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062祟られている?
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そのまま拓達は敷地内にある小屋にやって来ると、ガラが持っているバックの中からスライムを取り出す。
「もしかして、拓はスライムを従魔にしたのか?」
「この間、仲間になったばかり。名前はダイフク。他の人に慣れていないから無理をしないでね。」
アーネスはダイフクに向かって手を差し出すと、ダイフクがその手に擦り寄ってきた。
「どうやら、俺は例外みたいだな。
それにしても、なかなか良い家じゃないか。」
アーネスが部屋を一通り見て居間の椅子に座り、拓の入れた紅茶を飲んで一息つくと
「ガラは、もしかして拓の奴隷なのか。」
今までの笑顔は消え、真顔でガラに問いただした。
「そうです。この町で拓さんに買われました。」
「やはりそうか。しかし、まともな生活をしているみたいだな。
拓がふざけた扱いをしていたら、爺様の代わりに俺が叱らないといけなかったからな。」
「拓さんの俺への扱いが良くて、逆に戸惑うことの方が多いです。」
「それなら安心だ。まぁ、拓ならその辺は問題ないとは思うが。」
「ちなみにその腕は?」
アーネスはガラの腕に現れている模様を見ていた。
「アンデットの呪いを受けています。」
「確か、力が子供並みになってしまうヤツだよな。拓でも解き方を分からないのか?」
「俺は呪いについての知識は大して無いから。
今、ヘンデリック侯爵にも調べてもらっている所。」
「拓さん、そんな事までしてくれていたのか。」
「そんなの当たり前だろ。それに呪いが解けたら色々と出来ることも増えそうだしね。」
拓の言葉に、アーネスの顔に笑顔が戻った。
拓とガラが夕食を用意すると、アーネスが酒を取り出し宴会が始まった。
「爺ちゃんは元気にしている。」
「元気だぞ。家の奴らとも仲良くやっている。
ただ、お前から連絡が無くて気にしていたがな。
手紙を送っておいたから大丈夫だろうが、一度王都へ顔を出しに来い。」
「そうするつもりだったけど、この町から馬車が出てないから。」
個人が町と町を移動する場合、良く使われる手段として乗り合い馬車がある。
しかし辺境地となると、王都から離れてしまい、その様な馬車は存在しない。
「だったら、俺と一緒に王都まで来るか。
馬車に積んできた荷物は売りさばいたから2人が一緒でも問題ないぞ。
拓がこの町を拠点にするなら、春先に送ってやっても良いしな。
どうせ冬はポーションは売れないだろうから休むには丁度良いだろ。」
冬になると魔獣の行動が無くなり、冒険者達も町の外での戦闘が無くなる。
特別なことが無い限り、ポーションを購入する人も居なくなる。
「ガラ、冬の間に王都に行ってもいいかな。」
「拓さんが行きたいのなら。明日は、移動中の食料を用意した方が良いな。」
「一応、何があるか分からないから荷物は全て俺の空間魔法で収納しておけば良いか。」
拓とガラは、冬の間に王都に行くことを決めたのだが。
「拓、お前の空間魔法の話を普通にしているが、大丈夫なのか。」
今の2人の会話を聞いたアーネスは心配になった。
アーネスは拓が初級魔道師でありながら、異常な程の魔力を持っていることを知っている。
そして、拓の空間魔法で収納できる量や収納時の状態を維持できることも…
この空間魔法だけでも、拓を手に入れたいと思う人間は山ほど居るだろう。
「ガラには記憶の腕輪や翼の腕輪の事も全て話してある。
この先、生活をしていく上で隠しては成り立たない部分だからね。」
だからこその奴隷という事なのか。
アーネスから見ると、拓の場合、奴隷でなくてもガラの事を信用していそうだが…
「他に知っている人はいるのか。」
「俺の空間魔法が初級魔道師以上の広さを持っている事を、サーシャが知っているかな。
収納した状態を維持できる事までは知られてないけど。」
拓は、サーシャと崖から落ちた時の事を話すと
「お前 何かに祟られているんじゃないのか。
ヘルガ殿が一緒だったなら、何か感づいていそうだな。
まぁ、ヘンデリック侯爵達なら信用しても問題ないだろう。
ただ、自らバラす様な真似はするなよ。」
アーネスに溜息を吐かれながら、注意をされてしまった。
拓自身、こんなに短期間で自分の能力をばらす事になるとは思ってもいなかった。
拓の生活について色々と聞きながら、夜遅くまで宴会が続いた。
「もしかして、拓はスライムを従魔にしたのか?」
「この間、仲間になったばかり。名前はダイフク。他の人に慣れていないから無理をしないでね。」
アーネスはダイフクに向かって手を差し出すと、ダイフクがその手に擦り寄ってきた。
「どうやら、俺は例外みたいだな。
それにしても、なかなか良い家じゃないか。」
アーネスが部屋を一通り見て居間の椅子に座り、拓の入れた紅茶を飲んで一息つくと
「ガラは、もしかして拓の奴隷なのか。」
今までの笑顔は消え、真顔でガラに問いただした。
「そうです。この町で拓さんに買われました。」
「やはりそうか。しかし、まともな生活をしているみたいだな。
拓がふざけた扱いをしていたら、爺様の代わりに俺が叱らないといけなかったからな。」
「拓さんの俺への扱いが良くて、逆に戸惑うことの方が多いです。」
「それなら安心だ。まぁ、拓ならその辺は問題ないとは思うが。」
「ちなみにその腕は?」
アーネスはガラの腕に現れている模様を見ていた。
「アンデットの呪いを受けています。」
「確か、力が子供並みになってしまうヤツだよな。拓でも解き方を分からないのか?」
「俺は呪いについての知識は大して無いから。
今、ヘンデリック侯爵にも調べてもらっている所。」
「拓さん、そんな事までしてくれていたのか。」
「そんなの当たり前だろ。それに呪いが解けたら色々と出来ることも増えそうだしね。」
拓の言葉に、アーネスの顔に笑顔が戻った。
拓とガラが夕食を用意すると、アーネスが酒を取り出し宴会が始まった。
「爺ちゃんは元気にしている。」
「元気だぞ。家の奴らとも仲良くやっている。
ただ、お前から連絡が無くて気にしていたがな。
手紙を送っておいたから大丈夫だろうが、一度王都へ顔を出しに来い。」
「そうするつもりだったけど、この町から馬車が出てないから。」
個人が町と町を移動する場合、良く使われる手段として乗り合い馬車がある。
しかし辺境地となると、王都から離れてしまい、その様な馬車は存在しない。
「だったら、俺と一緒に王都まで来るか。
馬車に積んできた荷物は売りさばいたから2人が一緒でも問題ないぞ。
拓がこの町を拠点にするなら、春先に送ってやっても良いしな。
どうせ冬はポーションは売れないだろうから休むには丁度良いだろ。」
冬になると魔獣の行動が無くなり、冒険者達も町の外での戦闘が無くなる。
特別なことが無い限り、ポーションを購入する人も居なくなる。
「ガラ、冬の間に王都に行ってもいいかな。」
「拓さんが行きたいのなら。明日は、移動中の食料を用意した方が良いな。」
「一応、何があるか分からないから荷物は全て俺の空間魔法で収納しておけば良いか。」
拓とガラは、冬の間に王都に行くことを決めたのだが。
「拓、お前の空間魔法の話を普通にしているが、大丈夫なのか。」
今の2人の会話を聞いたアーネスは心配になった。
アーネスは拓が初級魔道師でありながら、異常な程の魔力を持っていることを知っている。
そして、拓の空間魔法で収納できる量や収納時の状態を維持できることも…
この空間魔法だけでも、拓を手に入れたいと思う人間は山ほど居るだろう。
「ガラには記憶の腕輪や翼の腕輪の事も全て話してある。
この先、生活をしていく上で隠しては成り立たない部分だからね。」
だからこその奴隷という事なのか。
アーネスから見ると、拓の場合、奴隷でなくてもガラの事を信用していそうだが…
「他に知っている人はいるのか。」
「俺の空間魔法が初級魔道師以上の広さを持っている事を、サーシャが知っているかな。
収納した状態を維持できる事までは知られてないけど。」
拓は、サーシャと崖から落ちた時の事を話すと
「お前 何かに祟られているんじゃないのか。
ヘルガ殿が一緒だったなら、何か感づいていそうだな。
まぁ、ヘンデリック侯爵達なら信用しても問題ないだろう。
ただ、自らバラす様な真似はするなよ。」
アーネスに溜息を吐かれながら、注意をされてしまった。
拓自身、こんなに短期間で自分の能力をばらす事になるとは思ってもいなかった。
拓の生活について色々と聞きながら、夜遅くまで宴会が続いた。
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