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013冒険者

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次の日、さっそくトウ、バン、ジャンの3人で拓を町案内をする。
先ずは、ギルド会館。
屋敷の庭に住むが、拓が自立するなら身分証明書が有った方が良い。

「随分と立派な建物なんだね。」

拓が驚くのも無理は無い。
ギルド会館はいざという時の退避場所としても使われるために頑丈に作られている上
冒険者達に睨みを利かせるために、重厚な門構えになっている。
拓が見上げているので、少し待ってから中に入った。

ギルド会館の中は、会議室や訓練場、冒険者の為の宿や食事をする場所まで用意されている。
この時間は冒険者は依頼を受けて外に出て行っているのでホールは閑散としていた。

「すみません、彼を冒険者として登録をしたいのですが。」

トウが受付の女性に用件を話すと

「分かりました。こちらの用紙に記入をお願いします。」

拓が登録用紙に必要事項を記載する。

「拓様ですね。魔道師にチェックが入っていますが合っていますか?」

拓が頷くのを確認すると、水晶の玉を取り出した。

「では、こちらで魔力量を測らせてもらいますので、手を乗せてください。」

ギルドに登録する魔道師は魔力の測定をする決まりになっている。
手を乗せた水晶が光り始めた。
トウ、バン、ジャンは拓なら上級魔道師かと期待していたが

「ありがとうございます。拓様は初級魔道師ですね。」

判定は初級魔道師。思わずバンが

「本当か。せめて中級魔道師じゃないのか?」

と口を挟んだが

「残念ですが、中級魔道師のレベルには達していません。
 ですが、初級魔道師と言っても、上のレベルですよ。」

もう一度測定してもらったが、判定は変わらなかった。

「拓なら上級魔道師も有り得るかと思ったんだがな。」

バンの言葉を聞いて、当の本人は「まさか」と苦笑い。
あれだけ複数の属性魔法を使いこなして、ヘルガが認めるだけの魔道師なら上級魔道師ではないかと思っていたのだが…
出来上がったギルドカードに拓の血を垂らして、他の人間がカードを使えないように魔法を掛け無事に登録が終了した。
後は依頼の受け方や報酬の支払い方などの説明を受けてギルド会館を後にする。

「しかし、冒険者のランクってAとSしか無いのか。」

「拓、それはどういう事だ。」

ランクは実力を認められた冒険者にだけ付けられる称号の様なものだ。

「もっと細かく分類されて、ランク毎に受けられる依頼が分かれているのかと。」

「いやいや、ギルドカードは他の国でも共通だからな。
 そんな風に分類しても管理が出来ないだろう。

「そこは古代の魔道具や秘術が有るのかと…現実はそんなものか。」

拓は納得したようだが、残念がっているようにも見える。

「どの依頼を受けるかは自己責任だ。
 その分、依頼が達成できなかった時の罰金は高いから気をつけてな。」

冒険者の事は当たり前だと思っていたが、知らない人も居る事に3人は考えを改めていた。
ただ、拓の様な発想は特別だと思うが…。
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