82 / 103
処方
脆くなんかない
しおりを挟む
「あ…あの~」
お母さんは男の子をお姫様抱っこでやってきた。
「…ん?あ…あぁ。すまない。少し寝てしまった。」
「この子、診てもらえますか?薬局ですけど…」
骨折と治りバフ
「ここの薬局が、何でもすぐに治してくれると聞いて…」
「いたい…」
「ここまでお姫様抱っこで?」
「ええ。それしか安全に運べそうになくて。」
「お強いですね。すぐにある程度楽にしましょう。お子さん、お借りしますね。」
お母さんは男の子を医者に手渡しした。
「ありがとうございます。治るといいわね。」
お母さんは言ったが、男の子は少し納得いかなかった。
「えっ?ちょ…早くない?」
「そんなものよ。がまんなさい。」
「え?」
…
医者は男の子を平たいベットに寝転がせ、
「症状…というか、骨折ね。」
「はい…」
男の子は足を痛そうにさすりながら答えた。
「レントゲン撮るね。」
医者は男の子の足の上をスッと手を振った。
「え?」
横の机のモニターに、足のレントゲンが出てきた。
「どうなってるの?」
「ん~まぁ気にしないで。…みる?」
「いえ、やめときます…」
「あそう。…これは…高所からの落下。かな。」
「あー…まぁ…はい。」
「やっぱり?」
「友達に、骨弱って言われて、腹立って、2階から…」
「なんという…」
「すいません…」
「謝るのは場違い。自分の骨にでも謝りなさい。」
「…」
「よし。痛くないけど一ヶ月かけた治療と、めちゃくちゃ痛いけど一瞬で治る治療。どっちがいい?」
「そ…そりゃ、すぐ治る方…」
「わかった。後悔しないでね。」
「え?」
医者は再び男の子を横たわらせ、折れた足を掴んだ。
「痛っ!」
「あっとごめん。強く握りすぎた。まぁ参考程度にな。今の痛みの約43.7倍の痛みが伴う。」
「は?」
「始めるぞ。」
文に表すのが恐ろしいほどの悲鳴が部屋中を埋め尽くした。きっと、飛行機のエンジン音と同格程の悲鳴であった。
「あっ…あぁ…あ…」
「よく耐えたな。実質耐えれてなかったが。」
「あぁ…あ…あ…」
医者はゆっくり男の子を立たせ、母親のもとに向かわせた。
「あぁ!良かった!治ったのね!ありがとうございます!先生!」
「いえ、一番頑張ったのはこの子ですから。」
「そういえば何してたの?」
「ぅ…ぅ…」
「帰ってから聴いてみてください。今は…ちょっと…放心状態なので。」
「な…何してたんですか?」
「とてつもない痛みの代わりにすぐ治るというのを…」
「あら!そんなのがあるの~!頑張ったわね!帰りは抱っこしてあげるわね。」
「あ。あと、痛みのともに、多分骨密度は上でているので、基本、安心ですよ。」
「良かったわ~。ありがとうございます。さっ、帰るわよ。よいしょ。」
母親は、男の子を担いで帰った。
「母親のほうがたくましそうだ…」
お母さんは男の子をお姫様抱っこでやってきた。
「…ん?あ…あぁ。すまない。少し寝てしまった。」
「この子、診てもらえますか?薬局ですけど…」
骨折と治りバフ
「ここの薬局が、何でもすぐに治してくれると聞いて…」
「いたい…」
「ここまでお姫様抱っこで?」
「ええ。それしか安全に運べそうになくて。」
「お強いですね。すぐにある程度楽にしましょう。お子さん、お借りしますね。」
お母さんは男の子を医者に手渡しした。
「ありがとうございます。治るといいわね。」
お母さんは言ったが、男の子は少し納得いかなかった。
「えっ?ちょ…早くない?」
「そんなものよ。がまんなさい。」
「え?」
…
医者は男の子を平たいベットに寝転がせ、
「症状…というか、骨折ね。」
「はい…」
男の子は足を痛そうにさすりながら答えた。
「レントゲン撮るね。」
医者は男の子の足の上をスッと手を振った。
「え?」
横の机のモニターに、足のレントゲンが出てきた。
「どうなってるの?」
「ん~まぁ気にしないで。…みる?」
「いえ、やめときます…」
「あそう。…これは…高所からの落下。かな。」
「あー…まぁ…はい。」
「やっぱり?」
「友達に、骨弱って言われて、腹立って、2階から…」
「なんという…」
「すいません…」
「謝るのは場違い。自分の骨にでも謝りなさい。」
「…」
「よし。痛くないけど一ヶ月かけた治療と、めちゃくちゃ痛いけど一瞬で治る治療。どっちがいい?」
「そ…そりゃ、すぐ治る方…」
「わかった。後悔しないでね。」
「え?」
医者は再び男の子を横たわらせ、折れた足を掴んだ。
「痛っ!」
「あっとごめん。強く握りすぎた。まぁ参考程度にな。今の痛みの約43.7倍の痛みが伴う。」
「は?」
「始めるぞ。」
文に表すのが恐ろしいほどの悲鳴が部屋中を埋め尽くした。きっと、飛行機のエンジン音と同格程の悲鳴であった。
「あっ…あぁ…あ…」
「よく耐えたな。実質耐えれてなかったが。」
「あぁ…あ…あ…」
医者はゆっくり男の子を立たせ、母親のもとに向かわせた。
「あぁ!良かった!治ったのね!ありがとうございます!先生!」
「いえ、一番頑張ったのはこの子ですから。」
「そういえば何してたの?」
「ぅ…ぅ…」
「帰ってから聴いてみてください。今は…ちょっと…放心状態なので。」
「な…何してたんですか?」
「とてつもない痛みの代わりにすぐ治るというのを…」
「あら!そんなのがあるの~!頑張ったわね!帰りは抱っこしてあげるわね。」
「あ。あと、痛みのともに、多分骨密度は上でているので、基本、安心ですよ。」
「良かったわ~。ありがとうございます。さっ、帰るわよ。よいしょ。」
母親は、男の子を担いで帰った。
「母親のほうがたくましそうだ…」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
浜薔薇の耳掃除
Toki Jijyaku 時 自若
大衆娯楽
人気の地域紹介ブログ「コニーのおすすめ」にて紹介された浜薔薇の耳掃除、それをきっかけに新しい常連客は確かに増えた。
しかしこの先どうしようかと思う蘆根(ろこん)と、なるようにしかならねえよという職人気質のタモツ、その二人を中心にした耳かき、ひげ剃り、マッサージの話。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる