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131糸電話
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数日間はアーネスとゴンはゲートボールの会場の確認を行っていたが
ヘンデリック侯爵の運営に問題ないと分かると、王都に戻ることにした。
フォスターも帰り、ドクスはペンデルトン領に留まり古文書の解読を行う。
馬車には、アーネス、フォスター、ゴンの他に拓、ガラ、ドクスの姿が・・・
「拓さんは、十分なポーションの在庫が有るんですよね。
こんなに働かなくても良くないですか。」
ゴンが拓に馬車の運転を教えながら、話しかける。
今回、拓とガラは途中まで馬車で移動し、薬草採取をしながらペンデルトン領に戻る予定だ。
ドクスは、ガラの呪いがどう変化するのかを確認するために同行している。
「大量に作って保管しておけば、やりたい事が出来たときに時間が取れるから。
収納状態を維持できる空間魔法の有難い所ですね。」
拓の言葉に、ゴンは成程と納得していた。
馬車で2日移動したところで、拓、ガラ、ドクスは馬車を降りアーネス達とは別れる予定になっている。
「安全な拠点に美味い飯、そして この露天風呂。
せめて大将も拓さん並みの魔力を持っていれば良かったのに。」
拓の魔力量がイレギュラーなので、仕方がない事だろう。
ゴンが今回の旅 最後の露天風呂を堪能していた。
「ダイフクも凄い魔獣なんだな。
お前が掃除をしてくれるから、この露天風呂が使えるんだろ。」
感心しつつも、湯に浮いているダイフクを突いて遊んでいた。
そして、この移動で一番驚いていたのはドクスだった。
「一体 拓の魔力はどうなっているんだ。
こんな滅茶苦茶な空間魔法を見たことも聞いたことも無いぞ。
それでいて、初級魔導士程度の魔力しか使えないなんて。」
拓をまじまじと見て、笑いだしてしまった。
フォスターの信用できる友人と言うだけあり、面白がるだけだった。
もしかすると、宮廷魔導士というのは変人が多いのだろうか?
拓がそんな事を考えながらフォスターとドクスを見ていると、フォスターに杖で叩かれていた。
アーネス達と別れ、拓達は森の中を進みながら薬草採取を行った。
「さすが辺境地だな。薬草が豊富だ。」
ドクスはガラに説明をしながら、色々な薬草を採取していた。
夜、拓が薬を生成している間、ドクスはガラに薬の作り方を教えたり、風魔法を使って鍛えていた。
その日は新しい薬草を手に入れたので、拓がテントで新しい薬作りを行い、ガラとドクスで薬草探しを行った。
雨が降りそうになって来たので、拓がガラに戻ってくるように連絡を取ったのだが
「拓、今の連絡方法は何だ。」
ドクスが駆けつける様に戻って来て怒鳴るように聞いてくる。
奴隷契約の呪いに信号を乗せた事を話すと
「そんな事が出来るのか。一体、何処からそんな発想が出て来た。知識の腕輪の記録か?」
「いえ、糸電話からの発想です。
波動を糸を使って伝搬出来るなら、呪いという繋がりで波動を伝搬出来ないかと思って。
俺は闇魔法で波を伝わらせてみたんですよ。」
「糸電話?」
ドクスの反応を見て、拓は糸電話がこの世界に無い事に気が付いた。
実際に手持ちの材料で糸電話を作り、ドクスやガラと通話をしてみる。
「凄い、拓さんの声がコップの中から聞こえてくる。」
「拓、どうして糸を通して声が聞こえるんだ。」
拓は2人に音が空気の振動で、その振動で薄い紙を震わせ、それが糸を伝わり相手の薄い紙を震わせ空気を振動させて声を伝える事を説明し
ガラとドクスは波動について何となくイメージを掴むことが出来た。
「拓、知り合いを1人紹介させてもらえないか。
勿論、フォスターさんの許可が取れての話しだが。」
拓はフォスターの許可が降りるのなら、紹介してもらっても問題ないと伝えた。
その後、この事を知っている相手や、知ることになった状況を説明したのだが
「拓は、呪われているのか。
ガラの呪いより、お前を調べる方が先だったんじゃないか。」
ドクスは笑って話していたのだが、何故かガラは真剣に頷いている。
拓とドクスの探索魔法で危険な事もなく薬草採取が進み、新しい薬草も入手して町に戻ってきた。
ガラの腕の模様は薄くなってきているが、力の方は殆ど戻っていない。心配する拓に
「拓さん、俺が今まで試してきても呪いの模様が薄くなることすら無かった。
目に見えて効果が表れたのは初めてです。ありがとうございます。」
ガラが礼を言う。そして
「拓、お前は自分で出来る事を最大限に行っている。
この方法が失敗になっても、次を探せば良いだろう。
町に戻ったら手に入れた古文書の解読を行うぞ。
それで見つけられなくても、俺が別の古文書を手に入れてやる。」
ドクスにも励まされた。
この中で、一番心細いのはガラだと言うのに・・・
この日を境に、拓はガラを心配させる様な態度を取るのは止めた。
ヘンデリック侯爵の運営に問題ないと分かると、王都に戻ることにした。
フォスターも帰り、ドクスはペンデルトン領に留まり古文書の解読を行う。
馬車には、アーネス、フォスター、ゴンの他に拓、ガラ、ドクスの姿が・・・
「拓さんは、十分なポーションの在庫が有るんですよね。
こんなに働かなくても良くないですか。」
ゴンが拓に馬車の運転を教えながら、話しかける。
今回、拓とガラは途中まで馬車で移動し、薬草採取をしながらペンデルトン領に戻る予定だ。
ドクスは、ガラの呪いがどう変化するのかを確認するために同行している。
「大量に作って保管しておけば、やりたい事が出来たときに時間が取れるから。
収納状態を維持できる空間魔法の有難い所ですね。」
拓の言葉に、ゴンは成程と納得していた。
馬車で2日移動したところで、拓、ガラ、ドクスは馬車を降りアーネス達とは別れる予定になっている。
「安全な拠点に美味い飯、そして この露天風呂。
せめて大将も拓さん並みの魔力を持っていれば良かったのに。」
拓の魔力量がイレギュラーなので、仕方がない事だろう。
ゴンが今回の旅 最後の露天風呂を堪能していた。
「ダイフクも凄い魔獣なんだな。
お前が掃除をしてくれるから、この露天風呂が使えるんだろ。」
感心しつつも、湯に浮いているダイフクを突いて遊んでいた。
そして、この移動で一番驚いていたのはドクスだった。
「一体 拓の魔力はどうなっているんだ。
こんな滅茶苦茶な空間魔法を見たことも聞いたことも無いぞ。
それでいて、初級魔導士程度の魔力しか使えないなんて。」
拓をまじまじと見て、笑いだしてしまった。
フォスターの信用できる友人と言うだけあり、面白がるだけだった。
もしかすると、宮廷魔導士というのは変人が多いのだろうか?
拓がそんな事を考えながらフォスターとドクスを見ていると、フォスターに杖で叩かれていた。
アーネス達と別れ、拓達は森の中を進みながら薬草採取を行った。
「さすが辺境地だな。薬草が豊富だ。」
ドクスはガラに説明をしながら、色々な薬草を採取していた。
夜、拓が薬を生成している間、ドクスはガラに薬の作り方を教えたり、風魔法を使って鍛えていた。
その日は新しい薬草を手に入れたので、拓がテントで新しい薬作りを行い、ガラとドクスで薬草探しを行った。
雨が降りそうになって来たので、拓がガラに戻ってくるように連絡を取ったのだが
「拓、今の連絡方法は何だ。」
ドクスが駆けつける様に戻って来て怒鳴るように聞いてくる。
奴隷契約の呪いに信号を乗せた事を話すと
「そんな事が出来るのか。一体、何処からそんな発想が出て来た。知識の腕輪の記録か?」
「いえ、糸電話からの発想です。
波動を糸を使って伝搬出来るなら、呪いという繋がりで波動を伝搬出来ないかと思って。
俺は闇魔法で波を伝わらせてみたんですよ。」
「糸電話?」
ドクスの反応を見て、拓は糸電話がこの世界に無い事に気が付いた。
実際に手持ちの材料で糸電話を作り、ドクスやガラと通話をしてみる。
「凄い、拓さんの声がコップの中から聞こえてくる。」
「拓、どうして糸を通して声が聞こえるんだ。」
拓は2人に音が空気の振動で、その振動で薄い紙を震わせ、それが糸を伝わり相手の薄い紙を震わせ空気を振動させて声を伝える事を説明し
ガラとドクスは波動について何となくイメージを掴むことが出来た。
「拓、知り合いを1人紹介させてもらえないか。
勿論、フォスターさんの許可が取れての話しだが。」
拓はフォスターの許可が降りるのなら、紹介してもらっても問題ないと伝えた。
その後、この事を知っている相手や、知ることになった状況を説明したのだが
「拓は、呪われているのか。
ガラの呪いより、お前を調べる方が先だったんじゃないか。」
ドクスは笑って話していたのだが、何故かガラは真剣に頷いている。
拓とドクスの探索魔法で危険な事もなく薬草採取が進み、新しい薬草も入手して町に戻ってきた。
ガラの腕の模様は薄くなってきているが、力の方は殆ど戻っていない。心配する拓に
「拓さん、俺が今まで試してきても呪いの模様が薄くなることすら無かった。
目に見えて効果が表れたのは初めてです。ありがとうございます。」
ガラが礼を言う。そして
「拓、お前は自分で出来る事を最大限に行っている。
この方法が失敗になっても、次を探せば良いだろう。
町に戻ったら手に入れた古文書の解読を行うぞ。
それで見つけられなくても、俺が別の古文書を手に入れてやる。」
ドクスにも励まされた。
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この日を境に、拓はガラを心配させる様な態度を取るのは止めた。
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