上 下
57 / 304

057綺麗なお姉さん

しおりを挟む
ヘンデリック侯爵に戻った事を伝え、小屋で薬の調合を行っていると

「拓、ガラ、帰って来たな。
 これから飲みに行くんだが、良ければ一緒に来ないか。」

トウ、バン、ジャンの3人が誘いに来てくれたので、一段落着いたところで飲み屋に連れて行って貰う事にした。
ダイフクは3人を見ると家の奥へと逃げていくので留守番だ。

「前々から、拓とガラを誘おうとしていたんだが。
 拓の所で食べる料理の方が美味くてな。」

とトウが言うと、拓とガラは良く酒を持ってやって来る3人の事を思い返していた。
初めは慣れない拓とガラに気を使って来てくれていたが、直ぐに拓の料理目当てに酒を飲みに来る様になっていた。
ちなみに、サーシャとヘルガは昼間にやって来て、ケーキを食べて帰っていく。
今日もヘンデリック侯爵に挨拶をするのに屋敷に寄ると、ヘルガさんと会い

「帰って来たのか。丁度ケーキの材料に良さそうな果物が手に入った所だ。
 話が終わったら声を掛けてくれ。それまでに用意しておこう。」

と帰りがけに果物と砂糖を渡されていた。


トウ、バン、ジャンに連れられて来たのは歓楽街にある居酒屋。
トウが店の扉を開けると、賑やかな笑い声が聞こえてくる。

「5人だけど、空いている席ある。」

店の子にテーブル席を案内してもらい、トウが酒と料理を適当に頼んでいく。

「それじゃ、カンパイ。」

この店は、トウ、バン、ジャンが良く来る店だった。
冒険者も多く、皆 賑やかに飲んでいる。
程々に飲んで、食べた後は、

「よし、これからが本番だ。」

バンが先頭になり歓楽街の店の1つに入ると

「バンさんいらっしゃい。お久しぶりですね。」

綺麗なお姉さん達が迎えてくれた。
そのまま席に案内されると、3人の女性が俺達の席に付く。

「トウさん、バンさん、ジャンさん、いらっしゃいませ。
 こちらのお2人を紹介してもらっても良いかしら。」

「拓とガラだ。大切な2人なんで宜しくお願いするよ。」

皆で乾杯して、楽しく飲んでいると

「拓さんって可愛いわね。
 酔ったら、お姉さんが介抱してあげるわ。」

拓がモテて、話も弾み上機嫌になっていた。
バンには、店の子が了解すれば一緒に店の2階の部屋に泊れると聞いている。
女性が少し席を立った時、バンが

「拓、誰にするんだ。今日は泊って行くだろ。
 ガラも気に入られているんだから、泊って行くよな。
 今夜は、俺が持つから金は気にしなくても良いぞ。」

小声で2人に、この後を勧めてくる。
ガラは、このまま拓が泊ると思っていたが

「いえ、俺はそろそろ帰ります。ガラは泊って行って良いからね。」

拓はあっさり帰ると言う。ガラは、その言葉に少し嬉しくなり

「拓さんが帰るなら、俺も一緒に帰ります。」

笑顔で答えていた。
バンは「あんなにモテていたのに勿体ない。」と言うが、今夜は拓に合わせて皆、帰る事にした。

「帰ってしまうなんて残念。次は泊って行ってね。」

最後に女性2人からホホにキスをされている拓の顔はデレデレだ。
傍目から見ていると、この顔で何故泊らないのかと不思議に思ってしまうほどデレていた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

騎士団長のお抱え薬師

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:582pt お気に入り:311

自殺したお飾り皇太子妃は復讐を望む ~二周目の君は変われない~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:184

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:546pt お気に入り:9,828

婚約破棄されたけど前世が伝説の魔法使いだったので楽勝です

sai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:532pt お気に入り:4,190

チートなタブレットを持って快適異世界生活

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:539pt お気に入り:14,298

処理中です...