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228設置
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「拓、ラジオの設置はここで良いのか。」
市民からの要望が強く、見切り発車となってしまったがラジオ放送が開始された。
放送する時間帯が決まっていて、昼間ずっと放送されるわけではない。
今回の陰の立役者として、拓の家にラジオが無償提供してくれることになり、オーヘン自らやってきてラジオの取り付けをしてくれている。
「そこで大丈夫です。ありがとうございます。
お茶を用意したのでどうぞ。」
拓がオーヘンや設置を手伝いに来た作業者にお茶を用意する。
作業者にはシルビアやペンデルトン侯爵家の使用人が良く休息をとる場所として説明してある。
作業者には拓やガラは家の管理人として見えているだろう。
「さぁ、皆も座ってお茶を頂く事にしよう。ここのケーキは美味いぞ。
食べておいて損はない。」
オーヘンは貴族である自分と同じ席に着く事を躊躇っていた作業者を促す。
おずおずと座り、出されたケーキを一口食べると
「オーヘン様、本当に美味いです。」
「これがケーキですか。初めて食べました。」
「こんなの子供にも食べさせてやりたいな。」
喜んでくれたみたいで、一気に食べてしまった。
拓がどうしたものかと考えていると
「拓、3人に追加で出してもらえないか。
彼等には、これからラジオの設置で働いてもらうからな。」
オーヘンが言ってくれたので違うケーキを出してみると、ゆっくりと味わうように食べていた。
ケーキは高価なので、気楽に食べられるものではないのだろう。
今日の仕事は最後だというので、拓は土産としてケーキを渡すことにした。
作業者が帰ると、拓の所にオーヘンが礼を言いに戻ってきてくれた。
「拓、気を使ってもらい助かった。これで、この先の作業も頑張ってくれるだろう。」
「ラジオの方は順調なんですか?自ら現場に出ているとは思わなかったですよ。」
「拓が具体的に提示してくれたからな。何とか形には出来ている。
私はその場での判断を求められたときの対応だけだ。
前例のない初めての試みだからな。暫くは現場にいる必要がある。」
オーヘンが居るので、さっそくラジオを付けてみると冒険者ギルドニュースが流れていた。
今は冬なので冒険者活動は活発ではないので、魔獣の生態系や攻撃の特徴についての情報や、高ランク冒険者の談話が主体だった。
基本的に冒険者への情報提供がメインのはずだったのだが、高ランク冒険者の談話は冒険者以外の人にも人気が出てきているらしい。
人に話すのは苦手な人も多いので進行係を付けている。
この人の掛け合いが丁度よく、話すのが上手くない冒険者でも楽しい談話になっている。
戦いのときの話や、他の町での話など、冒険者の話題には事欠かない。
ただ、楽しい話ばかりで子供が魔獣がたいした事ないと勘違いしないように危険についても話をするらしい。
「スポンサーは冒険者ギルドなんですよね。
良く、こんなに早く了解してくれましたね。」
拓がオーヘンに聞いてみると
「新人冒険者に先輩の話や魔獣の知識をつけてもらえば、生き抜く可能性が高くなると言って受け入れてもらった。
他にも商人達が新商品の紹介や、食材の簡単調理法を話すことで売り上げに繋げようと考えている。
以前、アーネス殿が調理方法を教えて食材を販売していたのを参考にしたらしい。」
色々と裏話を教えてくれる。
しかし、アーネスの食材販売は自分が行った方法のことだろうか?
と思わず考えてしまう内容も有ったが・・・
今日もラジオが流れる居間でポーション作りをしていると
「冒険者ギルドニュースに間に合ったか。」
と言ってやって来たのはユンク。そしてトウ、バン、ジャンも後からやって来る。
皆、ラジオが気になる様で、よく拓の家にやって来る様になった。
いや、トウ、バン、ジャンは何時もの事だった・・・
市民からの要望が強く、見切り発車となってしまったがラジオ放送が開始された。
放送する時間帯が決まっていて、昼間ずっと放送されるわけではない。
今回の陰の立役者として、拓の家にラジオが無償提供してくれることになり、オーヘン自らやってきてラジオの取り付けをしてくれている。
「そこで大丈夫です。ありがとうございます。
お茶を用意したのでどうぞ。」
拓がオーヘンや設置を手伝いに来た作業者にお茶を用意する。
作業者にはシルビアやペンデルトン侯爵家の使用人が良く休息をとる場所として説明してある。
作業者には拓やガラは家の管理人として見えているだろう。
「さぁ、皆も座ってお茶を頂く事にしよう。ここのケーキは美味いぞ。
食べておいて損はない。」
オーヘンは貴族である自分と同じ席に着く事を躊躇っていた作業者を促す。
おずおずと座り、出されたケーキを一口食べると
「オーヘン様、本当に美味いです。」
「これがケーキですか。初めて食べました。」
「こんなの子供にも食べさせてやりたいな。」
喜んでくれたみたいで、一気に食べてしまった。
拓がどうしたものかと考えていると
「拓、3人に追加で出してもらえないか。
彼等には、これからラジオの設置で働いてもらうからな。」
オーヘンが言ってくれたので違うケーキを出してみると、ゆっくりと味わうように食べていた。
ケーキは高価なので、気楽に食べられるものではないのだろう。
今日の仕事は最後だというので、拓は土産としてケーキを渡すことにした。
作業者が帰ると、拓の所にオーヘンが礼を言いに戻ってきてくれた。
「拓、気を使ってもらい助かった。これで、この先の作業も頑張ってくれるだろう。」
「ラジオの方は順調なんですか?自ら現場に出ているとは思わなかったですよ。」
「拓が具体的に提示してくれたからな。何とか形には出来ている。
私はその場での判断を求められたときの対応だけだ。
前例のない初めての試みだからな。暫くは現場にいる必要がある。」
オーヘンが居るので、さっそくラジオを付けてみると冒険者ギルドニュースが流れていた。
今は冬なので冒険者活動は活発ではないので、魔獣の生態系や攻撃の特徴についての情報や、高ランク冒険者の談話が主体だった。
基本的に冒険者への情報提供がメインのはずだったのだが、高ランク冒険者の談話は冒険者以外の人にも人気が出てきているらしい。
人に話すのは苦手な人も多いので進行係を付けている。
この人の掛け合いが丁度よく、話すのが上手くない冒険者でも楽しい談話になっている。
戦いのときの話や、他の町での話など、冒険者の話題には事欠かない。
ただ、楽しい話ばかりで子供が魔獣がたいした事ないと勘違いしないように危険についても話をするらしい。
「スポンサーは冒険者ギルドなんですよね。
良く、こんなに早く了解してくれましたね。」
拓がオーヘンに聞いてみると
「新人冒険者に先輩の話や魔獣の知識をつけてもらえば、生き抜く可能性が高くなると言って受け入れてもらった。
他にも商人達が新商品の紹介や、食材の簡単調理法を話すことで売り上げに繋げようと考えている。
以前、アーネス殿が調理方法を教えて食材を販売していたのを参考にしたらしい。」
色々と裏話を教えてくれる。
しかし、アーネスの食材販売は自分が行った方法のことだろうか?
と思わず考えてしまう内容も有ったが・・・
今日もラジオが流れる居間でポーション作りをしていると
「冒険者ギルドニュースに間に合ったか。」
と言ってやって来たのはユンク。そしてトウ、バン、ジャンも後からやって来る。
皆、ラジオが気になる様で、よく拓の家にやって来る様になった。
いや、トウ、バン、ジャンは何時もの事だった・・・
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