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136冷凍ボックス
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「この箱は密封されて、外側は熱を通し難い素材で出来ています。
そして、これは特殊素材なんだけど、水か氷の魔力を与えると冷気が出るの。
細かい魔法陣が描かれているの分かるかしら。」
シルビアが手に持っていた素材を皆に見せると
円盤状の物体に、もの凄く細かい魔法陣が描かれているのが分かる。
それを天井部分に取り付け、水の魔力を蓄えた魔石を加えると箱の中に強力な冷気が流れ出す。
「中に入れた物を凍らせる、冷凍ボックスって所かしら。
冷気を遮断する材料で作ってあるから、一度冷やせば殆ど魔力は使わないわ。
ヘンデリック侯爵が許可を出してくれれば、調理場に設置可能よ。」
そう言って、シルビアはゲートを開いてかき氷を配った。
ヘンデリック侯爵は、本当にこの様な魔道具を受け取って良いのかと驚いていたが、
シルビアは顔には出さないが、内心計画通りと喜んでいた。
拓は冷たいデザートを時々出してくれるのだが、シルビアが量を食べたいと言っても
「体が冷えるので、ほどほどにした方が良いですよ。」
と止められてしまう。
拓の設計だがシルビアがかき氷機まで作っにも関わらずだ。
ガラを味方に付けようとしても
「拓さんは、シルビアさんの体を心配してくれているからな。止めた方が良いだろう。」
分かっていた事だが、ガラは拓の言葉に賛成してしまう。
別に拓が出し惜しみをしていないのも分かっている。
冷たいのを止める代わりに別のデザートを出してくれている。
拓が心配してくれているのも分かる・・・が爺臭い。
知識や技術と引き換えに、子供らしさを失ってしまったのではないだろうか。
「拓の歳で、こんなに爺臭くて良いの。もっと子供らしさが有った方が良くない?」
とガラに言ってみたが
「そのギャップも、拓さんの魅力だ。」
どうしようもない回答しか返って来ない。ここまで来ると病気ではないだろうか。
更にシルビアの料理センスは壊滅的で、作れてかき氷が精一杯。
今回配ったかき氷のシロップも、自分用として拓に作ってもらった物だ。
渡された時に、食べ過ぎない様にと釘を刺されたが・・・
拓に教わりシルビアも作ってみたのだが、余りにも酷く材料が勿体ないと止められてしまった。
しかし、そこは元とはいえ第3位の宮廷魔導士。
その知識と実力を持って打開策を見つければ良いだけの事。
観察して分かったのは、ヘンデリック侯爵家専任のルドルフ料理長の腕前は素晴らしいもので
拓の知っているレシピや手に入れた素材は、ルドルフ料理長によって格上げされているという事だ。
そして、拓はルドルフ料理長に惜しみなくレシピを教えている。
ヘンデリック侯爵邸に冷凍ボックスを置けば、
ルドルフ料理長が更に美味しい冷たいデザートを作るようになり
シルビアは冷たいデザートが食べ放題になる。
世話になっているヘンデリック侯爵にお礼も出来るし、一石二鳥。
呆れるような目的で冷凍ボックスを用意し、拓が居ないタイミングで講義の場を設けたのだった。
魔道具の講義は一旦休憩とし、シルビアはルドルフ料理長の所へ行くと
冷凍ボックスを設置し、かき氷を食べさせる。
「これは拓のレシピか。面白い、面白すぎる。
シルビア様、料理を楽しみにしてください。」
色々とアイディアが広がっている様だったので、シロップと新しく作っておいたかき氷器を預けた。
そして、これは特殊素材なんだけど、水か氷の魔力を与えると冷気が出るの。
細かい魔法陣が描かれているの分かるかしら。」
シルビアが手に持っていた素材を皆に見せると
円盤状の物体に、もの凄く細かい魔法陣が描かれているのが分かる。
それを天井部分に取り付け、水の魔力を蓄えた魔石を加えると箱の中に強力な冷気が流れ出す。
「中に入れた物を凍らせる、冷凍ボックスって所かしら。
冷気を遮断する材料で作ってあるから、一度冷やせば殆ど魔力は使わないわ。
ヘンデリック侯爵が許可を出してくれれば、調理場に設置可能よ。」
そう言って、シルビアはゲートを開いてかき氷を配った。
ヘンデリック侯爵は、本当にこの様な魔道具を受け取って良いのかと驚いていたが、
シルビアは顔には出さないが、内心計画通りと喜んでいた。
拓は冷たいデザートを時々出してくれるのだが、シルビアが量を食べたいと言っても
「体が冷えるので、ほどほどにした方が良いですよ。」
と止められてしまう。
拓の設計だがシルビアがかき氷機まで作っにも関わらずだ。
ガラを味方に付けようとしても
「拓さんは、シルビアさんの体を心配してくれているからな。止めた方が良いだろう。」
分かっていた事だが、ガラは拓の言葉に賛成してしまう。
別に拓が出し惜しみをしていないのも分かっている。
冷たいのを止める代わりに別のデザートを出してくれている。
拓が心配してくれているのも分かる・・・が爺臭い。
知識や技術と引き換えに、子供らしさを失ってしまったのではないだろうか。
「拓の歳で、こんなに爺臭くて良いの。もっと子供らしさが有った方が良くない?」
とガラに言ってみたが
「そのギャップも、拓さんの魅力だ。」
どうしようもない回答しか返って来ない。ここまで来ると病気ではないだろうか。
更にシルビアの料理センスは壊滅的で、作れてかき氷が精一杯。
今回配ったかき氷のシロップも、自分用として拓に作ってもらった物だ。
渡された時に、食べ過ぎない様にと釘を刺されたが・・・
拓に教わりシルビアも作ってみたのだが、余りにも酷く材料が勿体ないと止められてしまった。
しかし、そこは元とはいえ第3位の宮廷魔導士。
その知識と実力を持って打開策を見つければ良いだけの事。
観察して分かったのは、ヘンデリック侯爵家専任のルドルフ料理長の腕前は素晴らしいもので
拓の知っているレシピや手に入れた素材は、ルドルフ料理長によって格上げされているという事だ。
そして、拓はルドルフ料理長に惜しみなくレシピを教えている。
ヘンデリック侯爵邸に冷凍ボックスを置けば、
ルドルフ料理長が更に美味しい冷たいデザートを作るようになり
シルビアは冷たいデザートが食べ放題になる。
世話になっているヘンデリック侯爵にお礼も出来るし、一石二鳥。
呆れるような目的で冷凍ボックスを用意し、拓が居ないタイミングで講義の場を設けたのだった。
魔道具の講義は一旦休憩とし、シルビアはルドルフ料理長の所へ行くと
冷凍ボックスを設置し、かき氷を食べさせる。
「これは拓のレシピか。面白い、面白すぎる。
シルビア様、料理を楽しみにしてください。」
色々とアイディアが広がっている様だったので、シロップと新しく作っておいたかき氷器を預けた。
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