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2第目、生活
便利な国
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「ここはどこ?」
見慣れない部屋で、フカフカなベッドの上で羅針は寝ていた。
空は青く、堅く閉ざされていた窓から光が漏れていた。壁は、石のような感覚で冷たかった。
そういう風景を目の前にし、羅針は混乱していた。すると、扉が横に移動し始めた。どうやら、人がいるらしい。
「あのすみません。ここは?」
先生達かと思った。が、来ている服が違った。
「どうも。はじめまして。」
戦闘系な身体付きの男の人と、ほっそりとした人が、二人入ってきた。
羅針は、ベッドから出られなかった。何をされるのか、分からなかったからだ。
「怖がらなくていい。」
「でも、あんた達子供を攫ったり先生を…。」
「そんなふうに見られるのも、しょうがないのかもしれない。
一回聞いてくれ。」
ほっそりとした人は、優しくそう言った。思っているものとは違っていた。
「私達の目的は、あの子供達だ。あの子供達の中の力なんだ。」
「やっぱり…」
そう話を中断させると、ゴツい人は咳きこんだ。羅針は黙った。
「あの力を使い、私達は科学を発展させていきたいんだ。」
「科学?」
「そう。」
そう言うと、ポケットから一つ何かを取り出した。
「それ、無くしたやつ。」
いつの間にか、バックの中から無くなっていた時計やお金だった。
「これらは、君から奪った。すまない。
でも、これを見ると君の世界は、こことは違い科学が進んでいるんじゃないか。是非、手伝ってほしい。」
すぐには答えられず、黙り込んでしまった。
「もしかしたら、うちへ帰れる装置なんか作れるかもしれないね。」
「地球?」
「まぁ、ゆっくり考えて。その間は基本的に自由にさせる。」
そう言い、部屋に一人羅針は取り残された。
一日、孤独な空間の中でずっと考えていた。
ラッシュは森や山を越え、猛スピードで羅針を迎えに行っていた。
羅針や敵の微かな香りを風から感じ取り、正しい道を進んで行った。
時には川を渡り、崖を駆け下り、一心不乱で向かっていた。
夜になると、羅針の部屋から光は消えた。他の部屋の光も消え、大きな部屋だけ、灯りは灯り続けていた。
その周辺の土地は荒れていた。植物はほぼなく、所々穴や石があった。しかし何かわからないが、パイプなどの人工物が張り巡らされていた。
羅針はそんな技術がこの世界にあるとはまだ知らない。ラッシュもそうだった。
次の日。生き物の声を聞くことなく、羅針は起きた。外からの光は一つの窓から、人の声はドアの向こうからだった。
「朝ごはん。」
そう部屋に、アナウンスが響いた。機械声ではなく人の声だったが。
すると、壁にある扉が上に開いた。その中はベルトコンベアだった。そして、流れるようにご飯が運ばれてきた。
羅針は手に取り、机の上に置いた後、鉄のスプーンを使い食べた。
「美味しくない。」
ラッシュが作ってくれるものとは程遠く、冷たかった。
見慣れない部屋で、フカフカなベッドの上で羅針は寝ていた。
空は青く、堅く閉ざされていた窓から光が漏れていた。壁は、石のような感覚で冷たかった。
そういう風景を目の前にし、羅針は混乱していた。すると、扉が横に移動し始めた。どうやら、人がいるらしい。
「あのすみません。ここは?」
先生達かと思った。が、来ている服が違った。
「どうも。はじめまして。」
戦闘系な身体付きの男の人と、ほっそりとした人が、二人入ってきた。
羅針は、ベッドから出られなかった。何をされるのか、分からなかったからだ。
「怖がらなくていい。」
「でも、あんた達子供を攫ったり先生を…。」
「そんなふうに見られるのも、しょうがないのかもしれない。
一回聞いてくれ。」
ほっそりとした人は、優しくそう言った。思っているものとは違っていた。
「私達の目的は、あの子供達だ。あの子供達の中の力なんだ。」
「やっぱり…」
そう話を中断させると、ゴツい人は咳きこんだ。羅針は黙った。
「あの力を使い、私達は科学を発展させていきたいんだ。」
「科学?」
「そう。」
そう言うと、ポケットから一つ何かを取り出した。
「それ、無くしたやつ。」
いつの間にか、バックの中から無くなっていた時計やお金だった。
「これらは、君から奪った。すまない。
でも、これを見ると君の世界は、こことは違い科学が進んでいるんじゃないか。是非、手伝ってほしい。」
すぐには答えられず、黙り込んでしまった。
「もしかしたら、うちへ帰れる装置なんか作れるかもしれないね。」
「地球?」
「まぁ、ゆっくり考えて。その間は基本的に自由にさせる。」
そう言い、部屋に一人羅針は取り残された。
一日、孤独な空間の中でずっと考えていた。
ラッシュは森や山を越え、猛スピードで羅針を迎えに行っていた。
羅針や敵の微かな香りを風から感じ取り、正しい道を進んで行った。
時には川を渡り、崖を駆け下り、一心不乱で向かっていた。
夜になると、羅針の部屋から光は消えた。他の部屋の光も消え、大きな部屋だけ、灯りは灯り続けていた。
その周辺の土地は荒れていた。植物はほぼなく、所々穴や石があった。しかし何かわからないが、パイプなどの人工物が張り巡らされていた。
羅針はそんな技術がこの世界にあるとはまだ知らない。ラッシュもそうだった。
次の日。生き物の声を聞くことなく、羅針は起きた。外からの光は一つの窓から、人の声はドアの向こうからだった。
「朝ごはん。」
そう部屋に、アナウンスが響いた。機械声ではなく人の声だったが。
すると、壁にある扉が上に開いた。その中はベルトコンベアだった。そして、流れるようにご飯が運ばれてきた。
羅針は手に取り、机の上に置いた後、鉄のスプーンを使い食べた。
「美味しくない。」
ラッシュが作ってくれるものとは程遠く、冷たかった。
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