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201通信魔道具
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髪の色を変える薬については、拓が検討していた事とドクスの研究を合わせて効果を3日と伸ばせたが、これが限界だった。
効果はしっかりしているのでヘンデリック侯爵に製造方法を教えると、拓、ドクス、シルビアでも在庫を持つことにした。
そしてシルビアの通信機器もついに出来上がった。
「思ったより、小型に出来上がりましたね。」
拓が手にしたのは、元の世界での固定電話程度のサイズの通信機器。
但し、無線には出来ず有線となっている。
早速、ヘンデリック侯爵家の屋敷と拓の小屋との間で動作確認を行うことになった。
屋敷にはシルビア、ヘンデリック侯爵、ナターシャやオーヘン、他に手の空いている人達が
拓の家の方では、拓、ガラ、ドクスの他にサーシャ、ユンク、ヘルガ、トウ、バン、ジャン、サーシャ付きのメイドのマリーが集まっている。
「これから通信機器の実験を行います。」
シルビアはそう言って、微かに震える手で通信機のスイッチを入れる。
「こちら、シルビア。私の声が聞こえるかしら。」
「こちら、サーシャ。シルビアさんの声がハッキリ聞こえます。」
「こちらもサーシャさんの声がしっかりと聞こえるわ。」
シルビアの後ろで歓声が起きた。そして、サーシャの後ろでも。
その後は、ヘンデリック侯爵やオーヘンへと代わって通信機器を試していた。
そして、拓も話す事になり
「シルビアさん、本当におめでとうございます。こんなにハッキリと音声が聞こえるなんて凄いです。」
「ありがとう。拓のおかげよ。本当に嬉しいわ。」
シルビアを褒めると、途中から通信機の向こうから涙ぐんだ声が聞こえて来た。
「どうしたシルビア。何時にもなく女らしいじゃないか。」
ドクスがからかうと
「煩いわね。でも、拓の事を紹介してくれてドクスにも感謝しているわ。」
「別に、俺は何もしてない。本当に頑張ったな。」
ドクスの言葉で泣き出してしまったシルビアにナターシャがハンカチを渡して、通信実験は終わりとなった。
その日の夜は、通信機器の実験成功の祝いの場を用意してくれていた。
内輪の食事会だが、とても豪華な料理が並んでいる。
「さすがルドフル料理長、凄い料理。」
豪華な料理を前に拓が喜んでいた。
これだけの料理、前日から仕込んでいたんだろう。
少し遅れて今日の主役、シルビアがドレスを着て登場した。
「シルビアさん、綺麗。」
他のメンバーも今日は全員 正装をしている。
全員が終始笑顔で食事を終えると
「ヘンデリック侯爵、この通信機器をこの町に設置する気はないでしょうか。」
シルビアの提案は、騎士団の建物を拠点にし、町の各入口や町中、見張り台、ギルド会館、病院、そして領主の屋敷を繋ぐ構想だった。
上手く行けば、他の拠点となりそうな場所にも設置する。
技術提供料は格安とする代わりに、問題点の洗い出しを行いたいというものだった。
騎士団の建物を拠点とするのは、通信先の切り替えは手動で行う必要が有るため その仕事を騎士団に担ってもらう。
提案が受け入れられると、
「実は、これは拓の案なんです。技術開発と製品は違うと言われて。
それで、製品にまでしてみようかと。」
シルビアがそう言うので、拓は皆から見られると
「せっかくの技術だから、完成させないと勿体ないですから。
最終的には、無線にして町同士を繋げらると面白くなるんですけどね。」
更なる構想を話す。
しかし、他の人には完成させるという拓の言葉を完全には理解していなかった。
なぜ拓は未だ未完成品と考えているのだろうかと・・・
元の世界での通信技術を知っている拓としては、指摘事項なら幾つも上げられた。
その辺は、実際に多くの人に使ってもらうことで自然と分かって来るだろう。
無線にしても電波を魔力に置き換える案を持っていたが、余計な口出しをせず、この世界の人が開発すれば良いと考えていた。
効果はしっかりしているのでヘンデリック侯爵に製造方法を教えると、拓、ドクス、シルビアでも在庫を持つことにした。
そしてシルビアの通信機器もついに出来上がった。
「思ったより、小型に出来上がりましたね。」
拓が手にしたのは、元の世界での固定電話程度のサイズの通信機器。
但し、無線には出来ず有線となっている。
早速、ヘンデリック侯爵家の屋敷と拓の小屋との間で動作確認を行うことになった。
屋敷にはシルビア、ヘンデリック侯爵、ナターシャやオーヘン、他に手の空いている人達が
拓の家の方では、拓、ガラ、ドクスの他にサーシャ、ユンク、ヘルガ、トウ、バン、ジャン、サーシャ付きのメイドのマリーが集まっている。
「これから通信機器の実験を行います。」
シルビアはそう言って、微かに震える手で通信機のスイッチを入れる。
「こちら、シルビア。私の声が聞こえるかしら。」
「こちら、サーシャ。シルビアさんの声がハッキリ聞こえます。」
「こちらもサーシャさんの声がしっかりと聞こえるわ。」
シルビアの後ろで歓声が起きた。そして、サーシャの後ろでも。
その後は、ヘンデリック侯爵やオーヘンへと代わって通信機器を試していた。
そして、拓も話す事になり
「シルビアさん、本当におめでとうございます。こんなにハッキリと音声が聞こえるなんて凄いです。」
「ありがとう。拓のおかげよ。本当に嬉しいわ。」
シルビアを褒めると、途中から通信機の向こうから涙ぐんだ声が聞こえて来た。
「どうしたシルビア。何時にもなく女らしいじゃないか。」
ドクスがからかうと
「煩いわね。でも、拓の事を紹介してくれてドクスにも感謝しているわ。」
「別に、俺は何もしてない。本当に頑張ったな。」
ドクスの言葉で泣き出してしまったシルビアにナターシャがハンカチを渡して、通信実験は終わりとなった。
その日の夜は、通信機器の実験成功の祝いの場を用意してくれていた。
内輪の食事会だが、とても豪華な料理が並んでいる。
「さすがルドフル料理長、凄い料理。」
豪華な料理を前に拓が喜んでいた。
これだけの料理、前日から仕込んでいたんだろう。
少し遅れて今日の主役、シルビアがドレスを着て登場した。
「シルビアさん、綺麗。」
他のメンバーも今日は全員 正装をしている。
全員が終始笑顔で食事を終えると
「ヘンデリック侯爵、この通信機器をこの町に設置する気はないでしょうか。」
シルビアの提案は、騎士団の建物を拠点にし、町の各入口や町中、見張り台、ギルド会館、病院、そして領主の屋敷を繋ぐ構想だった。
上手く行けば、他の拠点となりそうな場所にも設置する。
技術提供料は格安とする代わりに、問題点の洗い出しを行いたいというものだった。
騎士団の建物を拠点とするのは、通信先の切り替えは手動で行う必要が有るため その仕事を騎士団に担ってもらう。
提案が受け入れられると、
「実は、これは拓の案なんです。技術開発と製品は違うと言われて。
それで、製品にまでしてみようかと。」
シルビアがそう言うので、拓は皆から見られると
「せっかくの技術だから、完成させないと勿体ないですから。
最終的には、無線にして町同士を繋げらると面白くなるんですけどね。」
更なる構想を話す。
しかし、他の人には完成させるという拓の言葉を完全には理解していなかった。
なぜ拓は未だ未完成品と考えているのだろうかと・・・
元の世界での通信技術を知っている拓としては、指摘事項なら幾つも上げられた。
その辺は、実際に多くの人に使ってもらうことで自然と分かって来るだろう。
無線にしても電波を魔力に置き換える案を持っていたが、余計な口出しをせず、この世界の人が開発すれば良いと考えていた。
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