過ぎていた。
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