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086冬キャンプ
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ジルから話しを聞いたアーネスと拓は、一緒にキャンプをすることに決めた。
ガラとしては拓には王都に戻って欲しいと思ったが、結局は拓の意向に従った。
先ずは自己紹介をすると、子供達は上からニック、ジョン、アンリの3人兄弟で
ガレド商会の仮の当主の子供だ。
仮と言うのは、ガレド商会の当主が引退を考えており、次の総会で認められて正式な当主となる。
ニックは拓と同じ15歳、ジョンは14歳、アンリは11歳でジョンとアンリは学校に通っている。
「学校に通っているんだ。ガレド商会って凄いな。」
この世界の学校に通うのは、貴族か金持ち位だ。
そして、男はロイ。ロイとジルはガレド商会の専属の護衛らしい。
「ガレド商会と言えば王都でも3本に入る大手の商会だ。
拓が買った魔道具もガレド商会で購入したんだぞ。」
「あぁ、あの店か。アーネス小父さんの所とはライバルだね。」
「いや、扱っている商品が違う。
俺の所は薬や食料がメインだが、ガレド商会は武器や防具、魔道具の類を扱っているからな。」
拓がアーネスから話を聞いていると
「私も、アーネス商会のポーションを使っていますよ。
今回は、限定の高級ポーションを持ってきています。」
そう言ってジルがゲートを開いて取り出したのは、拓が作ったポーションだった。
拓としても嬉しいが、作成者が自分だとは名乗ることは無かった。
そして、ガラは自分の主の製品が認められた事を誇りに思っていた。
「ジルさんは魔導士なんですね。」
「えぇ、光属性の魔導士です。」
「もしかして、治癒魔法も使えますか。」
「中級魔導士なので、大したことはありませんがある程度なら。」
拓が少し傷を付けて魔法で治療してもらおうと短剣を取り出すと、
「変な事を考えない。ジルさんに迷惑だぞ。」
直ぐにガラに止められ、ジルに笑われ、アーネスには溜息を吐かれてしまった。
拓も光属性の魔法を使えるが、初級魔導士では切り傷を治す程度の効果しかない。
拓の知り合いではヘルガが光属性の魔法を使えるが、本人が下手だと言っていたので比較してみたかったが仕方がない。
ちなみに、ロイさんは剣士で魔法は使えないらしい。
拓は光属性の魔法確認は諦め、キャンプに参加させてもらう事にする。
ここからは、大人は見守るだけで、基本的に子供4人でのキャンプ生活となる。
「拓さんって、どんな魔法を使えるの。」
「初級魔道師だからたいした事は出来ないよ。とりあえず水を出せるかな。」
アンリに聞かれて、拓は目の前に水球を出してみる。
「ジルさん、俺は魔法を使っても問題ないですか。」
「逆にその方が助かるわ。パーティに魔道師が居るとどれだけ違うか認識出来るから。」
拓は気楽に聞いたのだが、3人に魔道師の有用性を伝えるとなると責任重大だ。
拓が普通のテントをセットしようとしたが、
「拓さんは俺のテントに泊まったらどうです。
ジョンとアンリは同じテントでも良いよな。」
テントの中を見せてもらうと、底冷え対策などは出来ているが、やはり寒い。
拓はゲートを開くと寝袋と毛布を取り出し、可能な限り温かい寝床の準備をした。
ガラとしては拓には王都に戻って欲しいと思ったが、結局は拓の意向に従った。
先ずは自己紹介をすると、子供達は上からニック、ジョン、アンリの3人兄弟で
ガレド商会の仮の当主の子供だ。
仮と言うのは、ガレド商会の当主が引退を考えており、次の総会で認められて正式な当主となる。
ニックは拓と同じ15歳、ジョンは14歳、アンリは11歳でジョンとアンリは学校に通っている。
「学校に通っているんだ。ガレド商会って凄いな。」
この世界の学校に通うのは、貴族か金持ち位だ。
そして、男はロイ。ロイとジルはガレド商会の専属の護衛らしい。
「ガレド商会と言えば王都でも3本に入る大手の商会だ。
拓が買った魔道具もガレド商会で購入したんだぞ。」
「あぁ、あの店か。アーネス小父さんの所とはライバルだね。」
「いや、扱っている商品が違う。
俺の所は薬や食料がメインだが、ガレド商会は武器や防具、魔道具の類を扱っているからな。」
拓がアーネスから話を聞いていると
「私も、アーネス商会のポーションを使っていますよ。
今回は、限定の高級ポーションを持ってきています。」
そう言ってジルがゲートを開いて取り出したのは、拓が作ったポーションだった。
拓としても嬉しいが、作成者が自分だとは名乗ることは無かった。
そして、ガラは自分の主の製品が認められた事を誇りに思っていた。
「ジルさんは魔導士なんですね。」
「えぇ、光属性の魔導士です。」
「もしかして、治癒魔法も使えますか。」
「中級魔導士なので、大したことはありませんがある程度なら。」
拓が少し傷を付けて魔法で治療してもらおうと短剣を取り出すと、
「変な事を考えない。ジルさんに迷惑だぞ。」
直ぐにガラに止められ、ジルに笑われ、アーネスには溜息を吐かれてしまった。
拓も光属性の魔法を使えるが、初級魔導士では切り傷を治す程度の効果しかない。
拓の知り合いではヘルガが光属性の魔法を使えるが、本人が下手だと言っていたので比較してみたかったが仕方がない。
ちなみに、ロイさんは剣士で魔法は使えないらしい。
拓は光属性の魔法確認は諦め、キャンプに参加させてもらう事にする。
ここからは、大人は見守るだけで、基本的に子供4人でのキャンプ生活となる。
「拓さんって、どんな魔法を使えるの。」
「初級魔道師だからたいした事は出来ないよ。とりあえず水を出せるかな。」
アンリに聞かれて、拓は目の前に水球を出してみる。
「ジルさん、俺は魔法を使っても問題ないですか。」
「逆にその方が助かるわ。パーティに魔道師が居るとどれだけ違うか認識出来るから。」
拓は気楽に聞いたのだが、3人に魔道師の有用性を伝えるとなると責任重大だ。
拓が普通のテントをセットしようとしたが、
「拓さんは俺のテントに泊まったらどうです。
ジョンとアンリは同じテントでも良いよな。」
テントの中を見せてもらうと、底冷え対策などは出来ているが、やはり寒い。
拓はゲートを開くと寝袋と毛布を取り出し、可能な限り温かい寝床の準備をした。
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