工場長だけどベルトコンベアに乗ってたら異世界に着いた

たぬ吉

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おじさんには服に着られるとかいう概念がわからんよ Aパート

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ベルトコンベアーを抜けると○○だった・・・


「工場長、第一投下ラインでカメパンのホイップの出が不安定なんですが」
「そうか、ちょっとコンベアとめて点検してみるから」
「はい、止めまーす」

お菓子工場に勤めて25年、俺は工場長になった
このあいだはひどい目にあった、俺はイレギュラーが大嫌いだ
俺が今日を守るためにいかに苦労してるか
平穏を守ることの難しさは誰よりも知っているつもりだ

「ちょっと時間かかりそうだからしばらく止めといてー」
「はーい伝えてきまーす」

信頼するパートの小清水さんに伝達を頼む
前回みたいに万が一の事態にそなえて心構えはしておく

「あら小清水さん、どこにいくの?」
「カメパンラインのホイップの出が悪くね、工場長がいま点検してるんだけど
時間かかりそうだからしばらく止めておいてもらうよう操作盤の人に伝えていくの」
「あらそうなの、ところでこの間の運動会どうだった?」
「それがね、うちの子全力疾走で一等賞よ」
「さすが小清水さんの息子さんねぇ~」
「あら小清水さんに山口さん、なんの話し?」
「あ、水元さん聞いて聞いて小清水さんの息子さん運動会で全速力で一等賞だったんだって」
「そうなんだー大地くんすごいわね」
「あら水元さんに小清水さんに山口さんなんの話?」
「宇田川さん、聞いてよ~大地くんが全速力で一等とったんだって」
「大地が一等かー全速力で動いてたのねぇ」
ペチャクチャペチャクチャ・・・

「ところで小清水さん、操作盤のほうに私用事あるから代わりにいってきてあげる」
「ありがとう山口さん」

「操作盤の人ー第一投下ライン全速力で動かしてー」
「はーい了解でーす」

うーむ・・・ホイップ噴出するとこが詰まってるのかな
まだ時間がかかりそうだ・・・

ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン!!
「うおっ!ものすごい速さでベルトコンベアーが動き出した!」

ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン!!
緊急離だ・・・!ダメっ!間に合わない!
カメパンの甲羅の模様をつけるぐるぐる回る棒に服が引っかかった!

ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン!!
ビリビリビリビリィィィッ!!
「ちょ!服やぶけてく!ぐるぐる回る棒が次々と俺の服を引き裂いてゆくよ!?」

ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン!!
ウィィィ・・・プシュッー!ウィィィ・・・プシュッー!
(ホイップゾーンに来た!全裸の工場長にホイップをトッピングするつもりだ!
痛くはないけど・・・痛くはないけどこのままだと全裸クリーム工場長として一生十字架を背負いながら働かないといけなくなる!)

くっ!次々と噴出されるホイップが俺の全身を白く染め上げる!
そしてもう出口だ・・・終わる・・・普通の工場長としての俺のアイデンティティが崩壊するっ!

あ、あれ?ベルトコンベアーから出たのに周囲に誰もいない・・・助かったのか?

「ようこそ我輩の城へ」

城・・・?またどこか違う場所に飛ばされたのか?
「すいません、ここどこですか?」

「ここは我輩クッパ大王の城だ」

ベルトコンベアーを抜けるとクッパ城だった・・・
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