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男の子
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「ひなじゃン。ここで何してるの?」
「竹田?」
部活が同じ、仲のいい竹田だった。
「あんたこそ。何しに来たの?」
邪魔が入り、少しイラッとした。
「ここの近く、僕の家だから。」
公園のフェンスによりかかり、そう答えた。まやは竹田を知っている。
「え、マジで?」
まやは、そう答えた。
「行ってみたい。」
「まや、、」
ひなは、興味はなかったが。まやが興味を示していた。しょうがなかった。
「来いよ。」
鞄に宿題を片付け、竹田のあとを追いかけた。
その家は、公園と殆ど距離はなかった。派手ではなかったが、立派な一軒家だった。
「親は家にいない。から、あがっていいよ。」
「ありがとう。」
家にお邪魔する予定はなかったが、まやは入ってしまった。
「はぁ、、」
男の家に入るのは、初めてだった。だから、何を言われるか怖かった。
革靴が三足、玄関にある。しかしもう他の靴を置くことはできなかった。
「ここが竹田の部屋?」
「そう。」
案内されたのは、竹田の部屋だった。シンプルで、ポスターやオシャレなものなど一つもなかった。想像できない程、地味だった。
しかし、自分も人の事言えないのだった。女なのに、オシャレなものがほぼなく、かわいいものはぬいぐるみ一つだけだった。服もそんな良くない。
「これ何?」
ひなは、一つ気になる物を見つけた。青いガラスの鉱石だった。
「これ、山に行ったとき、見つけたんだ。僕さ、他の人みたいにカラオケとかオシャレな場所に行かないんだ。それよりも、山とか落ち着いた場所が好きでね。」
「あ、私達もなんだ。」
まやは、そう興奮して言った。身近に趣味のあう人がいるとは…。
「他にも、いろんな石あるよ。みる?」
「見たい。見たい。」
まやは、子供のようにはしゃいでいた。こうなれば、止める理由もない。
「変わり者だって言われない?」
恐る恐る聞いてみた。
「言われるよ。それに遊びにも誘われないし。あいつらはいつも街中で遊んでる。
最近はみんなスマホとかインターネットを見るでしょ?そんな光景が好きじゃなくて、昔みたいに情報だけじゃなく、いろんなものに触れて、感じてほしいと思って。
少しの時間があればやっぱりスマホとかだし、なんか悲しいよね。」
「なんか、昔知ってる人みたい。」
まやは笑っていた。でも内心は、共感していたようだった。
「目だけの感じ方が多くなったよね。」
竹田は、
「本当にそう。古典のように、何気ない風景を感じる事はなくなった気がする。」
そう答えた。
すると、三人は妙な感じ方に襲われた。何だか頭がクラクラする。それに身体がダルい。吐きそう。
まやは倒れた。次に竹田が倒れた。間もなくして、私も倒れた。薄れゆく意識の中で、不思議にあの鉱石が青く輝いていた。
「竹田?」
部活が同じ、仲のいい竹田だった。
「あんたこそ。何しに来たの?」
邪魔が入り、少しイラッとした。
「ここの近く、僕の家だから。」
公園のフェンスによりかかり、そう答えた。まやは竹田を知っている。
「え、マジで?」
まやは、そう答えた。
「行ってみたい。」
「まや、、」
ひなは、興味はなかったが。まやが興味を示していた。しょうがなかった。
「来いよ。」
鞄に宿題を片付け、竹田のあとを追いかけた。
その家は、公園と殆ど距離はなかった。派手ではなかったが、立派な一軒家だった。
「親は家にいない。から、あがっていいよ。」
「ありがとう。」
家にお邪魔する予定はなかったが、まやは入ってしまった。
「はぁ、、」
男の家に入るのは、初めてだった。だから、何を言われるか怖かった。
革靴が三足、玄関にある。しかしもう他の靴を置くことはできなかった。
「ここが竹田の部屋?」
「そう。」
案内されたのは、竹田の部屋だった。シンプルで、ポスターやオシャレなものなど一つもなかった。想像できない程、地味だった。
しかし、自分も人の事言えないのだった。女なのに、オシャレなものがほぼなく、かわいいものはぬいぐるみ一つだけだった。服もそんな良くない。
「これ何?」
ひなは、一つ気になる物を見つけた。青いガラスの鉱石だった。
「これ、山に行ったとき、見つけたんだ。僕さ、他の人みたいにカラオケとかオシャレな場所に行かないんだ。それよりも、山とか落ち着いた場所が好きでね。」
「あ、私達もなんだ。」
まやは、そう興奮して言った。身近に趣味のあう人がいるとは…。
「他にも、いろんな石あるよ。みる?」
「見たい。見たい。」
まやは、子供のようにはしゃいでいた。こうなれば、止める理由もない。
「変わり者だって言われない?」
恐る恐る聞いてみた。
「言われるよ。それに遊びにも誘われないし。あいつらはいつも街中で遊んでる。
最近はみんなスマホとかインターネットを見るでしょ?そんな光景が好きじゃなくて、昔みたいに情報だけじゃなく、いろんなものに触れて、感じてほしいと思って。
少しの時間があればやっぱりスマホとかだし、なんか悲しいよね。」
「なんか、昔知ってる人みたい。」
まやは笑っていた。でも内心は、共感していたようだった。
「目だけの感じ方が多くなったよね。」
竹田は、
「本当にそう。古典のように、何気ない風景を感じる事はなくなった気がする。」
そう答えた。
すると、三人は妙な感じ方に襲われた。何だか頭がクラクラする。それに身体がダルい。吐きそう。
まやは倒れた。次に竹田が倒れた。間もなくして、私も倒れた。薄れゆく意識の中で、不思議にあの鉱石が青く輝いていた。
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