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235ダイフクって・・・

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次の薬草採取に合わせて、事前に拓はトウ、バン、ジャンに採取する薬草の話をしておく。

「また新しい薬草だな。今回も任せてくれ。」
「知っているのも有るが、初めて見る薬草も有るな。」
「これも薬の材料になるんだね。只の雑草だと思っていたよ。」

雪解け時期とは異なる薬草の採取を行う。
今回の採取で、一通りの材料が揃えられる予定だ。
そして、トウ、バン、ジャンからは色々な料理を渡される。
自分達の好物らしく、最後に酒まで渡された・・・
確認すると、ブルネリ侯爵に1日の終わりに1,2杯なら大丈夫と許可を取っていた。



「ヘンデリック侯爵、オーヘン様、シルビア魔導士、皆様、お世話になりました。」

ヨーゼフ達は調べることが終わり王都へ出発した。
馬車を見送ると、拓とガラ、トウ、バン、ジャンは薬草採取の前に町で買い物をすることにした。
トウ、バン、ジャンは事前に色々と拓に荷物を渡していたが、未だ買いたいものが有るらしい。

「拓、ガラ、久しぶりだな。最近ギルドに顔を出してないみたいだが元気だったか。」

大通り沿いの店を見ていると、以前一緒に行動したアークのジークが拓に声を掛けてきた。

「元気にやっています。皆さんはギルドの依頼ですか。」
「そうだ。春先は魔獣の動きが活発で、色々と依頼が多いからな。
 今度一緒に依頼を受けようぜ。またな。」

他のアークのメンバーも拓に声を掛けると町の外へと出て行った。

「前回と違い、多くの冒険者が森へと向かっているな。」
「テント型の小屋を出す場所は気を付けた方が良さそうだ。」
「僕達が向かう先に来る冒険者は居ないと思うけど、注意するに越したことはないよね。」

トウ、バン、ジャンが言うように雪も溶け、多くの冒険者が森に入って行く。
今回も森の奥へと入るので、他の冒険者が居る可能性は低いが注意した方が良いだろう。


次の日、朝早くに出発し森の奥へ入って行くと

「止まれ、この先で結構な人数が集まっている。」

バンの探索魔法に引っ掛かる気配が有った。
バンは皆にはここに留まるように支持を出すと、確認するために走り出した。
拓も気配を消して後を付いていこうと考えると

「拓さんは、ここで待機だ。」

がっしりと、ガラに肩をつかまれてしまった。
拓は考えていただけで、行動に移してもいないのにも関わらずだ。
拓がガラを見ると、ガラはニッコリと笑顔で対応するが掴んでいる手を緩める事は無かった。
そして、何故かダイフクが拓の頭の上に登って来る。
完全にガラの意思を汲んで拓を捕らえようとしているみたいだ。

「ダイフク、一応確認するけど、お前と契約したのは俺だよな。」

ダイフクは拓に声を掛けられると、体を震わせる。
これは頷いているのだろうか?
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