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038合流
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4日目、歩いていた拓が立ち止まり、崖の上を眺めている。
崖に切れ目が有り、細い獣道が有った。
「もしかして、ここが上に登れる道なの。」
「どうもそうみたい。ガラが降り始めている。
正直、こんな道だとは思わなかった。これは気合を入れて登るしかないかな。足の方は大丈夫?」
「毎日、拓に治癒魔法を掛けてもらっているから問題ないわ。」
「疲れを取るくらい位には効果が有って良かった。」
2人は道なき道を歩き、岩場が有ると拓が先に登り、垂らしてくれるロープを使ってサーシャが登る。
「後ろを見てみなよ。結構高い所まで登って来たよ。少し休もうか。」
川が低い所にある。かなり頑張って登って来た。
水を飲みながら、拓が出したお菓子を食べて一休み。
更に登り続けていると
「拓さ~ん。拓さ~ん。」
ガラの声が聞こえてくる。
「ガラ、ここに居る。」
拓が声を張り上げ答えて少しすると、上の方からガラが駆け寄り
「無事で良かった。本当に良かった。」
がっちりと拓を抱きしめた。
その後から、「お嬢。大丈夫ですか。」とトウ、ジャンがサーシャに駆け寄ってきた。
「心配を掛けてごめんなさい。拓のお陰で私は大丈夫。安心して。」
サーシャを見て少しは落ち着いてくれた。
皆の様子を聞くと、バンは状況を説明に町に戻り、他の皆は上で待機している。
クリスティーヌやユンクも降りて来ようとしたが、道が険し過ぎるとヘルガに止められているらしい。
何とか上まで登りきると、
「サーシャ、拓、無事でよかった。」
「あんな所から落ちて、無事に帰って来れるなんて信じられないよ。」
クリスティーヌとユンクが泣いてしまい、しがみつくクリスティーヌが落ち着くまでサーシャは身動きも取れなかった。
2人が落ち着くと
「サーシャ様、護衛としてついて居ながら、危険な目に合わせて申し訳有りません。
拓も危険な目に合わせて申し訳なかった。サーシャ様を助けてくれて本当にありがとう。」
ヘルガが片膝をつき、頭を下げている。その後ろでトウ、ジャンも同じ様に頭を下げる。
「皆、頭を上げて。私は大丈夫だから。
崖の下を歩いている間も危険な事は何も無かったから。
救助に来てくれてありがとう。」
暫く、皆で再会を喜んだ。
皆が落ち着くと、
「拓、あの崖から落ちて、どうやって怪我も無く助かったんだ。」
ヘルガが質問をする。それは、サーシャも疑問に思い、拓に聞いてみたが笑って誤魔化されていた事だった。
「崖の下から強い風が吹いたみたいです。
その風で落下速度が落ちて、木の枝がクッションになって助かったみたいですね。」
嘘だ。木の枝がクッションになったのなら、サーシャに傷もなく服も汚れていないのは可笑しい。
皆も同じことを考えたみたいだが、そのことを指摘する人は居なかった。
ヘルガも「本当に無事でよかった」と言うだけで、それ以上は追及しなかった。
崖に切れ目が有り、細い獣道が有った。
「もしかして、ここが上に登れる道なの。」
「どうもそうみたい。ガラが降り始めている。
正直、こんな道だとは思わなかった。これは気合を入れて登るしかないかな。足の方は大丈夫?」
「毎日、拓に治癒魔法を掛けてもらっているから問題ないわ。」
「疲れを取るくらい位には効果が有って良かった。」
2人は道なき道を歩き、岩場が有ると拓が先に登り、垂らしてくれるロープを使ってサーシャが登る。
「後ろを見てみなよ。結構高い所まで登って来たよ。少し休もうか。」
川が低い所にある。かなり頑張って登って来た。
水を飲みながら、拓が出したお菓子を食べて一休み。
更に登り続けていると
「拓さ~ん。拓さ~ん。」
ガラの声が聞こえてくる。
「ガラ、ここに居る。」
拓が声を張り上げ答えて少しすると、上の方からガラが駆け寄り
「無事で良かった。本当に良かった。」
がっちりと拓を抱きしめた。
その後から、「お嬢。大丈夫ですか。」とトウ、ジャンがサーシャに駆け寄ってきた。
「心配を掛けてごめんなさい。拓のお陰で私は大丈夫。安心して。」
サーシャを見て少しは落ち着いてくれた。
皆の様子を聞くと、バンは状況を説明に町に戻り、他の皆は上で待機している。
クリスティーヌやユンクも降りて来ようとしたが、道が険し過ぎるとヘルガに止められているらしい。
何とか上まで登りきると、
「サーシャ、拓、無事でよかった。」
「あんな所から落ちて、無事に帰って来れるなんて信じられないよ。」
クリスティーヌとユンクが泣いてしまい、しがみつくクリスティーヌが落ち着くまでサーシャは身動きも取れなかった。
2人が落ち着くと
「サーシャ様、護衛としてついて居ながら、危険な目に合わせて申し訳有りません。
拓も危険な目に合わせて申し訳なかった。サーシャ様を助けてくれて本当にありがとう。」
ヘルガが片膝をつき、頭を下げている。その後ろでトウ、ジャンも同じ様に頭を下げる。
「皆、頭を上げて。私は大丈夫だから。
崖の下を歩いている間も危険な事は何も無かったから。
救助に来てくれてありがとう。」
暫く、皆で再会を喜んだ。
皆が落ち着くと、
「拓、あの崖から落ちて、どうやって怪我も無く助かったんだ。」
ヘルガが質問をする。それは、サーシャも疑問に思い、拓に聞いてみたが笑って誤魔化されていた事だった。
「崖の下から強い風が吹いたみたいです。
その風で落下速度が落ちて、木の枝がクッションになって助かったみたいですね。」
嘘だ。木の枝がクッションになったのなら、サーシャに傷もなく服も汚れていないのは可笑しい。
皆も同じことを考えたみたいだが、そのことを指摘する人は居なかった。
ヘルガも「本当に無事でよかった」と言うだけで、それ以上は追及しなかった。
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