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072ポーション作り

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王都の生活が始まり拓がポーション作りをしている間、ガラはフォスターに鍛えてもらっている。
フォスターの魔力は衰えることも無く、更に切れが鋭くなっていた。
ガラは毎日徹底的に叩きのめされ、今日もボロボロになって帰ってきた。

「ガラ、大丈夫か。爺ちゃん、容赦ないからね。とりあえずポーションを飲んで。」

拓から受け取ったポーションを飲むと、体の傷が癒えていく。

「まだまだ大丈夫だ。体だけは頑丈に出来ているかならな。
 こんな訓練を受けられる機会なんてなかなか無い。
 拓さんを護衛出来る様にもっと強くなって見せる。」
「その意気だ。元々がパワー系だから少し時間が掛かるが、十分強く成れるぞ。
 若者が努力するのを見るのは楽しいものだ。
 拓の場合、本当に才能が無かったから、楽しむ事も出来なかった。」

拓からすれば他の人の運動神経が良過ぎるだけで、自分は平均より少し劣る位だと考えている。
毎日傷だらけになって喜ぶガラ
ポーションで治るとはいえ、拓は只のドMではないかと思っていた。
その辺は、個人の性癖なので拓も突っ込むことはしないが・・・危険な方へ進まない様に気を付けていた。

拓が家に引き篭もること数日、

「やっとアーネス小父さんに渡すポーションの目処が立った。
 明日は、小父さんの店に行こうと思うけどガラはどうする。」

拓の問い掛けに、ガラは即座に付いて行くと答えると、
フォスターに明日の訓練を休みにしてくれるように頼んでいた。
ガラは王都の地理を大体把握しているので、店に寄った後で王都の案内をする事になった。

「ダイフクも来るか。」

拓がダイフクに声を掛けたが、フォスターの方へと動いていった。


アーネスの店は屋敷の近くで、拓が顔を出すとゴンが対応してくれ直ぐに裏手の倉庫へと案内された。

「大将、拓さんとガラさんが来ましたよ。」

倉庫の入り口で、ゴンが大声で叫ぶと

「良いところに来た、ゴンお前も手伝え。」

アーネスの声のする方へ進むと丁度荷物の出庫の最中だった。
倉庫棚は2階建てになっており、上の階から下に滑車を使って荷物を降ろしている。
拓としては魔道具を使った動力でも使っているのではないかと期待をしたのだが
滑車を使い綱を人が引くという、人力だった。
太ってはいるが腕や肩の筋肉が盛り上り如何にも力持ちの人が荷降ろしを行っているが
全身汗だくで、かなり大変な作業みたいだ。

「アーネス小父さん、そこで使っている滑車は1つしかないの。」
「予備が有るが、どうするつもりだ。」

拓は滑車を吊るしているはりに登ると、縄の片側をはりに縛りつけ、予備を動滑車として設置した。
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