話し相手

ままごと

猫と運命

「さぁ「コルトくん」。みんなに挨拶して。」
「こ…こんにちは…」
「「「こーんにーにはー！！」」」
「あいつすげぇ！」
「まじかよ！とうとう！」
「こんなやつを待ってた気もするぜ。」

成功個体
「やっと成功したよー！動く人形！」
「俺達だって動くし喋る！同じだろ！」
「いや、彼は足も動く。君たちは口と少し腕が動く程度だろう？これは違う。」
「こ…これ…」
「あぁ～ごめんね。コルトくん。」
「俺達も動かしてくれよ！」
「そうよ！その子ができるなら私達もできるでしょ！」
「いつかね。」
「こりゃやらねーやつだな。」
「それじゃ、一回、色々テストしなくちゃだから、裏に行くね。お客さん来たら教えてー。」
「「「あーい。」」」
「贔屓だ贔屓！」
「しょうがねぇよ。あいつは人間だ。完全平等なんてできねぇよ。」
「それもそっかぁ～…」
…
「コルトくん。これを掴んでみて。」
「んっ…んっ？んっ！んっっっ！」
「いいよ！いいよ！その調子！」
「んしょ！」
「よくできたねー！」
「これくらい…なんてことないよ…」
「それじゃあ次は、走れるかd…」
「ニュ~ン」
「猫？」
「あっ…」
「あっ…」
「ニューン！」
「猫ーー！」
「助けて～！」
「ニューン!」
「なんだこの猫。」
「あれ？今のコルトじゃ…」
「「「…」」」
「店長ー！」「店長！」「店長ーーーー！」
「うおーーー！まて猫ーー！」
「いけー店長ーー！仲間を取り戻せ～！」
チリンチリン…
「俺達も足が動かせたらな～。」
…
「待って猫～！」
「助け…て～！」
「あぁ…もう！」
「あら猫ちゃん。　あら…成人男性…」
「たす………けて…～！」
「あぁ、知らない人に見られると自動的に落ちるんだった！見つけずらく…」
…
「見失った…」
そこへ女性がやってきた。
「あんた、猫探してんの？」
「えっ…あ…まぁ…」
「もしかして…」
そう言って彼女は、持っていた手提げバッグに手を突っ込み、人形を咥えた猫を取り出した。
「え？なんで…」
「助けて～！店長～！」
「喋ってる…」
「…まぁ、これは置いとこう。」
彼女は猫をバッグに戻し、店長の胸ぐらを掴んだ。
「えっ？！」
「てめぇ今までどこいやがった！全員生活しながら探したんだぞ！連絡も取れねーでよぉ！」
「えっ？えっ？えっ…あっ！」
「やっと思い出したか。」
彼女は手を離し、定食屋とレストラン、BAR、薬局の地図を渡した。
「それぞれなんとなくわかるだろ。いつか連絡しろよ。2万年も待ったんだ。たくっ…ほら猫。」
「ニューン」
「あ…ありがと…」
…
「あの人たちだれ～？」
「…旧友、かな。」
「会ってなかったの？」
「なんか、怖くなってさ。」
「怖く？」
「店長の深堀りしたら腕なくすよ？」
「す…すいません…」