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1第目、出会い

始まリの生活

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 「大きい学校。」
思わず言ってしまったのは、羅針だった。その学校は、あっちの世界とは違う構造をしていて、複雑だった。迷っても仕方がないぐらいだった。
 その上正門はというと、鉄格子が観音開きになっており、とても大きかった。大体、横幅10メートル、縦20メートルなそうだ。
 羅針達は、正門の前に降りて、子供達はすぐに学校内へと、走り出した。羅針は迷わないかなと心配になったが、この子達は小学2年生ぐらいであり、ラッシュにとって管轄外だったので、後は他の先生に任せるらしい。
 正門の扉は、少し大きな音でガチャっと、ラッシュの右手によって開かれた。羅針は、学校内へと入った。
 入ると、直方体の建物が目の前に立ちふさがった。これは、羅針の世界と同じ構造だった。どうやらこの建物は、一番上級生達の校舎のようだ。中に入ると、羅針にとって見慣れた靴箱の光景が広がっていた。3列ぐらい靴箱が並んでおり、その先の一段上がるとそこは、廊下だった。長さは、あっちの世界と一緒。
 ただ、木造りの廊下とは違い、全部石だった。また、明かりは、火であった。火が浮いて、廊下を照らしていた。おそらく、ラッシュのおかげだろう。
 ラッシュは、羅針を二階の職員室らしき、先生達が集まっている、部屋に連れて行った。ラッシュは、今までのいきさつを話した。たくさんの意見が出た。
「元の世界に帰らすこと出来ないのか?」
「この世界で生きる事になったとき、どうすればいいかな?」
「誰の家に住まそうか。」
先生達は、羅針のこれからの生活を心配をしてくれた。すると、だんだんと決まってきた。
「この子を生徒として、生きてもらおうか。」
「住む場所は…学校の民宿は、人が多すぎて空きがないからなー。でも、ほとんどの先生は、家族がいるからな。うーん。ラッシュの家はどうだ?一人暮らしだったはず。」
 ラッシュは、机の上にあったお茶を立ち飲みしていた。ちょうど、お菓子に手を出しかけていた時、呼ばれたのだ。
「ちょっとなー。女の子を家にあげるのは、始めてだしな。恥ずかしいよ。」
 相変わらず、のほほんとしていた。たぶん、結婚していないのだろう。
 結局、周りの先生の推しが強く、ラッシュの家に決まり、七年生(あちらの世界で言う、中学一年の事)として、とりあえず過ごしてもらうことになった。つまり、あちらの世界で言う、転校というやつだ。これは、本当にドキドキするものだ。知らない人がいきなり現れて、クラスの一員となるので、他の人にとってなんて思われるのか、大体想像はつく。ああ、これは嫌だな。ここで羅針は、人見知りを発動させた。



 
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