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ままごと
夕方レッスン
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「「「せ~んの~旅~ま~んの~苦悩~そーれでも俺等はくっしない!」」」
「また歌ってるのか?なんだっけ…えと、」
「「「旅に謳えよ!」」」
「あーそうそれ。アニメ見せたの間違いだったかな?」
「「「そんなことない!」」」
「俺達の流行みたいなものじゃないか。」
「そうだそうだ!」
「私達、とっても気分がいいの~!」
「お客さんが来た時はやめてくれよ~。」
「「「は~い!そうさ~!我らは~…操り人形「ハルバード」!」」」
「お客さんよ~!」
「「「はい!」」」
「喋る…人形…」
「バレてたぜ。」
「じゃあ歌うか!」
「やめとけやめとけ。お前らただでさえ愛想悪ぃのに。」
人形合唱
「なに、この店…」
「とりあえず地面はきたねー。そこの犬っころどけて座りな。説明してやるぜ。」
「え…ええ…頼むわ…」
「わん!わん!」
…
「俺達は見ての通り喋る人形だ。」
「ええ。」
「ここではそんな喋る人形を売る店だ。店長に頼めば、喋らなくもなる。俺たちの存在を知るやつの前でだけ喋る。この店内じゃ喋られるけどな。」
「あら…そう…」
「まだ理解が追いつかないようよ。あんた説明下手くそね~!」
「そうじゃねぇだろ!俺たちみてぇな存在が、この人の混乱を生んでるんだ。」
「いいえ!あんたがへたれだからよ!ヘタレ!」
「ああもういい。黙っとけババア!」
「まあー!誰がババアですって!…あたしか。」
「「「アハハハハハハ!」」」
「ゆ…愉快な人形ね…」
「どうだい?俺を買うつもりはないかい?」
「え…あ…」
「困ってる。そういうのはやめておけ、下手に選べば…お前が引き裂かれるだけだからな!」
「「「アハーハハハハ!」」」
「そういえばあなた達、歌歌ってたよね。」
「おう。歌ってたぜ。最高の歌さ。」
「ちょっと、気持ちの整理つけたいから、レッスンさせてくれない?」
「教師だ!歌の教師だ!」
「そうよ。私は歌の教師。なんなら、合唱が得意分野よ。」
「レッスン、いいね~。俺も若い頃は~」
「全員大体生まれて十年以内っす。」
「あら。」
「すまねぇ。若い頃もくそもねぇ。」
「あら。まぁいいわじゃあ、レッスンしましょう。」
「「「はい!先生!」」」
…
「ん?なんか騒がし…」
「「「「「「「せ~んの~旅~ま~んの~苦悩~そーれでも俺等はくっしない!」」」」」」」
「…うるせぇ…」
「ふぅ…今日はこれくらいにしましょう。人形はいいわね。喉が潰れなくて。」
「口以外動けねぇのが難点さ。」
「お客さん?」
「2時間前に来た。」
「もぉ~言ってって言ったじゃん!」
「すまねぇな。でも歌上手くなったぜ。」
「騒がしくなりそう…」
「初めまして、歌の教師をしております。」
「初めまして…どんな御用で?」
「人形屋って珍しくて、つい。」
「まぁそうだよね。なんなら、なにか一つ、人形持っていく?レッスン料代わりになるといいけど。」
「いいんですか?じゃあ…あの壁側にいるオレンジの人で。」
「声でかいやつだ。いいんですね?」
「やった~!俺だー!」
「ええ。彼の声が一番綺麗だったから、ハモリとかにいいかもって。」
「そりゃいい。どうぞ、持ってってくれ。」
「ありがとうございます。」
「俺卒業~!じゃあな!みんな!」
「「「じゃあなー!」」」
「またこいよ~!」
「あいよ!」
「本日はありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ。コイツラの面倒見てくれてありがとう。」
「それでは。」
「…」
「「「…」」」
「迷惑、かけなかっただろうな?」
「逆だ。あいつ、とんでもねぇスパルタ教師だ。さっきのやつだけ、一度も怒られなかったのさ。」
「そういうね。」
「また歌ってるのか?なんだっけ…えと、」
「「「旅に謳えよ!」」」
「あーそうそれ。アニメ見せたの間違いだったかな?」
「「「そんなことない!」」」
「俺達の流行みたいなものじゃないか。」
「そうだそうだ!」
「私達、とっても気分がいいの~!」
「お客さんが来た時はやめてくれよ~。」
「「「は~い!そうさ~!我らは~…操り人形「ハルバード」!」」」
「お客さんよ~!」
「「「はい!」」」
「喋る…人形…」
「バレてたぜ。」
「じゃあ歌うか!」
「やめとけやめとけ。お前らただでさえ愛想悪ぃのに。」
人形合唱
「なに、この店…」
「とりあえず地面はきたねー。そこの犬っころどけて座りな。説明してやるぜ。」
「え…ええ…頼むわ…」
「わん!わん!」
…
「俺達は見ての通り喋る人形だ。」
「ええ。」
「ここではそんな喋る人形を売る店だ。店長に頼めば、喋らなくもなる。俺たちの存在を知るやつの前でだけ喋る。この店内じゃ喋られるけどな。」
「あら…そう…」
「まだ理解が追いつかないようよ。あんた説明下手くそね~!」
「そうじゃねぇだろ!俺たちみてぇな存在が、この人の混乱を生んでるんだ。」
「いいえ!あんたがへたれだからよ!ヘタレ!」
「ああもういい。黙っとけババア!」
「まあー!誰がババアですって!…あたしか。」
「「「アハハハハハハ!」」」
「ゆ…愉快な人形ね…」
「どうだい?俺を買うつもりはないかい?」
「え…あ…」
「困ってる。そういうのはやめておけ、下手に選べば…お前が引き裂かれるだけだからな!」
「「「アハーハハハハ!」」」
「そういえばあなた達、歌歌ってたよね。」
「おう。歌ってたぜ。最高の歌さ。」
「ちょっと、気持ちの整理つけたいから、レッスンさせてくれない?」
「教師だ!歌の教師だ!」
「そうよ。私は歌の教師。なんなら、合唱が得意分野よ。」
「レッスン、いいね~。俺も若い頃は~」
「全員大体生まれて十年以内っす。」
「あら。」
「すまねぇ。若い頃もくそもねぇ。」
「あら。まぁいいわじゃあ、レッスンしましょう。」
「「「はい!先生!」」」
…
「ん?なんか騒がし…」
「「「「「「「せ~んの~旅~ま~んの~苦悩~そーれでも俺等はくっしない!」」」」」」」
「…うるせぇ…」
「ふぅ…今日はこれくらいにしましょう。人形はいいわね。喉が潰れなくて。」
「口以外動けねぇのが難点さ。」
「お客さん?」
「2時間前に来た。」
「もぉ~言ってって言ったじゃん!」
「すまねぇな。でも歌上手くなったぜ。」
「騒がしくなりそう…」
「初めまして、歌の教師をしております。」
「初めまして…どんな御用で?」
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「まぁそうだよね。なんなら、なにか一つ、人形持っていく?レッスン料代わりになるといいけど。」
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「やった~!俺だー!」
「ええ。彼の声が一番綺麗だったから、ハモリとかにいいかもって。」
「そりゃいい。どうぞ、持ってってくれ。」
「ありがとうございます。」
「俺卒業~!じゃあな!みんな!」
「「「じゃあなー!」」」
「またこいよ~!」
「あいよ!」
「本日はありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ。コイツラの面倒見てくれてありがとう。」
「それでは。」
「…」
「「「…」」」
「迷惑、かけなかっただろうな?」
「逆だ。あいつ、とんでもねぇスパルタ教師だ。さっきのやつだけ、一度も怒られなかったのさ。」
「そういうね。」
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