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137スタンド
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シルビアは目的を果たした後、今度は皆に実際の魔道具作りを行ってもらう事にした。
作るのは明かりのスタンド。
全員に材料として、土台となる石台と魔力を流すことで発行する材料と魔法陣の描かれた紙を配る。
作り方は簡単で、スタンドの土台に魔法陣を描き、彫刻刀で溝を掘る。
その溝に魔力を流す素材を溶かして流し込んで固まるのを待つ。
後は台に発行素材を取り付けて魔力を流せばスタンドの完成となる。
「ここで大切なのは、正確な魔法陣と均一の溝ね。
正確な魔法陣でなければ魔道具は発動しないし
溝が均一でないと、安定した効果が発揮できないわ。
そして、どんな魔法陣でも重要な核となる場所が有るの。
特にその核の部分は注意を払って描いて下さい。」
皆が石に描いた魔法陣をシルビアが確認し、合格すると魔法陣を彫り始めた。
「これは派手にやったわね。」
サーシャが掘っていた溝は、下書きの線を大きく外れ、石の表面に溝が一直線に彫られてしまった。
「これは作り直しになりますか。」
「そうね。本来なら作り直しになるわね。でも大丈夫よ」
残念がるサーシャにシルビアが微笑みかけ、右手を石に当て造形魔法を発動させる。
「凄い、彫った所が無くなっていく。」
シルビアの造形魔法で、誤って彫った場所が平らになった。
ついでに、不格好な部分を修正しようとシルビアが左手にも魔力を溜めると、サーシャがその左手を見ていた。
特に左手を動かした訳でもないのに。
気になり、その後サーシャの事を気にしてい見ていると、確実に魔力を溜めたり、放出する所に視線が動いていた。
シルビアは昔、フォスターから魔力が見える緑の髪の男の子が冒険する本を見せて貰っていた。
そして、魔力が見えると言うのはどんな感じなのかと夢を見た事も有った。
しかし、次に左手に魔力を溜めたとき
「サーシャさん、私の左手が気になりますか。」
一言、言ってみると
「いえ、特に何も。」
口ごもりながらも、その後は魔力を追うのは止めていた。
『呪いの子』
シルビアの頭に浮かんだ言葉。
最近、フォスターから髪の色を変える魔道具はないかと問い合わせが有ったばかりだった。
そしてドクスはここで何か研究を行っている。
サーシャが緑の髪をしているのであれば話は繋がる。
フォスターやドクスが親身になって対応しているのなら、気付かないことにした方が良いだろう。
そのまま講義は続けられ、全員のスタンドが出来上がり光の魔力を込めた魔石をはめるとスタンドに明かりが灯った。
「さて、これで魔道具は完成したわけですが、
せっかくなので、装飾を行いたいと思います。」
全員のスタンドが完成した所で、シルビアが色とりどりのガラスビーズやタイル、
そして、ガラス部分にビーズやタイルで装飾したスタンドを取り出した。
カーテンを引いて部屋を暗くし、魔石をはめると、綺麗で仄かな明りが灯った。
「これは、拓とガラが作ったスタンドなんだけど、こんな風に装飾してみたいと思います。
ガラスに接着剤を付けて、ビーズを付けてみて下さい。」
今回、皆に教える前に拓とガラ相手に試してみた所、拓の提案で飾りを付ける事になった。
ステンドガラス風のスタンドは無理だが、これなら簡単に作ることが出来る。
「拓は象形的な模様、ガラは剣や盾を描いたけど、自分の好きな様に作ってみて。」
全員が悩んで自分の飾りつけに熱中する間、シルビアはさりげなくサーシャの事を見ていた。
緑の髪・・・呪いの子か。
シルビアとしても何とかしてあげたいが、緑の髪の子を直す様な魔道具が有るのかすら知らない。
何か手段が有るか調べてはみるが、これ以上は立ち入らない方が良いだろう。
皆が作り上げたスタンドはカラフルだった。
サーシャは人の顔、ユンクは杖、他の人は抽象的な模様を作り上げていた。
最後に全員のスタンドを光らせると、
「本当に綺麗。こんな風に自分で作れるなんて思わなかったわ。」
皆、それぞれに気に入ったみたいだった。
作るのは明かりのスタンド。
全員に材料として、土台となる石台と魔力を流すことで発行する材料と魔法陣の描かれた紙を配る。
作り方は簡単で、スタンドの土台に魔法陣を描き、彫刻刀で溝を掘る。
その溝に魔力を流す素材を溶かして流し込んで固まるのを待つ。
後は台に発行素材を取り付けて魔力を流せばスタンドの完成となる。
「ここで大切なのは、正確な魔法陣と均一の溝ね。
正確な魔法陣でなければ魔道具は発動しないし
溝が均一でないと、安定した効果が発揮できないわ。
そして、どんな魔法陣でも重要な核となる場所が有るの。
特にその核の部分は注意を払って描いて下さい。」
皆が石に描いた魔法陣をシルビアが確認し、合格すると魔法陣を彫り始めた。
「これは派手にやったわね。」
サーシャが掘っていた溝は、下書きの線を大きく外れ、石の表面に溝が一直線に彫られてしまった。
「これは作り直しになりますか。」
「そうね。本来なら作り直しになるわね。でも大丈夫よ」
残念がるサーシャにシルビアが微笑みかけ、右手を石に当て造形魔法を発動させる。
「凄い、彫った所が無くなっていく。」
シルビアの造形魔法で、誤って彫った場所が平らになった。
ついでに、不格好な部分を修正しようとシルビアが左手にも魔力を溜めると、サーシャがその左手を見ていた。
特に左手を動かした訳でもないのに。
気になり、その後サーシャの事を気にしてい見ていると、確実に魔力を溜めたり、放出する所に視線が動いていた。
シルビアは昔、フォスターから魔力が見える緑の髪の男の子が冒険する本を見せて貰っていた。
そして、魔力が見えると言うのはどんな感じなのかと夢を見た事も有った。
しかし、次に左手に魔力を溜めたとき
「サーシャさん、私の左手が気になりますか。」
一言、言ってみると
「いえ、特に何も。」
口ごもりながらも、その後は魔力を追うのは止めていた。
『呪いの子』
シルビアの頭に浮かんだ言葉。
最近、フォスターから髪の色を変える魔道具はないかと問い合わせが有ったばかりだった。
そしてドクスはここで何か研究を行っている。
サーシャが緑の髪をしているのであれば話は繋がる。
フォスターやドクスが親身になって対応しているのなら、気付かないことにした方が良いだろう。
そのまま講義は続けられ、全員のスタンドが出来上がり光の魔力を込めた魔石をはめるとスタンドに明かりが灯った。
「さて、これで魔道具は完成したわけですが、
せっかくなので、装飾を行いたいと思います。」
全員のスタンドが完成した所で、シルビアが色とりどりのガラスビーズやタイル、
そして、ガラス部分にビーズやタイルで装飾したスタンドを取り出した。
カーテンを引いて部屋を暗くし、魔石をはめると、綺麗で仄かな明りが灯った。
「これは、拓とガラが作ったスタンドなんだけど、こんな風に装飾してみたいと思います。
ガラスに接着剤を付けて、ビーズを付けてみて下さい。」
今回、皆に教える前に拓とガラ相手に試してみた所、拓の提案で飾りを付ける事になった。
ステンドガラス風のスタンドは無理だが、これなら簡単に作ることが出来る。
「拓は象形的な模様、ガラは剣や盾を描いたけど、自分の好きな様に作ってみて。」
全員が悩んで自分の飾りつけに熱中する間、シルビアはさりげなくサーシャの事を見ていた。
緑の髪・・・呪いの子か。
シルビアとしても何とかしてあげたいが、緑の髪の子を直す様な魔道具が有るのかすら知らない。
何か手段が有るか調べてはみるが、これ以上は立ち入らない方が良いだろう。
皆が作り上げたスタンドはカラフルだった。
サーシャは人の顔、ユンクは杖、他の人は抽象的な模様を作り上げていた。
最後に全員のスタンドを光らせると、
「本当に綺麗。こんな風に自分で作れるなんて思わなかったわ。」
皆、それぞれに気に入ったみたいだった。
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