話し相手

店長の休憩

野良の群

「店長店長店長店長店長ー！」
「なん…ごぶぅ！」
「なんなんだよも～…いったい…」

家族丼
「う…うら…裏口~…裏口に～…う…うう…うら…」
店員ちゃんがは店長の足にしがみついたままはなれなかった。
「わかった。わかったから離れて。」
「ぁぁぁぁぁぁ…」
「こんなに震えて…何を見たの？」
店長は店員ちゃんの額に手を当てた。
「あー…あー…ん～………はぁ～…」
「うぅ…」
「なんで野良犬にご飯あげたの！」
「可愛そうで…」
「わかるけども…はぁ～…まぁ、216匹連れて来るとは思わないもんね。私がなんとかしとくから。あなたは閉店準備しておきなさい。」
「はい…」
店員ちゃんは足から離れ、エプロンにコロコロをかけて厨房へ向かった。
店長は裏口に行き、現状を見た。
「わぁー…」
216匹の犬が等間隔に伏せていた。そして、店長を見るなり尻尾を振って近づいてきた。
「待て！」
犬達はキラキラした目をしながら止まった。
「くるん！」
全犬がその場で一回転した。
「バック！」
全犬がその場でバク転した。
「ん～…宙・バク・時計・時計・反時計・ワン！」
全犬が宙返りバク転時計回り2回反時計回り、そして最後に「わん！」と叫んだ。
「一つ約束しろ！」
「「「ワン！」」」
「今から飯を食わしてやる！その代わり、二度とここに来るな！自分たちで生きろ！私はその活力を与えるに過ぎん！」
「「「ワン！」」」
「よし！おすわり！」
全犬が座った。
店長は中に入っていき、数分後…
「ほら食えー！」
とても大きな桶の中には、ミックス野菜の上に肉をたんまり乗せたどんが入っていた。
「いいっ食いっぷりだ。新メニュー。家族丼決定だ。牛…親子…唐揚げ…そぼろ…豚…ラム…ビビンバ…海鮮…」
また数分後…
「3肉丼…ランダム丼…おっ、食べ終えたな。」
「「「ワン！ワン！」」」
尻尾を振る様子は、ありがとう！と言っている気がした。
「じゃあ全員！散れ！」
「「「ワーン！」」」
「はぁ～…人騒がせな店員だよ。あいつは。」