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二人の自分
二人の自分
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ある30代前後の女性の話。仕事が、毎日忙しく、休みの日も、仕事の電話がたくさんかかってくるほど休む暇がない状態だった。しかし、給料はとても良かった為文句は言えなかった。
ある日、いつも通りに仕事場に行く途中、見た事がない料理店があった。その店は、たくさんのランプが外にあり、店の名前は{未来予兆}だった。聞いたことがない店のため、大手の企業ではない事がわかった。
また、最近できた店ではないと思った。そこは、空き地だったからだ。
その時、仕事場から電話が鳴った。上司からだった。
「あ、〇〇さんお願いがある。今日、午後から来てくれないか?こっちの事情で。」
いつも、相手の言いなりだ。でも、しょうがない。時間が空いた。女は、気になっていたその店に入った。ここで、時間潰せるだろう。
「いらっしゃいませ」
40歳ぐらいの女主人が出てきた。
中にはその女主人以外、誰もいなかった。
女は、一番端の窓側の席に座った。そこはテーブル席。
すぐに、水が運ばれてきた。とても澄んで、冷たくて美味しかった。メニューを見た。その時、一番気になるメニューが、一つ目に入った。
「運命を信じる人のみ、そして、その運命に従う人のみ、食べてもらいたい。そんな料理です。」
不思議なことに、値段が書いてなかった。ぼったくりに合うのだろうか。そんな心配があったが、構わなかった。なぜか、すごく興味津々だった。こんなにワクワクするのは久しぶりだ。
そんな気持ちで注文した。女主人は、少し微笑んだように感じた。
5分しか経っていないのに、すぐに料理が運ばれてきた。
運ばれてきたのは、冷やし中華だった。デザートとしてアイスもあった。今は、春なのにもうやっているのか、と思いつつも箸を掴んだ。
まず、冷やし中華から食べた。なぜ、海苔が二枚、しかもそれが二人の人型になっている。これに女は気になった。
聞いてみようとキッチンに目を向けた時、いつの間にかそのテーブルに女主人がいたのだった。
「これはこれは。貴方は少し、気をつけなければならないようです。この海苔は、二人の貴方を示しています。つまり、ドッペルゲンガー。
明日、知らない人から電話が三時四十四分にかかってくると思います。でも、相手は要求してきません。むしろ、貴方の命令をしっかり受け入れてくれます。ここで、貴方はそのドッペルゲンガーを利用するかしないかは貴方しだいです。」
意味が分からなかった。本当にドッペルゲンガーがいるのか、またそれが本当に起こるのか。
「しかし一つ、注意して欲しいことがあります。相手の言う注意事項をしっかり聞いてください。そして…、相手はドッペルゲンガーです。絶対、会ってはなりません。どんな事があっても。」
そう言って女主人は、微笑んで、キッチンへ戻った。
女性は、普通はそんな話信じられないのだが、なぜか信じてみようと思った。
デザートは、甘酸っぱく美味しかった。最後の一口、スプーンを口の中に入れた。
すると眠気が急に襲ってきて、目を閉じてしまった。
気がついたら、家で寝ていた。しかし、さっきの出来事は本当であると思った。なぜなら、口の中にあのデザートの甘さが残っていた。バニラの風味が。
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いつも、相手の言いなりだ。でも、しょうがない。時間が空いた。女は、気になっていたその店に入った。ここで、時間潰せるだろう。
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不思議なことに、値段が書いてなかった。ぼったくりに合うのだろうか。そんな心配があったが、構わなかった。なぜか、すごく興味津々だった。こんなにワクワクするのは久しぶりだ。
そんな気持ちで注文した。女主人は、少し微笑んだように感じた。
5分しか経っていないのに、すぐに料理が運ばれてきた。
運ばれてきたのは、冷やし中華だった。デザートとしてアイスもあった。今は、春なのにもうやっているのか、と思いつつも箸を掴んだ。
まず、冷やし中華から食べた。なぜ、海苔が二枚、しかもそれが二人の人型になっている。これに女は気になった。
聞いてみようとキッチンに目を向けた時、いつの間にかそのテーブルに女主人がいたのだった。
「これはこれは。貴方は少し、気をつけなければならないようです。この海苔は、二人の貴方を示しています。つまり、ドッペルゲンガー。
明日、知らない人から電話が三時四十四分にかかってくると思います。でも、相手は要求してきません。むしろ、貴方の命令をしっかり受け入れてくれます。ここで、貴方はそのドッペルゲンガーを利用するかしないかは貴方しだいです。」
意味が分からなかった。本当にドッペルゲンガーがいるのか、またそれが本当に起こるのか。
「しかし一つ、注意して欲しいことがあります。相手の言う注意事項をしっかり聞いてください。そして…、相手はドッペルゲンガーです。絶対、会ってはなりません。どんな事があっても。」
そう言って女主人は、微笑んで、キッチンへ戻った。
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デザートは、甘酸っぱく美味しかった。最後の一口、スプーンを口の中に入れた。
すると眠気が急に襲ってきて、目を閉じてしまった。
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