話し相手

糸子(イトコ)

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処方

あのあと(中毒者な母)

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「ただいま…」
「おkえr。」
「うっ…キモイ…」
…掲げれば…いいんだよね。

依存症と心侵食障害等
女の子の掲げた宝石は、赤い光を放ち、一人の女の人を出現させた。女の人は振り向き、
「お嬢ちゃん。この地図をあげる。お母さんをここに連れて行って。無理そうなら、この端にある電話番号にかけて。来てもらうように言って。それじゃ、お母さんを助けるから、ちょっと向こう向いてて。」
女の人は地図を渡すと、お母さんに向かっていった。
「おm…だれd…」
女の子は、女の人の言う通り、地図を見ながらそっぽを向いた。
後ろから「あー!」「うぐぅ!」「いだぁ!」と、野太い声が聞こえたが、無視した。明らかにお母さんの声ではないからだった。
時期に音は止み、女の人が声をかけた。
「地図は覚えた?お母さん、少し正気に戻ってるはずだから、今ならここに連れていけるよ。お姉さんも一緒に行こうか?」
「ううん。」
「わかった。じゃあ、ここについたら、その赤い石、お医者さんに渡してね。」
「わかった。」
女の子は座ってうつむいたお母さんを呼んだ。
「お母さん。どおしたの?」
「…あ…いえ、何にもないわ。なんだか、ぼ~っとしちゃって。」
「ちょっと、お外だけどつい来てほしいところがあるの。」
「?…ッ…いや…」
「…お願い。」
「一人で行けばいいじゃない。」
「お母さんがいないといけないの。」
「…わかったわ。」
女の子は、化け物じゃないと、心から安心した。
女の子とお母さんは家を出て、病院に向かった。
「いらっしゃい。どのような…ああ。あっちの部屋に入って。お嬢ちゃんとお母さん。」
「やっ…きょく?」
「いいから来て。」
医者はお母さんを睨んだ。
「これが…」
と言い、女の子は少し不安になった。
診察室に3人が入り、女の子は赤い石を医者に渡した。
「これね。ありがと。」
医者が自分の胸元に石を当てると、全てを理解したような目をした。
「お嬢ちゃん。お母さん、よっぽどひどい状態よ。治るかどうか、わからないような…」
「…お母さん、どんなじょうたいなの?変なお薬のんでから、耳とか、しっぽ生えてきて…声も、しゃべり方も…」
「お母さんはね…戦ってるの。」
「戦ってる?」
「お母さんは強い怨念に取り憑かれてるの。そのせいで、この声だって聞こえやしない。」
「怨念って何!なんなの!」
「…妖怪よ。」
「ふざけてる?」
「そう見える?」
「ううん。」
「お母さんは、強い妖怪に心と身体を奪われたの。治す方法は、妖怪を引っ張り出さないと。」
「どうやって?」
「待ってて。私がなんとかするから。この部屋を出て、席についてて。数十分で終わるから。」
「…わかった…」
女の子は扉を開けた。
「お母さん…治る?」
「確証はない。でも、できる限りを尽くすよ。」
「…わかった。」
扉は閉まった。
「さぁ。これで思う存分研究できるわ~!貴重なサンプルとしていただくよ~!その本体!」
「…e?」
「え?じゃねぇよ!この…狐野郎!」
医者は緑の手袋をして、お母さんの頭を掴み、上に引っ張り上げた。すると、黒い狐のようなものが出てきた。
「ぬわぁー!なんだ~!」
「なんだじゃねぇよこのくそったれ!人体に入り込み、人の精神を貪り、体を我がものとし、欲の限りを尽くす害獣妖怪。」
「妖怪?俺は元人間だ!」
「じゃあ妖怪の定義を教えといてあげる。妖怪ってのは死んだ際、生きたい以外の強い意志を持って現世に留まる生命エネルギーの塊のこと。あんたは自分の欲を満たしたいという意志のせいでこうなってんだろうが!ったく!」
「なんでさわれる!なんで俺が見える!なんで俺のせいってバレた~!」
「あんなわかりやすい耳と尻尾!即バレだよ即バレ!そのうえ、当たり前だが体を乗っ取ったんだ。行動が変われば即バレ!言動が変われば即バレ!ぎり発音できないなんてもっとバレる!なにがe?だ!あれだろ?お母さん、意外と強いせいで完全には乗っ取れてなかったんだろ!」
「チッ!」
「チじゃねぇよ!お前は即刻!天行きだ!死ねー!」
「いや~!」
医者は、狐の首を持ち、握りつぶした。狐は消え、お母さんはぐったりしてしまった。
「観察結果。生命エネルギーの具現化に関すること。捗りそうだ。このお母さんは…ん~…狐のせいで体も心もボロボロってとこか。もう長くはないな。心は食われ、体はいいように使われ、悲しき母だ。とりあえずお薬出しとこう。延命措置の薬…2日に1回のな。」
医者は診察室をでた。
「!お母さんは?!お母さんは!?」
「ちょっと寝てもらってる。ちょっとひどい状態だから、2日に1回、おくすり飲まないといけないね。」
「…」
「でも、すぐに元気になるよ。」
「!ありがとう!」
「いいえ。これが仕事だから。病名だけ書いとくね。「心侵食障害」「心身少傷症」「腐心腐身障害」この三点。どれも、生きるうえでは少し苦しいものだ。あいつ、ひどいもんを作ったよ。」
「あいつ?」
「さっき言った妖怪。まぁウィルスみたいなものだよ。それを追い出したから、あとは被害を治していくだけ。」
「…よかった…」
「うん。これから大変になるかもだけど、私たちが支援するからね。困ったら電話頂戴。お金の相談でも何でもするわ。あと、お母さん多分数時間はこのままだから、いてあげて。」
「いいの?」
「いいの。」
「ありがと。」
「うん。はぁ~疲れた。これ、お母さんのお薬。」
「うん。」
「2日に1回だからね。」
「わかった。」
「ちなみに、お母さんの病気新しいものだから、ある程度の対策ができたら、これから多くの人の役に立つかもしれないの。よかったね。」
「うん…」
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