話し相手

糸子(イトコ)

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ままごと

あのくま

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「新しい子、作っちゃった!」
「店長がまたなんか作ったそうだぜ。」
「何かしら何かしら~!」

黄色いくま
「こ…こんにちは…」
「しってる~!」
「「知ってる~!」」
「うぅ…」
「こらこら。この子が怖がってる。急な合唱はやめてくれ。」
「でもよ、こいつ、くまのプーだろ。興奮するぜ。」
「でもなんか性格違くないか?」
「おっとりしてるし、こんなもんだろ。」
「そんなザックリした解釈だから、お前バカって呼ばれてんだよ。」
「「「アハハハハハ!」」」
「この子をおいて話さない!なんのために前に出したと思ってるの?」
「慣れさせるためだろ?"あの部屋"には極力行かせたくなくて。」
「そうだ。わかってるだったら…ん~…」
「…」
「まず、自己紹介からにしようか。」
「はい、ぼ…ぼく、くまのプーさん。よろしくね。動ける型にはしてもらったよ。元のお話をよく知らないけど、教えてほしいな。」
「おぉ…かわいいやつだぜ~。」
「「私達が教えてあげるのん!」」
「おっ、チルドベアーズ!君たちなら頼めそうだよ!」
「任せて!」「任せて!」「任せて!」
「くまの子がこれで四匹目になるなら、とっても心強いの!」
「オスのくまってのもポイントたか~い!」
「遠慮なくね!」
「よ…よろしく…です。」
「あれ?ちょっと苦手かな?」
「キラキラ…してて…」
「意外とシャイだな。店の右奥端の大人しいグループに入れるのはどうだ?」
「あぁ!確かに。君たち、いいかい?」
「俺達は構わねぇ。無口なやつが時々話す程度だ。」
「じゃあ、お願いするよ。」
「わ…わかった。あそこ、行けばいいんだよね?」
「そう。ある程度お話して、自分を作り上げていって欲しいんだ。なにかあったら、店長ー!って叫んでね。」
「わかった。」
「んん。やっぱりいいね。自立型は。」

「「「…」」」
(ん?静かだな。)
「「「ZZZzzzz…」」」
「!?」
「…おしまい。」
「え?なに?何が起きてたの?なんでプーだけ店のど真ん中で本読んでるの?」
「店長さん。みんなからお話聞いてると、読みたくなって。読んでたらいつの間にか…」
「そういうことか。まぁいいか。にしてもプー、教えてもないのに字なんてよく読めたね。」
「知ってた何人かに教えてもらったんだ。」
「ほう。良かったね。みんな寝ちゃってるし、プーも寝てしまったほうがいいんじゃない?」
「わかった。」

(少しまずいな。いい奴らではあるが、知恵がつきすぎているかもしれん。動けるタイプを作るのは、もうやめたほうがいいのか?)
~~~~!~~~~!
「電話………」
「もしもし?」
~「もしもし?面白いもの見つけたからちょっと相談。みんな集まるから。」~
「え?」
…途切れた
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