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067孤児

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「爺ちゃん、連絡が出来なくてゴメン。」
「アーネスからの手紙で状況は分かっている。
 しかし、お前 自信満々で出て行ったくせに地図も読めないとは恥ずかしい奴だな。」
「自分でも、あんな落とし穴が有るとは思わなかったから。」
「とにかく、無事に生活している様で何よりだ。」

王都に着くと、拓が爺ちゃんに会いたいというので
そのまま、爺ちゃんの住むアーネスの家にやって来た。
拓は爺ちゃんとの再会を喜んだ後、ガラを紹介する。

「紹介するね。俺の仲間のガラ。こっちは、俺を育ててくれた爺ちゃん。」
「ガラです。拓さんが仲間として受け入れてくれ本当に嬉しく思っています。」
「ガラ、爺ちゃんって凄い魔導士なんだよ。
 一緒に暮らしていた時は分からなかったけど、外に出て初めて知ったよ。」
「全く調子が良い・・・拓が迷惑を掛けているだろうが、これからも宜しく頼む。」

挨拶を終えると

「拓さん。育ててくれたというのは?」

ガラが紹介の時に気になった事を聞いてみた。

「言ってなかったっけ。
 俺は孤児で、爺ちゃんに拾ってもらったんだ。」

拓の答えにガラは驚きはしたが、拓が幸せそうなのでほっとした。
その後、アーネス妻ミーシア、息子のコーギを紹介されると

「爺ちゃんがお世話になっています。
 こちら、手作りですが、どうぞお受け取りください。」

拓はゲートを開くと、調味料一式を渡した。
森に住んでいたとき、アーネスが来てくれると土産に渡していた物だ。
アーネスから家族が喜んでいると聞いていたので、用意しておいた。

「まぁ、何時もの調味料ね。
 これを使うと、料理が美味しくなるのよね。
 ありがとう、本当に嬉しいわ。」

拓の土産をミーシアが受け取ると

「先ずは風呂だな。ゴンも入っていけ。4人でも十分に入れるからな。」

アーネスに風呂に誘われたが、ガラが辞退しようとする。

「ガラ、お前は拓の仲間なんだろ。だったら一緒に入れ。」

そう言って、無理やりガラも引き連れて風呂へ。
ゴンが服を脱いだガラの胸を見て驚いていた。

「ガラさんって、拓さんの奴隷だったのか。全く気付かなかった。
 拓さんが訳ありの貴族の子供で、ガラさんは従者かと思ってましたよ。」

それだけ言って、後は今まで通りに話していた。
湯に浸かりながら、拓がゴンに、自分を貴族だと思った理由を聞いてみたが
アーネスがここまで気を使っている上
ガラを見ていて奴隷としての態度ではなく、拓の事を尊敬している感じだったからだそうだ。
その説明に拓は釈然としないながらも、ゆっくりと旅の疲れを癒していた。
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