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237謎の人物

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改めてアークが礼を言った後、拓はブルネリ公爵に仕えている事を隠して皆を紹介した。
何が有ったのか聞くと、
魔獣の素材の依頼を受け、その討伐が終わった所で、さっきの冒険者達が現れて言いがかりを付けて来たらしい。

「皮が固くて剣が通じず、魔法攻撃が必要になるからな。
 ジェニファーとロビンの2人がかりで何とか倒すことが出来たんだ。
 あいつ等、自分達で対処できないから、俺達の成果を横取りしようとしやがって。」

ジークが話すと

「前なんて、私とロビンを無理やり自分達のチームに勧誘しようとしてきたのよ。」

ジェニファーが本当に嫌そうに話す。
最近、素行が悪くてギルドでも問題になっているらしい。

「ジーク、早い所 魔獣の解体をするぞ。」
「そうだね。早く行わないと、今日中に帰れなくなるから。」

ニコラスとトムが魔獣の解体作業を始めると、ジーク達も作業に取り掛かった。

「さっき助けてもらった礼だ。こいつの肝臓と魔石を持っていかないか。」

記憶の腕輪で調べてみると、肝臓は薬の材料として使える。
拓は礼を言って大きな塊の肝臓と魔石を受け取ると、水魔法で血や汚れを奇麗に洗い落として空間魔法に収納した。
ついでにクリームのメンバーが持ち帰る、皮等の素材も軽く洗っておく。

「助かる。初級魔導士とはいえ、水魔法が使えるというのは有難いな。
 ガラ達が一緒なら大丈夫だろうが、気をつけろよ。
 便利だと言って、無理やり仲間に引き込もうとするかもしれない。
 何かあったら言ってくれ。俺達も力になる。」

ジークがそう言ってくれたのだが

「ありがとう。しかし、柄の悪い冒険者か。ガラが反抗期だったら、柄の悪いガラ・・・なんてね」

拓は全てをぶち壊す。
唯一の救いは、ジェニファーとリッチーが笑っていた事だろうか。
ただ、笑っている2人に対しても他のメンバーは呆れていたが・・・

「しかし、何で そんな冒険者が集まって来たんだ。」

ガラが聞くと

「元から居たんだが、そいつらをまとめる奴が出て来たみたいだ。」
「どんな奴なんだ?」
「それが分からない。他の冒険者も気になってはいるんだが。」

その話を聞いていたリッチーが

「気を付けた方が良いだろう。
 こういう時は、何かしら面倒な騒動が起きるものだ。」

と注意を促すと、全員がその言葉に頷いていた。
クリームと別れ、拓は森の奥へと進みながらトウ、バン、ジャンに

「3人は、さっきの冒険者をまとめているという人物を知っているの。」

と聞いてみたが

「いや、今年になってから、質の悪い冒険者が集まっている話を聞いているだけだ。
 領地内での監視はしているが、そこまで注意が行き届かない。」

そこまでの人物特定は出来ていないらしい。
拓は「そうなのか」と言って、何か考えているみたいだった。
その様子を見ていたガラは、また変なことに首を突っ込まないかと心配になっていた。
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