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1第目、出会い

1章

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 世の中いろんな事があると思う。困る事、嬉しい事、またまた怖い事。本当に何が起こるかわからない。
 都会の中学校に通う1年生女の子 賀川羅針は、今さっき社会の先生にものすごく怒られたところであった。この女の子。ファンタジー好きであり、その分野では少しうるさかった。また、授業中にも関わらず、妄想するのが好きで、よく先生に質問を聞かれては、聞き返す事がほとんどであった。
「小学校のときなんかは、担任の先生に想像力を褒められたのに、中学校では授業担当の先生がそれぞれいるから、全然話通じねー先生がいるんだよな!本当に先生嫌いだわ」
 少し気が強かったせいか、反抗心というものがより一層強まった。

  ~帰り道の時の事~
 友達といつも通りに本屋などのいろんな店に訪れつつ、帰りを急いだ。
 この時、怒られた事もあり、反抗心からいつも以上に買い込んでしまった。中学生なのに、ゲームセンターも入ってしまった。
(今の中学生は、ゲームセンターに入っていいのかわからないけど…)
 その帰り道、いつもとは違う道を通る事にした羅針と友達は、はしゃぎながら、乾いて少し熱くなったコンクリートの上をトットットットッと歩いた。気分は、晴れ模様だ
 ただ、少し気になる事があった。
 いつもは気にしない、路地裏を見たときだ。
 いつもは、どこにでもあるような先が暗くて、ジメジメした場所だったのにも関わらず、羅針が見たときは、先が明るく、涼しい風がすうっと通るほど、気持ち良かった。
「ちょっと見ていかない?」
 友達は、遊び半分で聞いたが、羅針は本気でファンタジーの世界に入るのではないかという、妄想に入り込んでしまった。
 ただ、友達は塾に行く予定を忘れていた事もあり、そこで別れてしまった。
 羅針は興味津々で、自分の世界に入った
ままであった。
 まだ夏で昼であったので、空は青く、羅針の周りはより一層明るく感じた。
 無意識のまま、期待に心が踊りつつ、入っていった。路地裏も、コンクリートが乾いて、熱くなっていた。
 
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