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208身の上話
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拓は家に帰ると、記憶の腕輪の情報を調べていた。
他の人からは見えないが、拓の周りには多くの資料が映し出されている。
「拓さん、夕食の準備が出来たから一休みしたらどうだ。」
「もう、そんな時間なのか。そう言えば腹減った。」
ガラに声を掛けられ、妙に拓が明るく答えていた。
「拓、心配事なら一人で抱え込んでないで儂に話してみたらどうだ。」
食事が終わり、自分の部屋へ戻ろうとする拓にフォスターが声を掛ける。
ガラが気を使い席を外そうとすると
「ガラも聞いてもらえるかな。
ゴウという人物の確認が取れてからの方が良いと思ったけど話しておこうと思う。」
ガラが席に戻った所で
「先ずガラに話しておくと、俺はこの世界とは異なる世界から飛ばされて来た人間だ。
元の世界では既にガラよりも年上だったが、この世界に現れた時には子供の姿になっていた。」
ガラは初めて聞いたのに驚きもしない。
「突拍子の無い話で信じられないと思うけど本当の話しなんだ。もしかして意味が通じてないとか。」
別の世界だの、大人が子供になるとか理解できなくても当然だと思い拓が念の為に確認するが
「いや、拓さんがこの世界の人間では無かったと言うことだろ。
正直、突拍子もない話だが、拓さんが言うなら本当の事なんだろう。
それに、中身が大人で別の世界から来たというのなら、今までの知識や行動も納得が出来る。」
ガラは素直に受け取ってくれたみたいだ。
ガラは自分の主に絶対の信頼を置いている。
そして、記憶の腕輪が有り、勉強をしているとはいえ、拓の知識は高度過ぎ
奴隷としての自分への対応を含め、根本的な考え方が違い過ぎていると思っていた。
どんな話だろうと拓が本気で言うのなら信じられるし、拓に対し持っていた違和感も納得できる。
更に、「只者だとは思っていなかったが、さすが拓さんだ。」と変った尊敬までしていた。
ただ、拓にしてみると、こんな話を簡単に信じてしまうガラを少し心配になる。
「そうなんだ・・・ありがとう。
元の世界では、俺は技術者で化学プラント設計をしていたんだ。
えっと、薬を作る施設作りをしていた。」
拓は元の世界での自分の話を始めた。
拓が元の世界で最後に作ったのが化学プラントだった。
その仕様に違和感を感じたが、指示通りの化学プラントを作り上げた。
ただ、どうしても仕様が気になり調べていた所、その化学プラントで作られるのは神経を破壊する強力な毒。
法で許されない物を作り、非合法的に他の国へと売る事になっていた。
分かった時には既に毒の製造が開始されていた。
そこで拓が取った行動は、プラント毎破壊してしまう事だった。
毒自体は熱分解で簡単に無毒化されるので、一気に爆発させて炎で燃やし尽くしてしまえば問題ない。
未来に起こる被害を食い止める為、拓はて化学プラントを破壊し、
爆発に巻き込まれたと思った時には、この世界に子供として転生していた。
そして、この化学プラントの設計を依頼してきた科学者が中島 剛
バタフライ公爵夫人が見せてくれたゴウという人物と同じ顔をした男だった。
「つまりゴウという人物が、拓と同じ世界から来たと思っているのか。」
「あの時、中島もプラントに居たのなら、その可能性が考えられる。
どのみち、実際に見てみないと判断は出来ないけどね。」
それなら、ゴウの素性が分からない事も、毒の知識を持っている事も理解できる。
そして、ゴウに仕えているフードの人物も同じ様に向こうの世界からやって来た可能性が高い。
他の人からは見えないが、拓の周りには多くの資料が映し出されている。
「拓さん、夕食の準備が出来たから一休みしたらどうだ。」
「もう、そんな時間なのか。そう言えば腹減った。」
ガラに声を掛けられ、妙に拓が明るく答えていた。
「拓、心配事なら一人で抱え込んでないで儂に話してみたらどうだ。」
食事が終わり、自分の部屋へ戻ろうとする拓にフォスターが声を掛ける。
ガラが気を使い席を外そうとすると
「ガラも聞いてもらえるかな。
ゴウという人物の確認が取れてからの方が良いと思ったけど話しておこうと思う。」
ガラが席に戻った所で
「先ずガラに話しておくと、俺はこの世界とは異なる世界から飛ばされて来た人間だ。
元の世界では既にガラよりも年上だったが、この世界に現れた時には子供の姿になっていた。」
ガラは初めて聞いたのに驚きもしない。
「突拍子の無い話で信じられないと思うけど本当の話しなんだ。もしかして意味が通じてないとか。」
別の世界だの、大人が子供になるとか理解できなくても当然だと思い拓が念の為に確認するが
「いや、拓さんがこの世界の人間では無かったと言うことだろ。
正直、突拍子もない話だが、拓さんが言うなら本当の事なんだろう。
それに、中身が大人で別の世界から来たというのなら、今までの知識や行動も納得が出来る。」
ガラは素直に受け取ってくれたみたいだ。
ガラは自分の主に絶対の信頼を置いている。
そして、記憶の腕輪が有り、勉強をしているとはいえ、拓の知識は高度過ぎ
奴隷としての自分への対応を含め、根本的な考え方が違い過ぎていると思っていた。
どんな話だろうと拓が本気で言うのなら信じられるし、拓に対し持っていた違和感も納得できる。
更に、「只者だとは思っていなかったが、さすが拓さんだ。」と変った尊敬までしていた。
ただ、拓にしてみると、こんな話を簡単に信じてしまうガラを少し心配になる。
「そうなんだ・・・ありがとう。
元の世界では、俺は技術者で化学プラント設計をしていたんだ。
えっと、薬を作る施設作りをしていた。」
拓は元の世界での自分の話を始めた。
拓が元の世界で最後に作ったのが化学プラントだった。
その仕様に違和感を感じたが、指示通りの化学プラントを作り上げた。
ただ、どうしても仕様が気になり調べていた所、その化学プラントで作られるのは神経を破壊する強力な毒。
法で許されない物を作り、非合法的に他の国へと売る事になっていた。
分かった時には既に毒の製造が開始されていた。
そこで拓が取った行動は、プラント毎破壊してしまう事だった。
毒自体は熱分解で簡単に無毒化されるので、一気に爆発させて炎で燃やし尽くしてしまえば問題ない。
未来に起こる被害を食い止める為、拓はて化学プラントを破壊し、
爆発に巻き込まれたと思った時には、この世界に子供として転生していた。
そして、この化学プラントの設計を依頼してきた科学者が中島 剛
バタフライ公爵夫人が見せてくれたゴウという人物と同じ顔をした男だった。
「つまりゴウという人物が、拓と同じ世界から来たと思っているのか。」
「あの時、中島もプラントに居たのなら、その可能性が考えられる。
どのみち、実際に見てみないと判断は出来ないけどね。」
それなら、ゴウの素性が分からない事も、毒の知識を持っている事も理解できる。
そして、ゴウに仕えているフードの人物も同じ様に向こうの世界からやって来た可能性が高い。
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