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Episode03:I don't like you
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羽田空港と併設しているホテルに泊まって、次の日の早朝に、アメリカのロサンゼルスに出発した。
その後、ジャンから連絡はない。
怒っているのだろう。
もしかしたら、呆れているのかもしれない。
一晩寝て、頭を冷やしてから自己嫌悪の嵐だった。
きっと、ロサンゼルスから戻った時には、婚約破棄された上に、絹江やロメーヌから非難されるに違いない。
なんてことをしてしまったのだろうか。
「……最悪」
コンビニで購入したカフェオレをストローで吸いながら、ジャンの淹れてくれたコーヒーの方が美味しかったななど思い返してしまう。
搭乗のアナウンスが鳴り響き、スマートフォンのWi-Fi接続を機内モードに変更する。
ビジネスクラスの座席に座り、配布された毛布にくるまった。
座席の前についている小さなモニターで、映画を選択する。
先日一緒に映画を選んでいる時に、ジャンが面白いと教えてくれた映画だった。
映画に罪はないと、萌衣はその映画の再生ボタンを押した。
九十年代にヒットしたロマンスコメディの映画だった。
萌衣の興味に合わせて選んでくれたのだろう。
恋に仕事にうまくいかない平凡な女性が、さまざまなタイプの男性と触れ合いながら自分の人生を見つめなおすという映画だった。
まるで今の萌衣を反映しているようで、思い切り感情移入して泣きとおした後、萌衣は座席を倒して眠りこけた。
昨晩は、色々と考えすぎて眠れなかったのだ。
飛行機に乗ってから、八時間以上が経った頃、ようやく太平洋の海が途切れて陸地が見え始める。
リクライニング式の椅子を起こして、キャビンアテンダントのスタッフに飲み物を一杯頼んだ。
実際の映画やドラマに出てくるキャリアウーマンは、スマートにコーヒーを持ちながら席に座っているというのに、スッピンでごわごわになった髪の毛を手櫛で整える情けなさだ。
現実は世知辛い。
空港に到着して、入国審査を終わらす。
ロサンゼルス国際空港は、アメリカ合衆国カルフォルニア州ロサンゼルス市にある国際空港だ。
既に夜なのにも関わらず、空港はたくさんの人で賑わっている。
TOMOKAとの待ち合わせは明日の昼なので、少し観光がてら街を歩いたり、買い物をしたりする時間もあるはずだ。
荷物は滞在する日数も少なかったので、仕事用の小さな鞄と、斜めがけの鞄の二つしか持ってきていない。
荷物が少なければ、機内に持ち込むことができるからだ。
空港でキャリーバッグを待つ時間は省略できた。
日本の湿気のある夏と比べ、乾いた風が気持ちがよい。
同じ温度だとしても、過ごしやすさは別物だ。
スマートフォンの電源を入れて、空港のWi-Fiを繋げると、一気にメッセージが入ってくる。
その中にジャンの名前を見つけて、ドキッとする。
何が書いてあるのか緊張しながら画面をタップすると「TOMOKAさんの土産は指定したURLのガトーショコラを持って行ってください」とだけ書かれていた。
メッセージの下に記載されているURLには、ロサンゼルス市内にある有名なショコラティエの店と地図まで、ご丁寧に載っている。
「あなたが帰国するのを、待っています」と書かれていたメッセージが、最初に送られてきたメッセージから数時間後に送信されていることに気が付いた。
ジャンは怒っていなかったのだと安堵すると同時に、時間差で送ってきたジャンの不器用なメッセージに、萌衣は思わず笑ってしまうのだった。
その後、ジャンから連絡はない。
怒っているのだろう。
もしかしたら、呆れているのかもしれない。
一晩寝て、頭を冷やしてから自己嫌悪の嵐だった。
きっと、ロサンゼルスから戻った時には、婚約破棄された上に、絹江やロメーヌから非難されるに違いない。
なんてことをしてしまったのだろうか。
「……最悪」
コンビニで購入したカフェオレをストローで吸いながら、ジャンの淹れてくれたコーヒーの方が美味しかったななど思い返してしまう。
搭乗のアナウンスが鳴り響き、スマートフォンのWi-Fi接続を機内モードに変更する。
ビジネスクラスの座席に座り、配布された毛布にくるまった。
座席の前についている小さなモニターで、映画を選択する。
先日一緒に映画を選んでいる時に、ジャンが面白いと教えてくれた映画だった。
映画に罪はないと、萌衣はその映画の再生ボタンを押した。
九十年代にヒットしたロマンスコメディの映画だった。
萌衣の興味に合わせて選んでくれたのだろう。
恋に仕事にうまくいかない平凡な女性が、さまざまなタイプの男性と触れ合いながら自分の人生を見つめなおすという映画だった。
まるで今の萌衣を反映しているようで、思い切り感情移入して泣きとおした後、萌衣は座席を倒して眠りこけた。
昨晩は、色々と考えすぎて眠れなかったのだ。
飛行機に乗ってから、八時間以上が経った頃、ようやく太平洋の海が途切れて陸地が見え始める。
リクライニング式の椅子を起こして、キャビンアテンダントのスタッフに飲み物を一杯頼んだ。
実際の映画やドラマに出てくるキャリアウーマンは、スマートにコーヒーを持ちながら席に座っているというのに、スッピンでごわごわになった髪の毛を手櫛で整える情けなさだ。
現実は世知辛い。
空港に到着して、入国審査を終わらす。
ロサンゼルス国際空港は、アメリカ合衆国カルフォルニア州ロサンゼルス市にある国際空港だ。
既に夜なのにも関わらず、空港はたくさんの人で賑わっている。
TOMOKAとの待ち合わせは明日の昼なので、少し観光がてら街を歩いたり、買い物をしたりする時間もあるはずだ。
荷物は滞在する日数も少なかったので、仕事用の小さな鞄と、斜めがけの鞄の二つしか持ってきていない。
荷物が少なければ、機内に持ち込むことができるからだ。
空港でキャリーバッグを待つ時間は省略できた。
日本の湿気のある夏と比べ、乾いた風が気持ちがよい。
同じ温度だとしても、過ごしやすさは別物だ。
スマートフォンの電源を入れて、空港のWi-Fiを繋げると、一気にメッセージが入ってくる。
その中にジャンの名前を見つけて、ドキッとする。
何が書いてあるのか緊張しながら画面をタップすると「TOMOKAさんの土産は指定したURLのガトーショコラを持って行ってください」とだけ書かれていた。
メッセージの下に記載されているURLには、ロサンゼルス市内にある有名なショコラティエの店と地図まで、ご丁寧に載っている。
「あなたが帰国するのを、待っています」と書かれていたメッセージが、最初に送られてきたメッセージから数時間後に送信されていることに気が付いた。
ジャンは怒っていなかったのだと安堵すると同時に、時間差で送ってきたジャンの不器用なメッセージに、萌衣は思わず笑ってしまうのだった。
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