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177憧れ

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今日もシレーヌがやって来て、拓もポーション作りを休憩して話をしていると

「サーシャさん、クリステーヌさん達が来たぞ。」

ガラに言われて玄関に向かうと、サーシャ、クリステーヌ、ユンク、シルビアが揃っていた。

「皆で王都に来たんだ。お茶を入れるからどうぞ。」

ヘンデリック侯爵、アルバート侯爵達はアーネスと話しをしているらしい。
拓が皆を家に招くと

「サーシャ様、クリスティーヌ様。お久しぶりです。」
「シレーヌ様。お久しぶりです。」
「卒業以来ですね。」

シレーヌがサーシャ、クリスティーヌに向かってお辞儀をすると、2人もお辞儀をする。
フォスターの家だが、一応貴族としての挨拶を行う。

「シレーヌさんは、サーシャやクリスティーヌの事を知っているの。」

拓が尋ねると

「クラスは違いましたが、同じ学校に通っておりましたから。」
「そうか、3人は同級生になるのか。」

拓から見るとシレーヌに比べてサーシャ、クリスティーヌが子供っぽいと思ったが口には出さないでおいた。
その後、拓がシレーヌにシルビアとユンクを紹介し挨拶を終えると

「シルビア様は、宮廷魔導士のシルビア魔導士でしょうか。」
「元ですよ。今は只の一般人です。」

シレーヌのアイドルを見るような視線に、シルビアが嫌がっている雰囲気を醸し出し始めたので
シルビアが話始める前に、拓が口を挟んだ。

「シレーヌさんって、シルビアさんに憧れているとか。」
「女性魔導士の間では、シルビア魔導士の名前は良く出てきましたわ。」
「魔導士に男も女も関係ないでしょ。
 それに、シレーヌさんは雷属性だから、爺ちゃん寄りだと思うけど。」
「その通りなのですが、女性の宮廷魔導士は少ないのです。
 それにシルビア魔導士は実力だけでなく、美しい事でも有名でしたから。」

シレーヌの言葉に満更でもない感じのシルビアだったが
ドクスが思いっきり噴き出して笑っていた。

「やっぱり、シレーヌさんも美容には気を使うの。」
「それは当然ですわ。女性たるもの、容姿にも気を使わないと。」

拓は、シルビアの縦巻きロールの髪を見て納得するのだが、
サーシャとクリスティーヌを見て何とも言えずに黙ってしまった。

「ちょっと拓、私達を見て その間はなんなのよ。」
「そうよ。女性に対して失礼なんじゃない。」

2人から拓が攻撃を受け、笑って誤魔化したが、気を遣う次元が違い過ぎるのではないかと考えてしまう。
そもそも、拓は2人を女性と言うより、女の子としてみていた。
やはり、お転婆すぎるのだろう・・・

「皆さんは敬称を付けないで呼び合っているのですね。
 良かったら、私もシレーヌと呼んで頂けないでしょうか。」

公式の場でなければ敬称なしで呼び合う事になった。
雑談をしたことでシレーヌは落着きシルビアに無暗に話しかける事はせず、ユンクと魔法談議で盛り上がっていた。
その話が面白いのか、逆に途中からはシルビアも参加していた。
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