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最強ネクロマンサー、超絶ホワイトな魔王軍にスカウトされる
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「これからどうしようかな…」
考えてみればここは魔王の幹部の城、モンスターたちがあふれている巣窟だ。僕自身には大した戦闘能力がないし、手持ちのアンデッドだけでは、この魔王城から安全に帰ることすら難しい。
とりあえずアンデッドの小鳥のピヨに先を偵察させながら、慎重に進んではいるが。最悪の場合、僕はここで死んでしまうかもしれない。
そんな悲観的な考えが胸をよぎった時、突然目の前に、黒い騎士風の鎧を着た、きれいな女の人が現れた。僕たちと同じようにディアボロスを倒しに来た冒険者だろうか?
「君は確か・・・【クロスオブゴッド】のネクロマンサーのシオンだったか。あの三人のアンデッドが傍にいないということはディアボロスと相打ちになったのか?」
あのアンデッド三人? なんのこといってるんだろう。まぁ、いいか。
「いやぁ、実はさっき追い出されちゃったところで、今はフリーなんだよね」
「あのパーティーを追い出されただと?なんの冗談だ?」
「冗談じゃないけど…」
「自分のアンデッドから追い出されるネクロマンサーなどいるはずがないだろう」
「え?どういうこと?何言ってるのかわからないんだけど」
「・・・私には君が言っていること方がよくわからない。あの勇者、魔法使い、騎士のアンデッドを使って君はネクロマンサーとして一人でパーティーを作っていたのではないのか」
「どういうこと?どうみてもあの三人は生きてるでしょ。アンデッドならもうちょっと見た目が死人っぽいというか…」
「そうだな、普通のネクロマンサーならあそこまでアンデッドを生前の状態のまま保つのは不可能だ…さらに、あの三人のアンデッドのポテンシャルはせいぜいCランク冒険者がいいところ。そんな素材を使ってSランク冒険者パーティー並みの力を出させる貴様はネクロマンサーとして規格外だ。だからこそ魔王軍では君を脅威として認識しているのだ」
「あの三人がCランク冒険者?僕が魔王軍の脅威?」
確かに、あの3人は僕が仲間になる前はもともとはCランク冒険者だったけど・・・僕がパーティーに加入して初めての冒険のときになぜかすでにSランク級冒険者の力を持っていた。あの三人は死の危機を乗り越えた大きな冒険をきっかけに成長したって言ってたけど。
それが、僕の力だったってことなのか?
「なんだその唖然とした顔は…まさかあの三人のアンデッドを無意識にアンデッドにしていたのか?」
「もしもあなたの言ってる通りあの三人が僕のアンデッドだとしたらそういうことになります…でもまさか…」
確かに、昔から傷ついた小鳥を助けたつもりが、実はすでに死んでいて、僕の魔力によってアンデッドになっていただけだった…なんて経験はあった。実際ピヨちゃんもそれで契約したんだ。
でも…でもまさか!あの三人もそうだったなんて…。そりゃ確かに初めて会ったときは相当な重傷で手持ちの回復薬とかを全部使いきって、なんとか助けられたのかなって思ってたのに。まさか…アンデッドになってたのか。
どうりでヒールも痛がるはずだよ。
「ふむ、なるほど。つまり、君は戦力になるアンデッドを傍においていないということか、これは好都合だな。楽に任務をこなせそうだ」
「任務?」
「あぁ、…選べネクロマンサーのシオンよ。ここで死ぬか、我らの仲間になるか」
「…ここで死ぬか、仲間になるか?」
「ちなみに仲間になった場合、君には幹部待遇が約束されている」
「魔王軍の幹部!?」
「幹部待遇に関して、簡単に説明してやろう。まず月給だが、基本給は500万エン、別途成果によって支給される。君の能力ならおそらく1000万エンぐらいは稼げるだろう。で、週休完全三日制だ。これは土日と別に好きな曜日を自身で決めてもらう。労働時間は完全フレックス制で一日6時間残業はなし。魔王城には君の専属のシェフとメイドが君のために用意される。どちらも君に配慮して、人間と見た目が近い亜人を用意している」
「あの三人とパーティーしてた時は僕のパーティーでの取り分は月に手取りで15万エンぐらいだったのに…休みなしで毎日の寝るとき以外はずっと洗濯とか掃除とかお使いの雑用やらなきゃいけなかったのに…いくらなんでも条件が良すぎるよ、嘘でしょ?」
「嘘などつく必要がない。君ほどのネクロマンサーを仲間に引き入れるなら、当然の条件だ。むしろ、ある程度条件の上乗せをしてもいいといわれてきている」
「なります!!」
「ん?」
「仲間になります!!ならせてください!!」
こうして、僕は魔王軍に幹部として入ることになったのだった。
考えてみればここは魔王の幹部の城、モンスターたちがあふれている巣窟だ。僕自身には大した戦闘能力がないし、手持ちのアンデッドだけでは、この魔王城から安全に帰ることすら難しい。
とりあえずアンデッドの小鳥のピヨに先を偵察させながら、慎重に進んではいるが。最悪の場合、僕はここで死んでしまうかもしれない。
そんな悲観的な考えが胸をよぎった時、突然目の前に、黒い騎士風の鎧を着た、きれいな女の人が現れた。僕たちと同じようにディアボロスを倒しに来た冒険者だろうか?
「君は確か・・・【クロスオブゴッド】のネクロマンサーのシオンだったか。あの三人のアンデッドが傍にいないということはディアボロスと相打ちになったのか?」
あのアンデッド三人? なんのこといってるんだろう。まぁ、いいか。
「いやぁ、実はさっき追い出されちゃったところで、今はフリーなんだよね」
「あのパーティーを追い出されただと?なんの冗談だ?」
「冗談じゃないけど…」
「自分のアンデッドから追い出されるネクロマンサーなどいるはずがないだろう」
「え?どういうこと?何言ってるのかわからないんだけど」
「・・・私には君が言っていること方がよくわからない。あの勇者、魔法使い、騎士のアンデッドを使って君はネクロマンサーとして一人でパーティーを作っていたのではないのか」
「どういうこと?どうみてもあの三人は生きてるでしょ。アンデッドならもうちょっと見た目が死人っぽいというか…」
「そうだな、普通のネクロマンサーならあそこまでアンデッドを生前の状態のまま保つのは不可能だ…さらに、あの三人のアンデッドのポテンシャルはせいぜいCランク冒険者がいいところ。そんな素材を使ってSランク冒険者パーティー並みの力を出させる貴様はネクロマンサーとして規格外だ。だからこそ魔王軍では君を脅威として認識しているのだ」
「あの三人がCランク冒険者?僕が魔王軍の脅威?」
確かに、あの3人は僕が仲間になる前はもともとはCランク冒険者だったけど・・・僕がパーティーに加入して初めての冒険のときになぜかすでにSランク級冒険者の力を持っていた。あの三人は死の危機を乗り越えた大きな冒険をきっかけに成長したって言ってたけど。
それが、僕の力だったってことなのか?
「なんだその唖然とした顔は…まさかあの三人のアンデッドを無意識にアンデッドにしていたのか?」
「もしもあなたの言ってる通りあの三人が僕のアンデッドだとしたらそういうことになります…でもまさか…」
確かに、昔から傷ついた小鳥を助けたつもりが、実はすでに死んでいて、僕の魔力によってアンデッドになっていただけだった…なんて経験はあった。実際ピヨちゃんもそれで契約したんだ。
でも…でもまさか!あの三人もそうだったなんて…。そりゃ確かに初めて会ったときは相当な重傷で手持ちの回復薬とかを全部使いきって、なんとか助けられたのかなって思ってたのに。まさか…アンデッドになってたのか。
どうりでヒールも痛がるはずだよ。
「ふむ、なるほど。つまり、君は戦力になるアンデッドを傍においていないということか、これは好都合だな。楽に任務をこなせそうだ」
「任務?」
「あぁ、…選べネクロマンサーのシオンよ。ここで死ぬか、我らの仲間になるか」
「…ここで死ぬか、仲間になるか?」
「ちなみに仲間になった場合、君には幹部待遇が約束されている」
「魔王軍の幹部!?」
「幹部待遇に関して、簡単に説明してやろう。まず月給だが、基本給は500万エン、別途成果によって支給される。君の能力ならおそらく1000万エンぐらいは稼げるだろう。で、週休完全三日制だ。これは土日と別に好きな曜日を自身で決めてもらう。労働時間は完全フレックス制で一日6時間残業はなし。魔王城には君の専属のシェフとメイドが君のために用意される。どちらも君に配慮して、人間と見た目が近い亜人を用意している」
「あの三人とパーティーしてた時は僕のパーティーでの取り分は月に手取りで15万エンぐらいだったのに…休みなしで毎日の寝るとき以外はずっと洗濯とか掃除とかお使いの雑用やらなきゃいけなかったのに…いくらなんでも条件が良すぎるよ、嘘でしょ?」
「嘘などつく必要がない。君ほどのネクロマンサーを仲間に引き入れるなら、当然の条件だ。むしろ、ある程度条件の上乗せをしてもいいといわれてきている」
「なります!!」
「ん?」
「仲間になります!!ならせてください!!」
こうして、僕は魔王軍に幹部として入ることになったのだった。
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