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パフォーマンス
ネズミは死しても飯を食う
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「いやー!」
ヂュ!
「ぐ…遅かった…」
チーズケーキ
「さすがは元女子プロサッカー選手。足の速さが尋常じゃないな。」
「うっ…うっ…なんでこんなとこにネズミが…」
「衛生面は悪くないはずだ。たまたまどっかから侵入したやつだろう。うちのチーズケーキはねずみおも魅惑するからな。」
「んなこと言ってないで!この血どうしよう~…」
「一匹やられちまったな…」
「ネズミ心配なんて…」
「ネズミも命だ。死ぬなら、意味ある死に方をしてほしかった。」
「店長…」
「靴はこのタオルで拭いておけ。それ食べたら一回ここ封鎖する。掃除のためにな。」
「わかった…」
「なんならお持ち帰りでもいいぞ。」
「それはいいわ。ここで食べるからいい気がするの。」
「それはそうだ。」
「このしっとり感に香り。ちょうどいい固さが最高なの。時間を置くのはもったいない。」
「そうだな。」
「…ごめんね。ネズミ、蹴り殺しちゃって…」
「壁についた血しぶきくらい気にするな。」
「いえ、なんだか店長の気が落ちてる気がして…」
「そりゃ…目の前で大きな命が落とされたんだ。」
「…」
「そう言うなら、そのチーズケーキの切れ端でも供養としておいておけ。このネズミは栗乳鼠(くみみ)。栗と乳製品が好きな種類だ。」
「…わかった。小さいお皿ってある?」
「持ってくるよ。」
「ありがとう」
…
「ん~!やっぱここのチーズケーキが一番~!」
「当たり前だ。他の店と食べ比べながら何びゃ…何度も試行錯誤した至高の逸品だからな。」
「ホールで1440円は安い!」
「なるべく手の届く範囲にしている。」
「ありがとう!…ん?」
「お、来たな。」
「チーズケーキが…浮いてる…」
「きっとあんたに感謝しながら食べるだろ。」
「え?え?」
「見えなかったか?今の、昨日お前が殺したネズミの霊だ。悪霊じゃないし、多分あのチーズケーキ食ったら消えるだろ。」
「あ…そう…」
「うまいか?」
「もちろん………私、生き物大切にするよ…」
「そうしてくれ」
ヂュ!
「ぐ…遅かった…」
チーズケーキ
「さすがは元女子プロサッカー選手。足の速さが尋常じゃないな。」
「うっ…うっ…なんでこんなとこにネズミが…」
「衛生面は悪くないはずだ。たまたまどっかから侵入したやつだろう。うちのチーズケーキはねずみおも魅惑するからな。」
「んなこと言ってないで!この血どうしよう~…」
「一匹やられちまったな…」
「ネズミ心配なんて…」
「ネズミも命だ。死ぬなら、意味ある死に方をしてほしかった。」
「店長…」
「靴はこのタオルで拭いておけ。それ食べたら一回ここ封鎖する。掃除のためにな。」
「わかった…」
「なんならお持ち帰りでもいいぞ。」
「それはいいわ。ここで食べるからいい気がするの。」
「それはそうだ。」
「このしっとり感に香り。ちょうどいい固さが最高なの。時間を置くのはもったいない。」
「そうだな。」
「…ごめんね。ネズミ、蹴り殺しちゃって…」
「壁についた血しぶきくらい気にするな。」
「いえ、なんだか店長の気が落ちてる気がして…」
「そりゃ…目の前で大きな命が落とされたんだ。」
「…」
「そう言うなら、そのチーズケーキの切れ端でも供養としておいておけ。このネズミは栗乳鼠(くみみ)。栗と乳製品が好きな種類だ。」
「…わかった。小さいお皿ってある?」
「持ってくるよ。」
「ありがとう」
…
「ん~!やっぱここのチーズケーキが一番~!」
「当たり前だ。他の店と食べ比べながら何びゃ…何度も試行錯誤した至高の逸品だからな。」
「ホールで1440円は安い!」
「なるべく手の届く範囲にしている。」
「ありがとう!…ん?」
「お、来たな。」
「チーズケーキが…浮いてる…」
「きっとあんたに感謝しながら食べるだろ。」
「え?え?」
「見えなかったか?今の、昨日お前が殺したネズミの霊だ。悪霊じゃないし、多分あのチーズケーキ食ったら消えるだろ。」
「あ…そう…」
「うまいか?」
「もちろん………私、生き物大切にするよ…」
「そうしてくれ」
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