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パフォーマンス
苦手の克服
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常連さんがやってきた。
いつもを知らないかもだが、いつもと違ってサングラスをかけていた。
「…いつものでいい?」
「…」
常連は、黙ってりんごを一つ置いた。
(こいつ面倒くせぇ~!苦手だわ~!)
と思った。
アップルパイ
「何が言いたいか…わかるか?」
「知らん。」
「はぁ~…察しの悪いやつだ。」
「アップルパイはうちにねーぞ。」
「そこをなんとか!」
「…第一お前!りんごきらいじゃなかったか?あったとして、りんご嫌いにだすアップルパイはねーんだよ。」
「だってこの前この店に来てた女子高生が「彼氏りんごアレルギーだったの!引くくない?」「まじやばいよね~。蛙化だわ蛙化」って言ってたの聞いて俺りんご嫌いじゃん!やばいじゃん!ってなったんだよ~!」
「黙れ!キモい!40独身の男が今更女子高生の話を鵜呑みにするな!」
「ええやんそんくらい。」
「急に関西弁なんなや。」
「店長。その男もうほっといたら?」
「そういうわけにもいかんのさ。なんか食ってくれねぇと追い出す羽目になる。そういうのは避けたいんだよ。」
「強盗に飯食わすくらいだもんな。」
「あれは…その…まぁ…いいんだよ。」
「とりあえず!とりあえずアッポゥパイ!」
「言い方がなんかいやだね。」
「アップルパイをお願いします。」
「…わかった。新しいメニューとして、アップルパイ作っとく。その代わり、他のタルト・パイ系のメニューも考えといて。最低2つね。」
「わ…わかった。」
「俺も手伝ってやるよ。」
「あんた誰だよ。」
「常連。」
「じゃあOK。」
「トラブルは起こすなよ。」
…約…20分後
「ほら!アップルパイ!値段はホールで1066円だ。」
「安すぎ!」
「うまそう!」
「一切れ大体8分の1で…160円だな。」
「さっすが店長!金ねーやつの味方だぜ!」
「ちゃんと代金とるから。」
「「はーい。」」
…
「とろけるみてぇだ~…」
「甘くて優しい味わい…」
「最高の噛み応え!」
「噛めば噛むほど出るりんごの果汁!そしてそれに合う生地!りんご嫌いなんか一瞬で治るわ~…」
「お気に召したようで何より。」
「「最高~…」」
「ちょっ…ちょっと俺にも…」
「他の客も来ちまったな。」
…
「結局1切れ分しか食えなかった…」
「それでも十分なくらいだけどな。」
「確かに。」
「そう言ってくれると嬉しいよ。で、」
「で?」
「考えたんだろうな?」
「あ…」
「おい」
「お先に失礼~」
「あーえと!その!えと!あ!チーズケーキ!フルーツタルト!ベリータルト!メロンクリームケーキ!」
「…ありがとう。早めに商品として出せるようにしておく。メロンクリームケーキか…うまそうだ。」
「ほっ」
「160円な。」
「わかってるよ。ほかの客にも請求しろよ?」
「いや、他の客は16分の1サイズだから請求しない。」
「…俺も16分の1にしときゃよかった…」
「あと他の客は他のもの頼んでるしな。」
「それもそうか。ってか、意外と克服って簡単なんだな。」
「そうだな。私も聞いた話じゃ、ピーマン嫌いも、美味しいピーマン料理を食ったときからピーマンが好きになったっていう話を聞いた。うまいものは、簡単に人を変えられるんだよ。」
「深そうで浅いな。」
「お前をタルトの一部にしてやる。」
「すまねぇ。」
「あとサングラス外せ。鬱陶しくてならん。」
「こういうの苦手?」
「お前みたいなのが苦手。」
いつもを知らないかもだが、いつもと違ってサングラスをかけていた。
「…いつものでいい?」
「…」
常連は、黙ってりんごを一つ置いた。
(こいつ面倒くせぇ~!苦手だわ~!)
と思った。
アップルパイ
「何が言いたいか…わかるか?」
「知らん。」
「はぁ~…察しの悪いやつだ。」
「アップルパイはうちにねーぞ。」
「そこをなんとか!」
「…第一お前!りんごきらいじゃなかったか?あったとして、りんご嫌いにだすアップルパイはねーんだよ。」
「だってこの前この店に来てた女子高生が「彼氏りんごアレルギーだったの!引くくない?」「まじやばいよね~。蛙化だわ蛙化」って言ってたの聞いて俺りんご嫌いじゃん!やばいじゃん!ってなったんだよ~!」
「黙れ!キモい!40独身の男が今更女子高生の話を鵜呑みにするな!」
「ええやんそんくらい。」
「急に関西弁なんなや。」
「店長。その男もうほっといたら?」
「そういうわけにもいかんのさ。なんか食ってくれねぇと追い出す羽目になる。そういうのは避けたいんだよ。」
「強盗に飯食わすくらいだもんな。」
「あれは…その…まぁ…いいんだよ。」
「とりあえず!とりあえずアッポゥパイ!」
「言い方がなんかいやだね。」
「アップルパイをお願いします。」
「…わかった。新しいメニューとして、アップルパイ作っとく。その代わり、他のタルト・パイ系のメニューも考えといて。最低2つね。」
「わ…わかった。」
「俺も手伝ってやるよ。」
「あんた誰だよ。」
「常連。」
「じゃあOK。」
「トラブルは起こすなよ。」
…約…20分後
「ほら!アップルパイ!値段はホールで1066円だ。」
「安すぎ!」
「うまそう!」
「一切れ大体8分の1で…160円だな。」
「さっすが店長!金ねーやつの味方だぜ!」
「ちゃんと代金とるから。」
「「はーい。」」
…
「とろけるみてぇだ~…」
「甘くて優しい味わい…」
「最高の噛み応え!」
「噛めば噛むほど出るりんごの果汁!そしてそれに合う生地!りんご嫌いなんか一瞬で治るわ~…」
「お気に召したようで何より。」
「「最高~…」」
「ちょっ…ちょっと俺にも…」
「他の客も来ちまったな。」
…
「結局1切れ分しか食えなかった…」
「それでも十分なくらいだけどな。」
「確かに。」
「そう言ってくれると嬉しいよ。で、」
「で?」
「考えたんだろうな?」
「あ…」
「おい」
「お先に失礼~」
「あーえと!その!えと!あ!チーズケーキ!フルーツタルト!ベリータルト!メロンクリームケーキ!」
「…ありがとう。早めに商品として出せるようにしておく。メロンクリームケーキか…うまそうだ。」
「ほっ」
「160円な。」
「わかってるよ。ほかの客にも請求しろよ?」
「いや、他の客は16分の1サイズだから請求しない。」
「…俺も16分の1にしときゃよかった…」
「あと他の客は他のもの頼んでるしな。」
「それもそうか。ってか、意外と克服って簡単なんだな。」
「そうだな。私も聞いた話じゃ、ピーマン嫌いも、美味しいピーマン料理を食ったときからピーマンが好きになったっていう話を聞いた。うまいものは、簡単に人を変えられるんだよ。」
「深そうで浅いな。」
「お前をタルトの一部にしてやる。」
「すまねぇ。」
「あとサングラス外せ。鬱陶しくてならん。」
「こういうの苦手?」
「お前みたいなのが苦手。」
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