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151温泉

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その後は、温泉に入りたいという拓の意見は通ることなく
湖畔でのボート遊びに連れ出され、明日はクリスティーヌが町を案内してもらう事になった。
実際にボートに乗ってみると拓も楽しく、かなりはしゃいでいた。

拓達が湖畔でボート遊びをしている間、ガラ、トウ、バン、ジャンはアゼルド家の専属護衛であるオーシャンと打ち合いをしていた。

「ガラさん、腕の呪いが解けて剣の腕が格段に上がっているな。
 パワー系なのに受け流しの技術もしっかりしていると、かなり手強いな。」

ガラはフォスターやドクスから、ギリギリで魔法攻撃を避ける特訓も行っていて次の攻撃への対応が早い。
腕の呪いが解けてから、トウ、バン、ジャンとも互角に戦えるようになってきた。
ガラは少しでも強くなり、拓を守れるようになりたかった。
正直、それだけでは拓がガラに対してしてくれた事に比べたら大したことが無いと分かっているが・・・

「ガラさん、次は俺と打ち合ってもらえませんか。」

オーシャンとの打ち合いを見ていた、他のアゼルド家の護衛が挑んでくる。
ガラも色々な人との試合をすることで勉強をさせてもらっていた。


「ガラ、これから皆で一緒に温泉に行くけど一緒にどう。」

拓が訓練をしているガラを湖畔にある露天風呂に呼びに来た。
流石に、貴族が一緒に行く訳には行かず、トウ、バン、ジャンは護衛として残ることになる。
魔獣は連れて行く訳にはいかず、ダイフクを預かってもらう。

拓、ユンク、ガラ、そしてドクスとシルビアで温泉に出かける。
元宮廷魔導士が市民と一緒で大丈夫かと思ったが

「良いに決まっているだろ。貴族じゃあるまいし。」
「宮廷魔導士は顔を知られている訳じゃないしね。それに私達は元だし。」

全く問題が無いらしい。
少し距離が有るので、行きだけ馬車を出してもらった。
目の前に湖が広がり、少し離れた所に古城が見える。

「近くだったら、夜中にも入れるのに。
 今日は満月だから、景色も良いかもよ。」

拓が残念がっていた。


その日の夜、ガラとトウの部屋にやって来た拓。

「ガラ、温泉に行ってみない。アルバート侯爵には話を通してある。」

ガラは、やはりそう来たかと思いつつ一緒に行くことにした。
ユンクとドクスには十分だと言われて断られてしまった。
翼の腕輪を使い一気に移動し、月明かりが反射する湖畔を眺めながら温泉を堪能。
帰りは湖畔沿いをシャーベットを食べながら歩いて帰ってきた。

そして城に戻った2人を待っていたのは、「ずるい」と言うサーシャとクリスティーヌの出迎えだった。
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