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183化粧
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バタフライ公爵夫人を招いての食事会がアーネス家で行われることになった。
対応するのは、ロマニュ子爵、シレーヌ、アーネス、ミーシア
朝から家はドタバタしている。
ヘンデリック侯爵やアルバート侯爵は用事で出掛けているので、サーシャやクリスティーヌ、ユンクはフォスターの家に遊びに来ていた。
「ユンクとゆっくり話すのは久しぶりだよね。」
「護衛でヘンデリック侯爵に付いていたからな。大変だよ。
今日は、公爵家に用事があるから、未だ早いと言われて休みなんだ。」
拓はユンクと話しながら、トウ、バン、ジャンの事を考えていた。
あの調子で公爵家に行って問題ないのかと・・・
「拓、ユンク君と一緒に王都を回ってきたらどうだ。
お嬢さん達は、庭でゲートボールでもしてみないか。」
フォスターに言われ、サーシャ達が喜んでいるので、
拓とユンク、そしてガラが出掛けようとすると、ドクスも買い物が有ると言って同行することになった。
ドクスの買い物がてら店を回り、ユンクは魔導書や魔道具を買い、最後は高台から町を眺めた。
「こうして知らない町を見るのって楽しいな。」
「ユンクは将来 世界中を旅するのも良いかも知れないね。」
「師匠に魔導士として合格をもらったら、そうするつもりなんだ。
王都に来ただけでもこんなに楽しいなら、どれだけ凄いか想像もつかない。」
目を輝かせて、ユンクが夢を語っていた。
一日遊んで帰ろうとすると4人の横に豪華な馬車が止まる。
「ドクス魔導士ではありませんか。」
馬車の窓から呼びかけるのはバタフライ公爵夫人。
「丁度アーネス家に向かう所ですので、良ければ一緒に如何ですか。」
4人が馬車に乗って自己紹介をし、バタフライ公爵夫人が色々と話をしてくれていたのだが
「拓さん、私の顔が気になりますか。」
拓はバタフライ公爵夫人の化粧が気になり、記憶の腕輪で使っている素材を調べていた。
そして一致した素材には毒との記述が・・・
「若い子から見られるのは嬉しいですけど、気になることが有るなら言ってもらっても良いかしら。」
「今使われている化粧品はバジルの実の粉を原料としていますか?」
「あら、良くわかるわね。どうして分かったの。」
「薬剤師の勉強をしているので。バジルの実は綺麗に化粧が出来ますが、毒素が含まれています。」
「・・・」
「あっ、毒素と言っても少し肌が荒れるくらいで、体調を崩したりはしないので安心してください。
変な事を言ってしまい、申し訳ありませんでした。」
「いえ、良いのよ。優秀な薬剤師の意見を聞けて参考になったわ。」
その後、直ぐに馬車はアーネス家に着き、4人は送ってもらった事に礼を言って別れた。
アーネス家での食事会は成功し、バタフライ公爵夫人の所にも肉を卸す事になった。
更に、知人にも紹介してくれるとのこと。
食後の紅茶が出てきて、雑談をしていると
「舞踏会の時、シレーヌさんは珍しい香りの香水をつけていたけど、もしかして拓さんの作品なのかしら。」
シレーヌは拓の事を言っていいのか分からず、答えに困っていると
「探る様な質問をしてごめんなさいね。
もし、彼が肌荒れにも詳しいなら、一度、見て頂けないかと思って・・・」
バタフライ公爵夫人は何か考える様に机の上を眺めると
「見て頂けるなら、連絡を貰いたいと伝えて頂けないかしら。」
それだけ言うと、別の話題に切り替えた。
食事会の礼を言ってバタフライ公爵夫人が帰ると、拓の所にシレーヌとミーシア、そしてアーネスがやって来た。
「拓、バタフライ公爵夫人が肌の状態を見て欲しいと言っていたけど何かあったの。」
シレーヌに聞かれて、拓が馬車の中での会話を話すと
「もし対応できるのなら、見てあげられないかしら。」
「俺でなくても、公爵家なら優秀な医者に見てもらえるでしょ。」
「なんだか、困っているみたいだったから。」
「それって、公爵家と繋がりを持ちたいから?」
シレーヌに頼まれ、拓が少し意地悪な質問をすると
「違うわ。同じ女性だから。何とか出来るならしてあげたいと思って。」
直ぐに否定された。
「あの方は、ずっとあの化粧をされているので、もしかすると肌が酷い状態なのかも知れません。
結局、私達では何もできなく拓さんに頼るだけで申し訳ないのですが。」
ミーシアが口添えをしてくる。拓がフォスターの方を見ると
「バタフライ公爵夫人には、儂も助力を受けた事がある。
人格者でもあるから、悪い事にはならない。
後は拓の気持ち次第だな。受けないからといって、問題になることもないだろう。」
結局、拓は肌を見る事を了解し、アーネスが連絡を取ることになった。
対応するのは、ロマニュ子爵、シレーヌ、アーネス、ミーシア
朝から家はドタバタしている。
ヘンデリック侯爵やアルバート侯爵は用事で出掛けているので、サーシャやクリスティーヌ、ユンクはフォスターの家に遊びに来ていた。
「ユンクとゆっくり話すのは久しぶりだよね。」
「護衛でヘンデリック侯爵に付いていたからな。大変だよ。
今日は、公爵家に用事があるから、未だ早いと言われて休みなんだ。」
拓はユンクと話しながら、トウ、バン、ジャンの事を考えていた。
あの調子で公爵家に行って問題ないのかと・・・
「拓、ユンク君と一緒に王都を回ってきたらどうだ。
お嬢さん達は、庭でゲートボールでもしてみないか。」
フォスターに言われ、サーシャ達が喜んでいるので、
拓とユンク、そしてガラが出掛けようとすると、ドクスも買い物が有ると言って同行することになった。
ドクスの買い物がてら店を回り、ユンクは魔導書や魔道具を買い、最後は高台から町を眺めた。
「こうして知らない町を見るのって楽しいな。」
「ユンクは将来 世界中を旅するのも良いかも知れないね。」
「師匠に魔導士として合格をもらったら、そうするつもりなんだ。
王都に来ただけでもこんなに楽しいなら、どれだけ凄いか想像もつかない。」
目を輝かせて、ユンクが夢を語っていた。
一日遊んで帰ろうとすると4人の横に豪華な馬車が止まる。
「ドクス魔導士ではありませんか。」
馬車の窓から呼びかけるのはバタフライ公爵夫人。
「丁度アーネス家に向かう所ですので、良ければ一緒に如何ですか。」
4人が馬車に乗って自己紹介をし、バタフライ公爵夫人が色々と話をしてくれていたのだが
「拓さん、私の顔が気になりますか。」
拓はバタフライ公爵夫人の化粧が気になり、記憶の腕輪で使っている素材を調べていた。
そして一致した素材には毒との記述が・・・
「若い子から見られるのは嬉しいですけど、気になることが有るなら言ってもらっても良いかしら。」
「今使われている化粧品はバジルの実の粉を原料としていますか?」
「あら、良くわかるわね。どうして分かったの。」
「薬剤師の勉強をしているので。バジルの実は綺麗に化粧が出来ますが、毒素が含まれています。」
「・・・」
「あっ、毒素と言っても少し肌が荒れるくらいで、体調を崩したりはしないので安心してください。
変な事を言ってしまい、申し訳ありませんでした。」
「いえ、良いのよ。優秀な薬剤師の意見を聞けて参考になったわ。」
その後、直ぐに馬車はアーネス家に着き、4人は送ってもらった事に礼を言って別れた。
アーネス家での食事会は成功し、バタフライ公爵夫人の所にも肉を卸す事になった。
更に、知人にも紹介してくれるとのこと。
食後の紅茶が出てきて、雑談をしていると
「舞踏会の時、シレーヌさんは珍しい香りの香水をつけていたけど、もしかして拓さんの作品なのかしら。」
シレーヌは拓の事を言っていいのか分からず、答えに困っていると
「探る様な質問をしてごめんなさいね。
もし、彼が肌荒れにも詳しいなら、一度、見て頂けないかと思って・・・」
バタフライ公爵夫人は何か考える様に机の上を眺めると
「見て頂けるなら、連絡を貰いたいと伝えて頂けないかしら。」
それだけ言うと、別の話題に切り替えた。
食事会の礼を言ってバタフライ公爵夫人が帰ると、拓の所にシレーヌとミーシア、そしてアーネスがやって来た。
「拓、バタフライ公爵夫人が肌の状態を見て欲しいと言っていたけど何かあったの。」
シレーヌに聞かれて、拓が馬車の中での会話を話すと
「もし対応できるのなら、見てあげられないかしら。」
「俺でなくても、公爵家なら優秀な医者に見てもらえるでしょ。」
「なんだか、困っているみたいだったから。」
「それって、公爵家と繋がりを持ちたいから?」
シレーヌに頼まれ、拓が少し意地悪な質問をすると
「違うわ。同じ女性だから。何とか出来るならしてあげたいと思って。」
直ぐに否定された。
「あの方は、ずっとあの化粧をされているので、もしかすると肌が酷い状態なのかも知れません。
結局、私達では何もできなく拓さんに頼るだけで申し訳ないのですが。」
ミーシアが口添えをしてくる。拓がフォスターの方を見ると
「バタフライ公爵夫人には、儂も助力を受けた事がある。
人格者でもあるから、悪い事にはならない。
後は拓の気持ち次第だな。受けないからといって、問題になることもないだろう。」
結局、拓は肌を見る事を了解し、アーネスが連絡を取ることになった。
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